女性性器の臭いは病気のサイン
ー黄色いおりものと臭いが変わったー

婦人科の先生はこの患者の状況が分かっていただろうか?
■黄色いおりものが多くなり、同じ頃から臭いも気になっていた
重い腰を上げ、婦人科を受診しました。おりもの検査と腟洗浄をして頂き、1週間後にもう一度受診しました。検査の結果は淋菌、クラミジア、トリコモナス、カンジダは陰性とのことでした。腟洗浄をして頂いた後は、おりものの量や臭いは少し良くなった気がしますが、アイラボの郵送検査を受けてみることにしました。2年前に閉経したため、ホルモンの状態も一緒に調べたかったので購入したキットは「Femバランスチェック」です。
このような経緯の52歳女性です。それではさっそく顕微鏡を見てみましょう。
先ずは顕微鏡の拡大を下げて全体を見てみましょう。白血球が増えているのが分かりますが、他の大部分の視野にはもっとたくさん白血球を認めます。■ひどい腟炎を伴っていることが分かります。なぜこの部位の写真を撮影したかというと、黄色と赤で囲った部位が気になったからです。黄色い部分から拡大を上げましょう。
私のブログをいつも見て頂いている方は分かるかも知れませんが、細胞検査士の資格を取得したばかりのほやほや検査士にこの標本を忍ばせておいたところ、この細胞は見落とされました。強い炎症を伴っているため、典型的な細胞で教育されたほやほや検査士には少し難しかったのかな?いくつかの核が押し合うような所見は細胞融合によるもので、■ヘルペス感染細胞の特徴です。しかも核は均一(スリガラス様)化し、核内封入体は観察されませんので、(多分)初めての感染かな? その周りにオレンジ色に染まるのは赤血球が壊れた残骸ですので、(多分)不正出血もあったのだと思います。黄色い枠の中ではこのようなことを推定します。
次に気になるのが赤で囲った部分です。中心部がやや紫色に見える部分と、写真左下にも同じように青っぽく、もやもや感が見られます。私は、これらを見ると■腟ガルドネラ菌なのでは?、、、この時点で、ヘルペス感染を伴う細菌性腟症でがないかと推定します。
単染色という方法で観察すると、腟ガルドネラ菌が細胞に群がっています。前の写真で青っぽくもやもやしていたのはそのためです。もちろん乳酸菌は見られません。この視野だけを見てもヌージェントスコアは8になり、細菌性腟症が疑われます。
他の部位には、腟ガルドネラ菌が更にたくさん群がっている細胞も見られました。細胞診標本の中にもクルーセルと診断できる細胞があるかもしれません。ここにも乳酸菌は見られません。ということで、■ヘルペス感染による炎症を伴う細菌性腟症の診断は可能です。

細菌性腟症で炎症を伴っている? 
  それは無視できない!

腟内環境を見る上で大切な事は、目的は何なのか? です。
今回のケースは、おりものと臭いで悩む女性を取り上げましたが、目的はおりものの原因解明です。結局のところ、お医者さんは医療現場で普通に行われるおりもの検査を実施しましたが、真の原因には到達できなかったことになります。乳酸菌が多いのか? 少ないのか? いないのか? を調べる検査もありますが、乳酸菌が多いからといって炎症が伴っていないわけでもありません。まして、炎症の裏にヘルペスの感染が潜んでいることも知る由もありません。私達は長年経験から「婦人科細胞診は、最も安価で、最も正確な婦人科感染症総合的検査法」と位置づけ、すべてのキットは細胞診でチェックしています。Femバランスチェックなど、細菌性腟症関連の検査を提供していますが、細菌性腟症だけでは一般に炎症(腟炎)は伴いません。流産や早産の原因として細菌性腟症に伴う炎症が注目されている以上、炎症の有無を調べることが極めて重要だと考えています。細菌性腟症の背景に炎症がある場合、その原因こそが流早産に関係しているのではないかと考えています。

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この記事は椎名先生に代わり
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女性予防医療推進機構での講演

2025年11月9日、IKE・Bizとしま産業振興プラザ6階多目的ホールにおいてNPO法人「女性予防医療推進機構」のキックオフイベントが開催され、多くの方と一緒に私も参加させて頂きました。今回もこんなのかな?と想像していましたが?
およそ半年が過ぎた昨日(2026年7月4日)理事長である伊奈絵里佳氏からの依頼でセミナーが開催されました。伊奈氏からはズームでのセミナーとなっていたようですが、てっきり通常の講演と思い込み、現場に到着してみると演者(私)の目の前にあるのは参加者ではなく、カメラのようなもの????、、、こんなの初めて!、、、年は取りたくないですね。
まあ何とかなるかと思いつつも、ちょっと不安?実際進行してみると、スライドの画面は私の真後ろなので、スライドを見ながらではなく、手元の原稿を見ながらのお話でしたので、なんともぎこちない船出、、、落ち着かないまま予定の時間になりました。最後のほうは少しあせり気味でしたので、このブログで再度紹介しますね。
本日は、知っておきたいHPVの基礎知識、男性も女性も、自分と大切な人を守るためにというテーマを頂きました。私たちの会社は、登録衛生検査所を運営していますが、「女性の健康と活躍を支援する」ことを目的に開業しました。伊奈様とは2024年に東京ビッグサイトで開催されたFem+ 2024「女性の健康と活躍を支援する会」というイベントに共同で出展させて頂いたのがきっかけでお付き合いをさせて頂いております。
それでは始めさせて頂きます。
私の経歴は、病院での検査業務、千葉大学教育学部で7年ほど性教育の教務補佐委員として故武田 敏先生の元でお手伝いをさせて頂きました。その当時、近くに江東微生物研究所千葉支所があり、臨床化学検査や細胞診検査を非常勤の形で携わりました。そんなある日、私が担当した女医さんからの子宮頸がん検査依頼書に「臭い(+)」とのコメントに出会いました。先生に話を聞くと、婦人科医のお父さんから、診察の時気が付いたことがあれば必ずメモしなさいとの教えがあったっそうです。「先生、細菌性膣症はご存じですか?」と質問すると。「エ?、、それなんですか?」という言葉が返ってきました。それがきっかけで、先生と共同で日本臨床細胞学会に細菌性膣症のテーマで発表させて頂きました。司会の先生も話には聞いたことはありますが、実際のところは分からないご様子でした。その後この研究を続けているとあるヨーロッパの研究者が細菌性膣症を「男が黙って去っていく病気」と表現された記事を目にしました。それから今日まで細菌性膣症とお付き合いしています。
江東微生物研究所様のお手伝いではもう一つ私にとって大切な出会いがありました。
それは子宮頸がん検査用自己採取器具加藤式との出会いでした。当時の婦人科細胞診の検体はお医者さんがスライドガラスに直接塗抹していましたので、適切ではない標本がとても多く、何かとトラブルがありました。そんなある日、私の仕事に回ってきた検体が加藤式で採取された自己採取検体でした。“素晴らしい”の一言。でも当時から自己採取検体の取り扱いに関しては問題があったようですので、私がもし責任ある立場になった時、加藤式については真剣に研究しようと決めていました。この2つの経験が今の私の仕事を支えております。その後、日大医学部病理学教室で酵素抗体法の技術を学び、母校の杏林大学保健学部では細胞診の研究と教育に携わりました。写真に示す細胞は、私が星雲上封入体(nebular inclusion)と命名しました。クラミジアが細胞の中で増殖していく過程で観察される形態の発見で医学博士の学位を頂きました。
現在の会社は、故八田賢明先生(千葉県松戸市ジュノヴェスタクリニック八田の元院長)が私直々に「椎名君、女性はお産以外は私達の所(婦人科)には来たくないんだよ(敷居が高い)。それで、子宮頸がんや不妊症など手遅れになってしまうことが多いので、何とか自己採取で精度の高い検査を考えてくれよ。」この言葉は、私が江東微生物研究所で加藤式に出会った時に自身に誓ったことでもあり、その実現に向けて日々努力し、スライドのような活動をしています。
それでは本題に入ります。
HPVとは、ヒトパピローマウイルスのことです。人の顔や手にイボを作るウイルスですのでそのように命名されました。HPVは現在200種以上が確認されていますが、ヒトの性器に関係するのはおよそ40種が知られています。このスライドに示すようにいろいろな病気に関係していますが、感染したからといってすべてこのような病気になるわけではありません。その多くは免疫力によって自然に排除されます。今回は、子宮頸がんとの関係について勉強しましょう。
子宮頸がんに関係のあるHPVを特に高リスク(ハイリスク)型HPVといいます。国や地域、人種によっても多少異なるようですが、おおむねこの13種が高リスクと認定されています。現在HPV検査として活躍している機種は中間群の66型も含まれています。その他に73型と82型も高リスクに加える向きもあります。わが国では73型が検出されるケースは少ないですが、82型については私共もハイリスクでよいのではないかと思ったケースがいくつかあります。それは、細胞診で明らかに高度異形成に相当する異型細胞が見られたのにもかかわらず、HPV検査では陰性であったケースが少なくても6例あります。当初は検体提出医からHPV検査がおかしいのではないかと指摘を頂きましたが、82型はHPV検査の対象外であることを説明し納得して頂きました。そんな経緯から、私達は82型をハイリスク(候補型)として扱っています。6型と11型はHPVの特徴でもある「イボ(隆起性病変)」をつくり、(おかしい=病気)と分かりますが、高リスク型は隆起性病変をつくらないため、肉眼的には何の変化もなく、病気と認定されないし、治療の対象にもなりません
高リスク型HPVの特徴をまとめると、■性行為によって目に見えない小さな傷から感染しますが、その■多く(90%)は免疫の力で自然に排除されるようです。1年以内に70%が、2に年以内に90%がいなくなるという報告があります。感染しても抗体の量が少ないため、■何度も感染します。コロナウイルスと同じように■ワクチンで予防することが可能ですが、■持続感染する一部が進行したがんになると考えられています。
HPVは出産時に母親から赤ちゃんへ感染することがありますが、多くは自然に排除されます。 子宮頸がんの原因となる高リスクHPVは、主に性行為の際にできる目に見えない小さな傷から体内に入ると考えられています。そのため、子宮・膣・肛門・陰茎など、性行為で直接触れる部位にがんが発生することがあります。 また、オーラルセックスによる中咽頭がんも増えているようです。米国では検診やワクチン接種の普及により子宮頸がんは減少傾向にありますが、中咽頭がんの割合が増えているようです。のどは性器ほど傷つきやすくはありませんが、健康な咽頭に比べ、喫煙・飲酒・風邪などでのどが荒れている状況では感染しやすくなる可能性が考えられます。HPVワクチンの接種は咽頭への感染も防ぐ効果がありますので、欧米やオーストラリアでは男性への接種も進んでいます。私の孫(男の子)はフィラデルフィアに住んでいますが、中学一年生の頃接種を済ませているようです。
子宮の入り口に高リスクHPVが感染しても肉眼的には何の変化も現れません。右側の写真は男性性器(亀頭から陰茎の根元まで)の表面を綿棒で擦って得られた細胞ですが、肉眼的には(虫眼鏡で観察しても)全くい所見は見られません。しかし、感染している場合このように子宮膣部の感染病変からの細胞(写真左)と同じような細胞が観察されます。特に男性は、検査を受ける機会が全くありませんので、感染してこのような変化があることは全く知られていないのが現状と思われます。男性も女性と同じように明らかにLSIL相当の細胞が性器表面に存在するのです。右側の写真の中央やや濃く染まっているのが細胞の核ですが、HPVはこの核の中で増えています。亀頭から陰茎の表面にたくさんHPVが存在していることが分かります。女性の場合、コルポスコープという器具で観察できます。うすい(3%)酢酸溶液で膣の入り口部分(子宮膣部)を湿らせる(酢酸加工)と、感染部位が白く変化します。男性に酢酸加工したら同様の変化が可視化できれば感染部位が特定できるかも知れません(どなたか、この研究をされれはどうでしょう?)。
“感染者との性交を避ける”当たり前のことのように思えますが、現実には簡単ではありません。 アイラボの検査キットをご購入される方の中には、「これからお付き合いのランクをワンランク上げようと思っていますが、HPV感染が心配なので彼に検査を受けて頂くことにしました。」というケースも結構あります。また、男性が自ら検査を受けるケースで最も多いのが、「以前風俗を利用したことがあるので、お付き合いする前に陰性を確認しておきたい。」というものです。でも、性交の機会が突然やってくることも少なくありませんし、あらかじめ相手に検査を受けていただくにしても、気まずい関係になる心配もありなかなか難しい問題ですね。
私は相手にお願いするだけでなく、「この機会に一緒に受けよう」、を勧めています。どちらかが陽性であってもお付き合いをやめることはしないで、二人の問題として話し合うのが大切だと思います。その理由は、感染していたからといって全てががんになるわけではないし、検診を受けていれば子宮も命も守れるがんだからです。。

HPVは皮膚や粘膜の接触でうつるため、通常の性感染症(淋菌やクラミジア、など)対策に使われるコンドームの使用は大切と考えています。ただし、コンドームで覆われない陰茎の根元や外陰部にもウイルスがいるため、完璧に防げる確証はありません。しかし私達は、コンドームを正しく使うことでかなりの確率で防げると考えています。その理由は性行為で接触する大半の部分をカバーできるからです。傷がつかないように注意することや、行為が終わった後清潔にしておくことも大切かと思います。
HPVワクチンの接種は世界中で広がりを見せています。オーストラリアでは女性だけでなく男性にも接種されています。アメリカに住んでいる私の孫(男子)は中学1年生の頃接種を済ませています。■大切な人にうつさないばかりでなく、■自身のがん予防にもつながるからです。特に最近子宮頸がんに比べ中咽頭がんの頻度が上がっているようです。
日本では2013年に定期接種が始まりましたが、副反応問題が社会問題となり、わずか3ヵ月で接種勧奨が中止されました。2022年に再開されましたが、その影響で接種率は依然として低いままです。2023年公費で受けられるようになったシルガード9は16,18,31,33,45,52,58、に加え尖圭コンジローマの原因となる6型と11型に対しても効果があるワクチンです。子宮頸がんに対しては80%‐90%の効果が報告されています。ワクチン接種でも感染を完全に防げるものではありませんが、多くの人に接種することで集団免疫が獲得され、将来的には大きな効果が期待されます。
このようにHPV感染を予防する手段はいくつかありますが、完全に防げるものはありません。従って、これからも定期的な子宮頸がん検査が必要になります。
■ワクチン接種は早いほど効果が高いと言われています。しかし、人の性に関する発達段階が一様ではないこと、性に関する興味の度合いも人それぞれです。私の姪が中学生の頃、「おじさん。今度子宮頸がんワクチンを受けるんだけど怖くない?」と聞いてきました。(わざと)「どうしてお前がワクチンを接種するの?」と聞いてみると、「皆がするから」と言ってきました。ワクチンの接種が大切かという教育がないまま、定期接種が始まった2013年の話ですが、しっかりした土台がないところに家を建てるようなもので、改めて日本の性教育の遅れが気になるところです。「私はもう少し大人になって、自分のことが今よりわかるようになってからワクチンのことは考えます。」そんな答えが返ってくることを期待しています。



私達が細胞診を始めた頃、日本で最初にバスで僻地の検診(車検診)を始めた当時東北大学産婦人科の野田起一郎先生は、子宮頸がん検診を受ければ子宮がんで亡くなる人をゼロにすることができるというお話をされたことがあります。全く同感で私の活動でも「子宮頸がんゼロ」という言葉を使わせていただいています。それが証拠に、HPV検査で陽性になると細胞診検査を受けるようになっています。そんなすごい検査があるのですからゼロは可能なのですが、八田賢明先生が指摘されていたように、女性にとって婦人科の敷居は高いのです。確か2009年頃でしたか、公明党の故浜四津敏子議員が当時厚生労働大臣でした舛添要一大臣に対し子宮頸がん検診の受診率の低さ(確か当時は24%程だったと思います)を指摘されたのに対し、舛添氏は5年後に受診率50%達成を目指すと公約されました。しかし、我が国の受診率は43.6%程で頭打ちの状況です。一人でも多くの人に検診を受けて欲しい、受けられる環境にしたい、それが自己採取器具を考案された加藤先生であり、八田先生の思いだったのです。
その自己採取法について少し時間を頂きます。細胞診の精度を話す上で重要なポイントが3つあります。■採取器具の選択、お医者さんの代わりに採取するわけですから、この選択を誤るとその後の検査をいかに慎重に行っても精度は上がりません。私達は加藤式を選びました。■適切な標本を作製する、加藤先生はスライドのように採取したスポンジ部分を直接スライドガラスに押し付けるように塗抹されました。私達はこの操作に着目しました。細胞が大量に採取された検体は細胞が重なって観察しにくい標本になり異常な細胞を見逃されやすくなります。また、異常な細胞はスポンジの先端部分より横の部分に多い傾向があり、肝心なところが塗抹されない可能性がありました。このような理由からスポンジ部分全体を細胞保存液の中に洗い出し、それを遠心分離器にかけてその沈査をスライドガラスに塗抹する方法に改めました。■観察は使命感をもって、たくさんの細胞が採取されるため、相対的に異常な細胞の割合は少なくなります。その少ない細胞を見逃すことがないような慎重な観察が求められます。この3つのポイントをしっかり守ることで精度を上げることができました。
これが加藤式やその後に改良を加えたセルソフトで採取された検体の処理:標本作製:使命感のある観察のトレーニングを受けた細胞検査士にアイラボが発行している認定書です。アイラボの自己採取検体はすべてこの課程を修了した者が担当しています。
このような自己採取細胞診は医師採取とどこが違うのか、私達は検証してみました。結果的には、医師採取とアイラボ式自己採取は変わりません。そのことをこのスライドで見ていきましょう。
先ず、医師が採取した成績から見ていきましょう。スライドの右側に示す数値は、細胞診でLSIL(軽度異形成)以上に診断されたのがどれほどあったかを示しています。日本全国にある対がん協会はすべて医師が採取して直接塗抹された標本で検査されています。平成21年度のLSIL以上は1.0%でした。同様に私達の会社がある八王子市の子宮頸がん検診では、開業されている婦人科クリニックの先生方が採取し、スライドガラスに直接細胞を塗抹したものを東京都予防医学協会で検査された成績です。LSIL以上は0.89%でした。アイラボで行った千葉県S市の検診には、医師が採取し、保存液に入れてアイラボに搬入され、アイラボの細胞検査士が標本を作製しました。液状化処理検体のLSIL以上は1.82%で、直接塗抹標本に比べおおむね倍の検出率を示しています。
一方、自己採取検体の成績はというと、東京都で年間5,000件以上扱っている検査機関の成績を調べてみると。A社は0.36%、B社は0.44%、C社は0.36%と、医師採取に比べると著しく検出率が低下していました。これでは国が自己採取は「ダメ」というのも仕方ありません。しかし、D社は0.92%と医師が採取して直接塗抹標本を作製したものとほとんど変わりません。詳しく担当者にお聞きすると、対象はすべて風俗営業従事者で採取器具はホームスミアであることが分かりました。一見検出率が良いように思えますが、検査対象が風俗営業従事者の定期検査ということになりますと、検出率はかなり低いと思われます。加藤式を考案された加藤先生が関係した名古屋公衆医学研究所様から頂いた資料によりますとLSIL以上の検出率は0.99%、某検査機関は0.89%と、スポンジ部分の直接塗抹ではおおむね医師採取と同等の検出率でした。
加藤式で採取された検体を液状化処理した結果は2.0%であり、約倍の検出率になりました。医師採取検体も自己採取検体も液状化処理(LBC法)で検出率が倍になったのです。
このスライドは某検診機関が過去7年間の加藤式自己採取細胞診の結果です。対象は1500名程でほぼ同じ人です。優れた器具で採取しても、検体の処理や観察方法が適切でないとこれだけの結果になってしまうのが自己採取細胞診です。国が「ダメ」というのも理解できます。
このスライドは風俗で働く人の定期検査として採取された検査の結果です。いずれのケースも高リスクHPV陽性例です。私達がHPV感染の第一段階としたのは、初めてASC-USが出てからASC-Hの細胞が出る前までとしています。この時期はNILM,ASC-US,LSILが出たり出なかったりする時期で、NILMの期間が比較的多いのが特徴です。第二段階は初めてASC-Hが出てから、ASC-HやHSILの細胞が毎回の検査で見られるようになる前までとしました。第一段階に比べてNILMの頻度は少なくなりますが、NILM~HSILの細胞が出たりでなかったりします。第三段階はいつ検査してもAS-HまたはHSILの細胞が見られる時期としています。このような傾向は医師採取においても見られる現象です。
たまたま検査した時の結果がNILMであることがある以上、2年に一度の検診はとても重要になることが分かります。
このケースは16型と51型、それ以外の感染が見られたケースです。最初からASCHの細胞が見られたので少なくても第二段階です。第三段階になるまで約2年間かかりましたが、この間もNILMがあります。ここで安心すると以後大変なことになります。NILMになったからといって安心せずしっかり定期検査をすることが重要です。
通常の子宮頸がん検診は苦手(恥ずかしい、忙しい、面倒)な人に少しでも検査を受けられるようにと考案された自己採取法です。その使い方によっては検査とはいえない低い精度になってしまいますが、最善を尽くしても解決できない問題があります。それはこのスライドで示すように、子宮の入り口から少し奥に発生する子宮頚部腺がんを早期に発見できない可能性があるという点です。これを補うために自己採取細胞診ではASC-US(HPV感染が否定できないため、HPV検査を受けることになっている)以上を拾い上げ、医療機関へ誘導する橋渡し的役割として提供しています。
子宮頸がん検診の受診率を上げたいという目的で登場するのがHPV検査単独法です。細胞診が2年に一度であるのに対し5年に一度受ければよい点は、受診率向上に若干期待は持てそうですが、恥ずかしい、忙しい、面倒と思う人たちをどれほど呼び込めるか不透明な部分は残りますが、先ずは一歩前進かと思います。HPV陽性者のみを追跡していきますので、実施者の負担は軽減されます。しかし良いことだけではありません。HPVに関係のないがんは拾えないし、細胞診ではできた膣内状況の観察(炎症があるか、感染症があるか、など)はできなくなり、陽性者の負担が増えるなど問題は残ります。最も大切な点は受診率80%が達成できるかという点です。
私達は検査法を細胞診からHPV検査に変えただけで受診率80%を得るのは難しいと考えています。すでにWHOや米国FDAも自己採取を許可しています。日本ではまだエビデンスがないとの理由で「医師採取を原則とする」になっていますので、FDAが承認しているHPV検査専用のエヴァリンブラシと私達が開発をセルソフトと採取能力の比較研究を行いました。
この研究には風俗の仕事をされている30名と婦人科クリニックで働く女性従業員10名の協力を頂きました。先ずFDAが承認しているエヴァリンブラシで採取した後セルソフトで採取して頂きました。風俗営業従事者30名中セルソフトが21名(70%)、エヴァリンブラシが20名(66.7%)がHPV検査で陽性を示しました。個々の症例で多少HPVの検出数に違いはありますが、おおむね一致した成績でしたので、セルソフトで採取された検体もHPV検査に対応できる成績でした。セルソフトとエヴァリンブラシで最も異なる点は赤枠で示した細胞診の結果です。セルソフトは元来細胞診用に開発された器具ですので、残った検体で細胞診を実施することが可能です。30名中12名がASC-US以上(40%)で、その中の3名はHPV検査は陰性でした。つまり、高リスク以外のHPVによる細胞診異常と思われます。■セルソフトはHPV検査と細胞診が同時にできるメリットを有します。
この研究ではさらに重大な問題を提起しています。日本で風俗の仕事をしている人は推計数十万人といわれています。私達が実施したHPV検査単独法による子宮頸がん検診における高リスク陽性者は3.2%と予想よりかなり低率でした。風俗で働く人はなんと21.9倍です。また、30名中HSIL相当の異常は2名(6.7%)発見されましたが、対象が数十万人で換算すると危険にさらされている人は膨大の数に上ります。
風俗で働く人の健康を守るために、更にHPV感染を広めないという意味からも、HPVワクチンの接種やしっかりした定期検査の仕組みが望まれます。
自己採取型HPV検査単独法が普及すれば受診率80%は夢ではないと思います。しかし、受診率100%を目指すためにはもう一段男性の意識改革が必要になります。今の日本は子宮頸がんは女性の問題であって男性の問題ではないといった感覚があります。欧米では男女共に性教育が進んでいるため、性に関する様々な問題はオープンに話されます。例えば、「彼は(性行為)奥まで入れるのが好きなので、陰茎の根元までHPVに感染しているか心配。」とか、「彼はすぐ浮気をするから私何回もSTDになったわよ。」なんてへっちゃらで話します。そのような状況下では女性だけでなく男性へのHPVワクチンも容易に受け入れられます。
私は少しの期間でしたが性教育の場で仕事をしました。その当時、教授から純潔教育や月経教育という言葉が多く聞かれました。私自身中学生の頃、女性の月経教育を経験しました。男性は外で遊んでいろと言われ、女性だけが暗幕を張った教室で教育されました。当時の様子は今でも鮮明に覚えていますが、多分生理の話じゃないの?男には内緒にしておくほうがいいのかね?とか話している男子がいました。男子が聞いても悪い話ではないのではないかと思う自分がいた気がします。私が教育の現場にいた時は、もっぱら避妊教育や感染症対策でした。しかしその対象は主に女子で男性にしっかりした教育がなされてこなかったのではないでしょうか。子宮頸がんについての話もそんな背景から、女性の問題であり、男性が関われない領域と認識する傾向にあるのではないでしょうか。
そこで7年程前から男性性器からのHPV検査の提供を始めました。
方法はいたって簡単、男性性器(亀頭から陰茎全体)を湿らせた綿棒で擦って頂くだけです。それを私達の仲間が開発した高感度多種HPV検出法uniplex E6/E7 PCRで検査します。これまでに2421例について調べましたが、高リスクHPVは29%の割合で検出されています。販売開始当初はほとんど反応がなかったものの、ここ数年この検査キットが注目されています。その最も多い理由は■自分の大切な人に高リスクHPVをうつしたくないという男性からの依頼です。■次いでこれからお付き合いをワンステップ上げる前に感染をチェックして頂きたいという女性です。私達がこのキットを世にお送り出す最大の理由は、子宮頸がんは女性だけの問題ではないことを社会に伝えたかったからです。無知から来る自分の行動で知らないうちに大切な人を悩ませ、不幸にさせてしまうことに気付いて欲しいという願いがあります。■子宮頸がん検診で異形成が判明すると直近お付き合いしている人が疑われます。その結果例えば陽性であったとしても、その男性が感染の最初であったかは不明です。それが原因で別れたり、喧嘩をしてしまうケースもあるようですが、それは私達が望むことではなく、お二人の問題として理解して頂きたいと思います。例えば「お前、今年検診は受けた?」って聞いてあげたり、「お前最近臭いがきつくなったよ。検診受けて来いよ。」と言ったことで奥様がⅠb期のがんが見つかったケースもあります。何よりHPVに感染したからと言ってがんになるわけでもなく、感染したHPVの多くは自然に排除されます。今二人の間でHPVがどんな状況なのか?何年かに一度調べて共有されることもよいのではないかと思います。
男性の意識改革が進むことで、私達は将来限りなく受診率100%に近づけることが可能になると確信しています。
これは私達の会社のHPV検査結果報告書です。上段には高リスクHPVの種類を左からより危険な型を並べてあります。(現在66型を新に加え14種になっています。)その下はHPV検査の結果を、16型、18型、その他に分けています。■アイラボは細胞診を最も得意とする検査会社ですので、HPV検査の前に検体が適正な採取されているかどうかをチェックし、同時に膣内環境を観察しています。例えば膣炎があるか、トリコモナスなどの感染症があるかなど、細胞診標本を作製して観察しています。必要があれば報告書に反映させています。
■HPV検査陽性例は残りの検体で細胞診検査を追加して報告しています。更に異常な細胞が見られたときは、その写真も添付しています。この報告書をもってお近くの婦人科を受診して頂き、子宮頚部腺がんを見落とさないため、子宮の入口の少し奥(頸管内)を含め細胞診検査をして頂くことにしています。
アイラボのHPV検査を紹介しました。婦人科の敷居が高い日本の女性のためアイラボらしい検査を提供しています。すでに健康保険組合様にもこの方法が採用されています。

本日はありがとうございました。
内容が盛りだくさん過ぎたため、改めてブログで再現させていただきました。
最後になりますが、女性予防医療推進機構様のご発展を心より祈念申し上げます。

女性のおりものや臭いに関する商品の効果判定
5月22日更新

女性特有の悩み、特におりものや臭いに関して悩んだことがあると回答した人は何と91%でした(2024年アイラボの調査)。当然のことながら、それに対応すべきいろいろな商品が世に出回っています。もう十年も前になりますか、ある大手製薬会社の商品開発担当の方が何度も弊社を訪れ、細菌性膣症に関する種々の情報を収集し、最終的に乳酸菌サプリとしてある商品を世に送り出しました。しかし、それがどれだけの効果があるのか?確認すべきではないかと提案しましたが、それ以降私共の会社を訪れることはありませんでした。今でもその商品は販売されています。乳酸菌サプリメントだけではなく、膣洗浄に関する商品や膣内に注入するジェル状の商品など、外国製品を含め様々なものが出回っています。どのような効果があるのか?そしてそのメカニズムはどのようになっているのか?一般消費者にとって分かりにくいものが多い気がします。

乳酸菌サプリと検査キットを一緒に販売しようとの試み

そんなことを思っていたら、大阪に本社があり、西日本では結構名が知れた株式会社ドウシシャ様が弊社の「膣内フローラチェック(現在はFem バランスチェック)」と一緒に乳酸菌サプリ/フェムシア(飲んでも消化器内で死滅することなしに肛門に達し、自然に外陰部から膣内に達し、膣内環境を改善させると銘打った商品)を販売する新たな試みに挑戦されました。私達はそのサプリの効果を確かめたわけではありませんが、担当者の前向きな姿勢に感銘し、その活動を応援しています。これまでのところ、効果がある人とない人の割合が半々であるとのお話を頂いています。年齢(性成熟期女性?更年期女性?など、)や生理周期との関係についての詳細な情報は頂いていませんが、少なくても、このような製品を世に送り出している企業はその効果を示す義務もあるのではないかと感じています。

理論的には筋は通っていても?

例えば、先の商品のように、経口的に摂取した乳酸菌が消化器を通過する過程で死滅せず、膣内に到達したと仮定しても、更年期に差し掛かり、膣内に萎縮傾向が出てきた女性の場合、乳酸菌の餌となる糖分は減少傾向にあります。従って、十分な乳酸菌の増加が期待出来ないばかりか、増えるまでには至らないケースもあると思います。下の画像を見てみましょう。
萎縮像示すケースでは、この写真のように、乳酸菌はほとんど見られません。
それだけではなく膣ガルドネラ菌もモビルンカスも見られません。
きれいでしょ。
同じ倍率で撮影した乳酸菌です
膣ガルドネラ菌です
このように膣内が萎縮すると、乳酸菌だけでなく膣内フローラを形成していた他の細菌も見られなくなります。餌がなくなったところに乳酸菌を補充しても増えるはずはありません。私自身、このような現象は膣内フローラの研究や仕事をするまでわかりませんでした。そんな意味でも、今回紹介した企業様の取り組みは極めて大切な事で、関連商品を世に送り込んでいる会社様にも是非挑戦していただきたく思います。

更年期=膣の萎縮ではありません。

膣の萎縮とは、卵胞ホルモン(エストロゲン))も黄体ホルモン(プロゲステロン)も分泌が低下した状態で、膣の粘膜は薄くなり乳酸菌の餌をたくさん持っていた中層細胞なくなります。でも、閉経はしたものの自分の膣内が萎縮しているかどうかはわかりません。70代になっても(婦人科細胞診上では)月経がある人と細胞像は変わらない方もいます。それはなぜか?「私が千葉大学に籍があった時の教授(故)武田先生は「ご夫婦で性行為を続けていることで、ホルモンの分泌が高まり、膣内が萎縮しない方もいる。」と話してくれたことがあります。いずれにしても、更年期だから乳酸菌がいないと決めつけず、是非その前にアイラボのFemバランスチェックでお試し下さい。それだけではありません。ご自身が細菌性膣症ではないか?と購入された方の中には、実は細菌性膣症ではなく、カンジダ症であったり、膣トリコモナス症であったりすることも少なくないのです。これわと思って購入する前に、自身の状態を検査で確かめることはとても大切なのです。

HSIL(高度扁平上皮内病変)で治療後の心配事
  (オリモノのにおいが心配になった)

3年程前になりますが、高度異形成でレーザー治療を受けた方からの相談がありました。(私達は治療に関しては専門外である上に、医師法や薬事法に抵触しかねない内容もありますので、先ずその旨をお伝えしたうえで対応しています。)ご相談の内容は2つあり、その一つは「治療後おりものや臭いが気になるようになった」、もう一つは「治療したが、パートナーがHPVに感染していたらまたうつてしまうのではないかと不安」というものでした。その後も同様のご相談は時々ありますが、実際医療の現場ではどうなっているのでしょうか?

今まで経験したことがない臭いが気になっている

おりものや臭いで悩まれている人は決して少なくありません。ご相談の中には電車や職場で周りの人にも気づかれていないか心配という方もいます。実際私も同僚と旅をした際、電車内で『この人細菌性膣症なのかな?』と同僚と目を見合わせたことがあります。私達の郵送検査では、気になる症状や検診歴などいくつかの質問事項があります。臭いが気になると回答している方の多くが細菌性膣症である反面、検査中に強い臭いのため「窓を開けて!」と言いたくなるようなケースでも「臭いは気にならない」と記載されることもあります。自身の臭いに関する感覚はかなり個人差があるように思えます。
私のブログを見ていてくれる方はこの写真が細菌性膣症であることは一目瞭然ですね。
グラム染色という方法で染めてみると青(グラム陽性)や赤色(グラム陰性)に染まる膣ガルドネラ菌がたくさん見られます。下の写真のような乳酸菌は全く見られない典型的な細菌性膣症です。

臭いの原因は細菌性膣症だけではありません

私達は手術と細菌性膣症の関係を調べたわけではありませんが、通常の細胞診業務の中でレーザー治療や円錐切除術をされた方のフォローアップ検体で細菌性膣症に遭遇します。あくまで推測の域は出ませんが、治療に伴い一時的に乱れた膣内フローラが元に復帰できない状態でいるのではないか?、、、などと考えています。
このケースは細菌性膣症でしたが、臭いの変化はそればかりではありません。以前掲載したような子宮頸がん(初期浸潤がん膣カンジダ症、膣トリコモナス症など、原因は様々ですので、“いつもと違う”と感じた時には我慢せず、自分でチェックしてみましょう。

悩んでいても解決にはなりません 先ずは

性感染症の心配がない方は こちらが

このキット(Fem バランスチェック)は膣内フローラに影響を及ぼすホルモンの状態を一緒に調べます。例えば、生理周期においても、排卵から次の月経までの間(分泌期)と月経が終わってから排卵まで(増殖期)では下の写真のように乳酸菌の量は全く異なります。また、更年期になるとホルモン量の低下で乳酸菌の餌となる糖分が膣内で減少するため、乳酸菌は見られなくなります。
月経が終わった後は数は少なく、小型の傾向があります。
月経前(分泌期後期)は乳酸菌がたくさん見られ大型になる(デーデルライン桿菌)傾向があります。
更年期で膣内が萎縮すると乳酸菌は見られなくなります。
ホルモンの状態と一緒に見ることで、膣内フローラの違った見方ができますね。
例えば最後の画像は乳酸菌「4(全然見られない)」、膣ガルドネラ菌「0」、モビルンカス「0」ですので、ニュージェントスコア(NS)は「4」になります。NS=4は(中間群)と評価され、アイラボの評価でも(やや乱れている)になります。しかし、膣内が萎縮傾向になった時は乳酸菌の餌がないので乳酸菌は最初から存在しないのです。ですからスコアだけを見れば中間群となりますが、生理的には正常なのです。これをどう考えるのか?餌がないのに乳酸菌だけを補充しても意味がないですね。ホルモン補充療法をすると膣内の細胞は若返り、乳酸菌の餌が増えてきますので、当然膣内環境は良くなってきます。ただし、ホルモンは良いことばかりではありません。子宮内膜の状態(がんにならないか)を時々チェックする必要がありますので、婦人科の先生と相談しながらの対応となります。膣内フローラの乱れで悩む方は、改善のためいろいろチャレンジされていますが、その効果を時々チェックされると安心です。そんな時、このキットはきっとお役に立つと思います。



2つ目の質問については次回掲載いたします。

情けなかった医療現場

皆さんに、セルフメディケーションの話をしている私ですが、どうやら風邪をひいてしまったようです。
今回は私の経験をお話ししましょう。
先週の水曜日(4月8日)の深夜、就寝中にのどに違和感を感じたため洗面所でうがいをしました。違和感といっても痛みはなく、ねばねば感がおもな症状でした。大したことはないかなと思い、イソジン液でうがいをしてもう一度床に就きました。そして数時間後、若干のどに痛みと鼻水症状があり、いつもよりだるい、、、?、、、風邪かな?、、、と思っているうちに悪寒(寒気が)加わりました。これは本当にヤバイ!、、、先ずは(熱があると思い)そのまま床に入っていることにしました。そして朝6時、いつもなら愛犬の雄と散歩に行く時間ですが、起きられない状態。体温を測ってみると37℃2分でしたが、何が起こっているのか自分でも信じられない程の倦怠感(だるさ)。とりあえず近くの薬局で新ジギニンという飲み薬を購入しました。するとレジに薬剤師さんが来て、この薬を飲み方について説明がありました。以前から自分では軽い風邪なら「ジギニン」と決めていたのに、いまさら何?って感じでしたが、効果がなかったら5回以上服用しないで下さいと言われました。こんなこと初めての経験でしたが、購入した薬剤の使用説明書をあまり詳しく読まない人には、適切な対応なのかな?、、、さすが処方箋薬局を併設しているドラッグストアなので少し感心しました。「気を付けて服用しようと思いました。一般に売られている風邪薬なのに、、、?あまり飲まないほうが良いのかな?、、、肝臓や腎臓に負担が大きいのかな?結局その日は一日床に臥せてしまいました。だるさはあるものの熱はさほどないので、いつも通り食事をして軽い晩酌にとどめました。夜中、これまで感じたことがないほどののどの痛みに見舞われ、慌ててイソジンでうがいをして床に就きましたが、焼けるようなのどの痛み、これは尋常ではないな?直近数日間の行動を思い返しました。月曜日はいつものメンバーとゴルフで特に風邪などがうつる人はいませんでした。よく火曜日はほかのラボにお手伝いに伺いましたが、人数は少なく、ただ隣で仕事をしていた(医師)はいつもながら、せき込んでいたのでのど飴を差し上げました。いつものことですので、あまり警戒がしていませんでしたが、感染の機会があったとすればそれだけです。結論的には、高熱になったわけでもなく、若干の体温の上昇に夜もない倦怠感とのどの痛み、鼻水、涙目、、、、でしたので、花粉症も加わっての症状なのかな?、、、と思いつつ就寝中もマスクをして休みました。木曜日になっても症状は改善することはなかったのですが、アイラボに出勤しました。さすが医療を学んだ職員、年なんだから肺炎になったら困るので一度内科を受診するよう説得されました。翌金曜日ものどの痛みとだるさ、それに鼻水の症状が続きました。「老いたるは子に従え」ということわざがありますので、子供達(アイラボの職員はすべて教え子)に心配をかけさせないようにと、近くの内科クリニックを受信しました。このクリニックの院長先生は、見た目も、対応もお医者さんらしい印象の方たので、風邪などの比較的軽い病気は安心して受診していました。ところが最近このクリニックの名前が変わったことは知っていましたが、初めての先生ですので、いい先生であってほしいという期待がありました。

待合室には私以外もう一人

あまり待たなくてもよさそうなので、うれしくなった気分。すると看護師さんらしい人が、「今日はどんな具合で受診されましたか?」
と聞かれましたのでこれまでの経緯をお話ししました。「コロナの検査を受けますか?」と聞いてきましたので、「必要ならお願いします」と答えました。今まで経験したことのないのどの痛みがありましたので私自身「コロナ」を排除していなかったのですが、「それほどの高熱が出た分けでもないので、必要ないですね」そんなやり取りをしてしばらくすると病室に入るよう指示がありました。

椅子に座って30秒もしないうちに

「お願いします」と言って椅子に座るとのどを見ますと言ってヘラのようなものでのどをチェック、「のど風邪ですから薬を出しておきます」、、、終わり。

不愛想(ぶあいそう)な医療

前の院長先生は、見た目にもお医者さんらしく、診察終了後に診断結果と処方箋の内容をちゃんと説明していただけました。
確かにのどを調べたし、今は処方箋薬局では薬の飲み方だけではなく、効果や副作用についても説明してくれますので、«あえてこの場で説明しなくても»というお考えかもしれませんが、わたくしの印象はあまりにも不愛想な医療、、、、寂しい思い出クリニックを後にしました。胸の中では(次回は考えようかな?)そんなことをつぶやいていました。
「そんなことを言ったら行くクリニックがなくなるよ」と友人に言われますが、寂しい限りですね。
アイラボの無料相談でも「もう2度と行かない」というお話はたくさん頂きます。内容は様々ですが、病んでいる人にはお医者さんの心が一番の薬だと思います。先日(2月21日投稿)のブログでもご紹介させていただきましたが、胃の内視鏡を診て頂いた先生が最後に「良性のポリープと思いますが念のため1ヵ所組織検査をしました。「椎名さんの胃は逆流しやすいので食後すぐ横になるのは控えてくださいね」の一言。もう何回も内視鏡検査を受けていますが初めての優しい言葉でしたでした。

人の命に係わる仕事に携わる医療

どんな事情があれ、今、目の前にいる人を、自身の知識技術を最大限に生かし、自身ができる最高の医療を提供したいものです。しかしお医者さんにとってもう一つ大切なことがある気がします。それお医者さんとしての心です。それは、私たち医療従事者の中でお医者さんしか伝えられないからです。今回は、(大切な患者さん)のこれまでの経過を自身が聞くこともなく、前もって聞き取りをさせておいた看護師の情報にのどの検査を加え、「のど風邪」と診断されたのです。(結果として正しくても)それは医療か????そんなことを感じました。私達は医師ではありません。検査を通して皆さんの健康や生活の質の向上をお手伝いする仕事です。法律的立場は違いますが、悩める人のために貢献するのが私たち医療従事者です。難しい問題ではありますが、医療従事者として勇気をもってこれからも目の前の問題に対処したいと改めて思いました。

アイラボのキット紹介(2)最新のHPV検査

アイラボは杏林大学保健学部細胞診断学教室で学んだ仲間が運営しています。
『(普通の検診は苦手、学業・子育て・仕事が忙しい、僻地の方)誰もが公平に子宮頸がん検診を受けることができる社会の実現』を目的に、郵送による自己採取検査キットを提供しています。婦人科細胞診は『最も安価で』『最も信頼性の高い』『婦人科感染症の総合的検査法』であるとが私達の土台です。細胞診をとことん学び、細胞診で足りないこともとことん研究して得られたキットが「最新のHPV検査」です。普通の検診(医師採取)が苦手であったり、学業や仕事で検診を受ける時間が惜しい活躍世代を支援するための検査キットです。
今回はこのキットの詳細について説明しますね。

HPV検査は自己採取でも医師採取でも精度は変わりません

子宮頸がん検診の受診率を上げるためには、検診を受けやすくすることが大切になります。
そのためWHOや米国FDAは自己採取法を許可しています。日本ではまだ正式に許可されていませんが、その理由は日本におけるエビデンスがないためとしています。私達が行った比較研究ではFDAが承認しているエヴァリンブラシ(医師採取と変わらない)と私達が大成化工と共同開発したセルソフトでほぼ同様の成績を示しています。

セルソフトを使う理由こそアイラボの真骨頂なのです

エヴァリンブラシはセルソフトに比べ短いですが(前の写真を見てください)、その理由は腟内成分をからめ採る(腟検体)ように設計されています。一方、セルソフトはそれより約3cm長くなっているスポンジ部分で子宮頸がんがよく発生する部位(子宮腟部)の細胞をこすり採り(腟部擦過検体)細胞診用に開発されています。エヴァリンブラシは乾燥状態で検査施設に送られるため、HPV検査意外に使えません。セルソフトは元来細胞診用に開発され、保存液に入れた状態で検査機関に送られるため細胞診にも使えます。

セルソフトだからできる第1弾!
実際この様に検体としてアイラボに届きます。
保存液の中でスポンジ部分を洗うと、このようにたくさんの細胞(白く濁っている)が採取されています。せっかく採取された検体をHPV検査だけで終わりにするのはもったいないです。
アイラボではHPV検査をする前に簡易的な細胞診標本を作製して、①細胞が適正に採取されているか? ➁腟内の状態はどうなっているか?観察しています。具体的には、炎症(腟炎)はないか?、トリコモナスやカンジダなどの感染はないか?、腟内フローラの状況はどうか?異常な細胞はないか?、、、これらの所見をチェックしています。そして必要があれば追加検査の提案をさせて頂いています。私達の調査でおりものや臭いで悩んだことがある方は91%に達しています。

アイラボだからできる第2弾!

HPV検査で陽性の結果が出たら? (心配だよね)そこで、

HPV検査はハイリスクの感染があることは分かっても、(ひよっとしてがんなのか? 前がん状態なのか? HPVに感染しているだけなのか?)今どんな状況なのか全く分かりません。HPV検査で陽性の結果が出てしまったけど、怖くて病院に行けないので先ずアイラボの細胞診検査をしたいという人がいます。そんな人のために、アイラボの「最新のHPV検査」で陽性になった方には自動的に細胞診検査を追加して結果を報告しています。(とりあえず現状を知らせ)過度な心配は必要ないが、精密検査を受けることの大切さを伝え、医療への確実な橋渡しを目指します。

これぞアイラボの真骨頂 第3弾!

健康保険組合・会社の検診・地域の検診にご利用ください

既に健康保険組合様で昨年から採用が始まりました。
通常の検診は苦手な人にも是非検診の機会をお考え下さい。
アイラボの「最新のHPV検査」は子宮頸がん検診が第一の目的ですが、前述のように、女性の健康をトータルでチェクできるのが最大の特徴です。団体様には割引料金を設定しております。また、受診者様のフォローアップ体制についても対応可能ですので、お気軽にご相談頂ければ幸いです。なお、アイラボではHPV検査で陰性の場合、次の検査は3年後に設定しております。
☎042-652-0750 mail:info_std@ilabo-cyto-std.com

日本性感染症学会からこのようなバッジが届きました

アイラボには3名の日本性感染症学会員がいますので、3つ届きました。
とても立派なバッジに仕上がりましたので、私自身はこの仕事を続ける限りしっかり身に着けようと思っています。学会認定士の社会における役割がもう少し明確になり、その認知度が上がることを期待したいと思います。
私達3名は、臨床検査技師であり細胞検査士です。ご相談は実際検査に携わった者が対応していますので、お気軽にご利用頂ければ幸いです。
アイラボには私を含め3名の日本性感染症学会員がおり、写真の様にいずれも学会認定士という資格を付与されています。国家資格ではありませんが、2026年2月時点で55名が認定されています。
https://jssti.jp/pdf/nintei_shi2026-02-10.pdf
この認定制度発足の経緯としては、『「認定士」は、上記認定医の規程を土台に、薬剤師、保健師・助産師・看護師、臨床検査技師、学校養護教諭などを主たる対象として、性感染症の専門的知見の習得を積まれる会員に、学会から認定士の資格を付与し、性感染症の予防・啓発などを先導していただきたいと考えております。』と記されています。
アイラボでは性感染症に関する郵送検査業務を行っているため、この制度の意義はとても大きく、お客様のご相談やネットでの無料相談に役立てております。55名の皆様がどのような活動をされているのか定かではありませんが、この資格を有する者が風俗の感染症定期検査の実施や予防啓発活動に関与できるような制度に発展できることを常日頃感じております。

医療現場での嬉しい一言

皆さんこんばんわ。
昨日嬉しい経験をしました。
以前、不整脈があったので、12年前、副院長先生の勧めで立川市にある災害医療センターでアブレーションの手術を受け、その後定期的に循環器内科を受診しています。
今回は、以前から胃のポリープがあったので、胃カメラの検査を受けることになりました。
もう何度もこの検査を受けていますが、どういう訳かほとんど苦痛がなかったので今回も気楽に検査を受けました。今回胃カメラを担当された先生は女医さんでした。マスク越しでしたが、話し方からとてもやさしそうな感じの先生でした。検査の終盤、「食道に近いところにあるポリープですが、良性で心配ないものだと思いますが念のため組織検査をしておきますね。」という言葉が最後で、今回も何の苦痛も感じない間に検査は終わりました。「念のために組織検査を行いましたが、結果は次回受診された時、担当の先生からうかがってください。」との事でした。通常、今日の胃カメラの検査はこれで終わりになりますが、その後、「食道と胃の付け根の部分が○○なので、胃液が逆流しやすいので、食後すぐ横にならない(寝ない)ようにしてください。」と言われました。

私にとって、とても嬉しい一言でした

私の恩師は、誤嚥性肺炎で命を落としました。
実は、私も以前頻繁に(週に一度くらい)食事中に誤嚥を起こしていました。
日本における誤嚥性肺炎の死因は6位で、2017‐2022年では誤嚥性肺炎の死亡率は2.7%から3.6%に増え、80歳の代の肺炎患者の80%、90歳代では95%以上になっています。

そんな経緯から、私は毎朝「あいうえお」と演歌で!

私は78歳ですが、毎朝、起床後3時間は他の何事にも優先して自身の健康のための時間として確保しています。約3キロの散歩と約30分の体操、トータル1時間の朝風呂、等々ですが、その中に誤嚥性肺炎を予防する「あいうえお発声練習」&「演歌2曲」も含まれています。その詳細はカットしますが、興味のある人には教えますよ。このおかげで、それまで週1回くらいは食事中に起こしていた誤嚥はなくなりました。しかし、就寝してから数時間後誤嚥を起こしてしまうことがあるのです。就寝中なので危ない!と思っても防ぐことが出来なかったのです。内視鏡の先生の一言は私にとって「先生ありがとう」です。
その日から、夕食は早目に済ませ。今日はブログを書いています。これからは、パターとアプローチの練習をしてから寝ることを日課にしようと思います。
たまたま、リビングのジュウタンの端には適度な間隔〇が並んでいます。
子供たちが巣立ったので空き部屋がいくつもあるんです。
その一つはこんな感じ、これでも結構役に立つんです。
11回目のエイジシュート達成を目指して頑張ります。

いろいろなお医者さんがいますが、昨日お会いした内視鏡の先生は最高でした。
阿伎留医療センターの素敵な先生の話でした。
私達の日々の仕事でも、「大切な一言」を忘れないようにしなくては。

アイラボの単染色とグラム染色の比較(一部追加しました)

アイラボのFemバランスチェックにはホルモンの状況を観察するためのPapanicolaou染色(子宮頸がん細胞診に用いる方法)とフローラバランスを観察するために単染色という方法を採用しています。通常、腟内フローラの観察はグラム染色という方法を用いていますが、対象となる菌が乳酸桿菌、腟ガルドネラ菌、モビルンカスという3種類で、それぞれが特徴的な形態を示しているので単染色を採用しています。しかし、研究や学術論文にまとめるためのご依頼に対してはグラム染色を採用しています。今回は2つの染色方法による3種類の細菌を観察しましょう。
この写真は単染色で染色しました。黄色い枠で示しているのは細菌性腟症に特有なClue cell(クルーセル)です。細胞に腟ガルドネラ菌が群がっています。赤の矢印で示しているのはモビルンカスという菌で、三ヶ月型が特徴的所見ですが、この写真で細長く見えるのはほとんどがモビルンカスです。細菌性腟症の原因菌はこの2つですので、単染色でも容易に鑑別できます。
これはグラム染色で染めた同一検体です。三ヶ月型のモビルンカスがやや赤っぽく染色されています。右下の黄色い枠の中は腟ガルドネラ菌ですこの標本では赤く染まる(グラム陰性)のが多くなっていますが、青く(グラム陽性)染まっている菌も見られます。グラム染色ではこのように赤く染まったり青く染まったりします。
この写真もグラム染色で染た同一検体です、モビルンカスが多く集まっている所では青く染まったり、赤く染まるものが見えます。教科書的にもグラム陰性であったり陽性と記載されることがありますが、染色条件によって微妙に変化しまう。
この写真は単染色で、乳酸菌と腟ガルドネラ菌を示しています。乳酸菌の仲間は種類や腟内環境によって大きさや形が異なることがありますが、他の菌に比べ大型である特徴を有していますので、単染色でも十分鑑別は可能です。散在性に出現している腟ガルドネラ菌とも容易に鑑別が可能です。
この写真はグラム染色で、乳酸菌と腟ガルドネラ菌を示しています。単染色に比べ染色は鮮やかで、菌の鑑別には優れていますが、先に示した腟ガルドネラ菌やモビルンカスは青く(グラム陽性)染まったり赤く(グラム陰性)染まったりします。また染色の条件によっても変わります。

いかがでしたか?
基本はグラム染色でしょうが、単染色でも全く心配がないこと分かって頂けましたか?

こんなことになっていませんか?

この写真はグラム染色で染めた症例です。青っぽく染まっているのは全て腟ガルドネラ菌です。
腟の中全体が腟ガルドネラ菌に支配されています。おりものや臭いが気になる時は気軽にチェックする習慣をつけましょう。アイラボの商品の中に「オシャレな貴女のパスポート」と命名したキットがあります。お洋服やお化粧などのオシャレと同じように、時にはチェックしてみるのはいかがでしょうか?腟内フローラのチェックは「Femバランスチェック」調べられます。

今企業様からのFemバランスチェックが増えています

その背景には、「女性の健康と社会での活躍を応援しよう」という動きが高まっているような気がします。キャリアーを積んで社会で活躍できる女性を社会が応援しています。頑張るためには「健康」が第一。健康に不安を抱えながらの生活では決して夢をかなえるることはできません。企業様からの依頼に関して、私達にその真の狙いはわかりませんが、アイラボではそんなお客様が増えています。