更年期(萎縮した腟内のフローラはどうなっているのかな?)

更年期とは、、、、
今朝はこのタイトルで書いてみよう。

今、午前3時、昨夜は10時半就寝なので、
4時間半寝て、頭すっきり、目パッチリ。

日・水・金は丸一日アイラボで仕事。
火・木・土の午前中はお世話になった、
大手検査会社の(検査精度に関する)お手伝い。
午後は家庭菜園やゴルフの練習、などなど。
月曜日は会社から15分にあるメンバーコース、
GMG八王子ゴルフ場で仲間とゴルフ。
月に2度程、別の仲間と別のゴルフ場へ。
こんな生活を送っている77歳のおじいさん。

教え子の一人が、
「先生はこの年なのに、
好きな仕事をして、
たくさんの仲間と好きなゴルフをして、
その上、社会に役立つ活動をしていて、
こんな幸せなことないんだよ。」
と言ってくれますが、
自分でも幸せな毎日を実感しています。

さて本題に。
“更年期”とは、
閉経前後5年、概ね10年位の期間をいいます。
今朝は閉経してから数年経った人の話をします。
性成熟期(妊娠可能な女性)の女性の腟内は、このような細胞が見えます。
エストロゲンだけが分泌されていると、
オレンジに染まる表層細胞が主体になります。
排卵後、プロゲステロンの分泌がはじまると、
オレンジ色の細胞は徐々に減り、
緑色の中層細胞が主体になります。
閉経して数年が経つと両方のホルモンが無くなり、旁基底細胞が主体になります。
このように、ホルモンによって腟は劇的に変化しているのです。
先ずは本題に入る前の予備知識が大切です。
50歳閉経、55歳婦人の腟内細胞像。
比較的きれいで、白血球も増えていません。
エストロゲン(女性ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響がなくなると、小さな細胞(旁基底細胞)が主体となり、腟の粘膜は薄くなり、“萎縮した状態”になります。
前の写真の中央部分を拡大した写真です。
この写真だけでは分かりにくいと思いますが、
乳酸菌など、腟内フローラと言われる細菌達は見られません。
これは、前の写真と同じ検体から作製し、
単染色という方法で染めた細胞の写真です。
腟内フローラの乳酸菌や細菌性腟症の原因となる腟ガルドネラ菌も見えません。
そう言われても、この写真だけでは乳酸菌や腟ガルドネラ菌、分からないよね。(前に書いたブログを見て頂ければ分かるはずですが?)
同じ拡大の写真、(おまけで)見せますね。
これが乳酸菌です。
大きい菌だから一目瞭然!
この55歳の婦人には乳酸菌が見えない事、が分かるでしょ。
こちらは典型的な細菌性腟症のケース。
乳酸菌より小さな菌がたくさん見えます。
腟ガルドネラ菌です。
この菌も、55歳の婦人にはいませんよね。

更年期(後期)で萎縮すると腟内に乳酸菌の餌がない!


エストロゲンが分泌されている間の腟の粘膜は、
基底細胞、旁基底細胞、中層細胞、表層細胞といった具合に、腟の粘膜を厚くしてセックスに耐えられるようにします。

排卵が終わると、プロゲステロンが分泌されるようになり、粘膜の一番表面の表層細胞が剥がれ落ち、中層細胞が露出します。一皮むけた腟内は抵抗力が弱まりますが、この中層細胞にはたくさんの糖分(グリコーゲン)が存在し、これを栄養源に乳酸菌が増えます。この過程で、腟内は強い酸性(pH3.5位)の環境にすることで、お尻(肛門)から自然に入ってくるいろいろな細菌やセックスの時に侵入するいろいろなばい菌達が増えない環境をつくっているのです。
神秘的な現象でしょ。
これを腟の自浄作用って言います。

この55歳の婦人。
エサがないから乳酸菌がいないのは当然です。性成熟期に比べれば抵抗力は明らかに低下し、腟炎を起こしやすくなっています。
更年期で急におりものが増えたり、嫌な臭いになったら驚きますよね。

ホルモン補充療法とは?


読んで字の如く、更年期で卵巣からのホルモンの分泌が低下すると、前に述べたように様々な影響が出てきます。それを和らげる理にかなった治療法ですので、辛い症状がある時は婦人科の先生に相談してみましょう。
3月3日のブログで紹介した議員さんにも、
ご連絡頂けたらこの方法があることを紹介させて頂こうと思っておりました。

こんな記事を書いていたら、
もう5時半になってしまいました。
愛犬の雄(ゆう)の散歩の時間。
今日は金曜日、午後3時までアイラボでお仕事。

散歩に行ってきます。

親バカですが、可愛いいでしょ。
12歳甲斐犬の雄君です。

今日は桃の節句
先日地方議員さんからの嬉しい電話

日曜日の夕方、アイラボの営業活動を行っている仲間に、アイラボのHPV検査の特徴などを説明し、さあ帰ろうかと思っていた時、電話が鳴りました。
「アイラボです。私は所長の椎名ですがどうかされました?」と質問すると、
「ヘムシアのケアラクトは椎名先生が作っているのなら購入したいと思いました。
地方議員なので、近くの婦人科には顔が知られているので行き難いけど、頑張って行ってきました。
婦人科で細菌性腟症と診断されフラジールと〇〇という薬を処方されれたのですが???、、、、、」


「大変失礼ですがおいくつになられますか?」と伺うと、50代半ばとのことでした。
腟内フローラ(乳酸菌)は腟内のグリコーゲン(糖分=乳酸菌のエサ)を栄養源にしていますが、閉経後腟内が萎縮するとその糖分が少なくなるため、乳酸菌の数が減り腟内の酸度が下がります。そうすると、細菌性腟症や萎縮に伴う腟炎を起こしやすくなります。
この写真は腟の粘膜を構成する細胞達です。大きなオレンジ色の細胞は粘膜の最も表面にある細胞なので、表層細胞といいます。大きな緑色の細胞は表層細胞の下にある細胞で中層細胞といいます。そしてそれらよりやや小型で丸みを帯びた細胞は旁基底細胞といい、幼児期や閉経してホルモンの影響がなくなると見られます。
つまり、表層細胞はエストロゲン(卵胞ホルモン)の効果を反映し、中層細胞はプロゲステロン(黄体ホルモン)の効果を反映し、それらのホルモンの影響がなくなると旁基底細胞が粘膜の表面に露出し、粘膜は薄くなり(萎縮)ます。
こちらの写真は、若干前の写真に比べ拡大を上げていますが、全て旁基底細胞です。
閉経後徐々にエストロゲンやプロゲステロンが減少すると、このように旁基底細胞だけになります。婦人科細胞診ではこのような所見になった時、萎縮した状態といいます。
特に中層細胞には、乳酸菌の餌となるグリコーゲンが豊富に存在しますが、旁基底細胞にはグリコーゲンがが無いので、抵抗力が弱くなり腟炎を起こしやすくなるのです。

萎縮性腟炎はこうして起こります

白血球の増加は軽度で、ごく軽度の萎縮性腟炎です。
高度の萎縮性腟炎です。
萎縮性腟炎の症状としては腟の乾燥感、外陰部のかゆみ、痛みの他に白血球が増加し異臭と黄色味を帯びたおりものが増加し、不快な症状になります。そのような症状は性感染症(トリコモナス、淋病、クラミジア感染、など)と同じであるため、精神的に不安になります。
しかし、おりものや臭いといった女性特有の悩みはそれだけではなく、妊娠した時に起こるカンジダ症や腟内環境の乱れからくる細菌性腟症など原因は様々です。
昨年10月東京ビッグサイトで開催されたFem+(フェムプラス)「女性の健康と活躍を支援する展示会」で行ったアンケート調査では、なんと91%の女性がデリケートゾーンの悩みがあったと答えています。

だから女性特有の悩みは決して議員さんだけではありません

我慢されているより、早くクリニックを受診した方が良いと思います。
でも言うは簡単ですが、女性にとって婦人科の敷居は高いものです。
私が郵送検査を始めた理由の一つは恩師である婦人科医故八田賢明先生(松戸市)が言われた
「椎名君、女性はお産以外に私達のとことには来たくないんだよ。それで子宮がんや不妊症で手遅れになってしまうことが多いんだよ。自分で採取しても精度の高い検査を考えてくれよ」の一言です。

ご相談の議員さんのように、お住まいの近くのクリニックとなればさらに敷居は高くなります。
同じことは芸能人の皆さんの様にたくさんの人に顔が知られた人は大変だと思います。
そこで「ヘムシアのケアラクトは椎名さんが作ったのであれば購入したいのですが?」ということに至ったようです。私にとっては大変光栄なことですが、残念ながら私が作ったわけではありません。

世の中にはたくさんのサプリが出回っていますが、その効果の程はよくわかりません。
その効果を自分で試すことができる検査キットをサプリと同時に販売することに挑戦したドウシシャさんの姿勢に感銘を受け、応援している次第です。

議員さんには、まず現在の状況を知るために「Femバランスチェック」というアイラボの検査キットをご紹介しました。この検査キットは「腟内フローラバランス(乳酸菌、腟ガルドネラ菌)やカンジダの有無、腟炎の有無、更にホルモンバランスをチェックするもの」を総合的に調べることができます。この検査をすることで、細菌性腟症があるのか?、腟炎を起こしているのか? カンジダ腟炎(性感染症ではありません)があるのか? ホルモン環境(萎縮しているのか、ホルモン活性があるのか)はどうなっているのか?を知ることで今後の対応が分かれてくるからです。

この検査の他にアイラボには「オリモノ&臭いの検査」があります。この検査には「淋菌、クラミジア、トリコモナス、カンジダ、細菌性腟症、腟炎」と、性感染症を含めた検査ですが、すでに議員さんは受診されたクリニックでこれらの検査が済んでいるとの事でしたので、Fem バランスチェックをお勧めした次第です。

同じ境遇の皆さん、先ずは、お気軽に相談して下さい

女性特有の悩みは誰もが抱えている悩みです。
決してあなただけではありません。
近くの人に相談してみてください。
実は私も、、、が現実です。
一人で抱え込んでしまうと取り返しのつかない事態になることも。
細菌性腟症は命にかかわりはありませんが、
子宮頸がんや他の病気が潜んでいることもあるのです。
この議員さんには検査の結果が出たら是非相談して欲しいのですが?

これが典型的細菌性腟症だが、このケースも!

細菌性腟症は病気?
私達(アイラボ)は、細菌性腟症は病気というより腟内正常細菌叢(Normal bacterial flora:腟内に生息する微生物群で、その代表格が乳酸菌です。その他にも腟ガルドネラ菌など、いくつかの菌がある一定のバランスで住み着いている状態)が何らかの影響でバランスを失い、善玉菌といわれる乳酸菌が減少し、悪玉菌といわれる腟ガルドネラ菌が増えてしまう状態と考えています。その原因は様々ですが、善玉菌が失われる行為(例えば抗生物質による治療や過度な性行為)、または善玉菌が増え難い環境(乳腺菌の餌となるグリコーゲンの減少:更年期になると腟の粘膜は萎縮し本来グリコーゲンをたくさん保有する細胞が少なくなったり消失する)が考えられます。
このケースは、薄緑色に染まる中層細胞(大きな薄っぺらな細胞)が主体ですが、中央やや左の細胞には灰色に染まる細かな細菌(腟ガルドネラ菌)が群がっています。この細胞はClue cell(クルーセル)よいって、細菌性腟症に見られる特徴的な細胞です。細胞以外の部位にも腟ガルドネラ菌が沢山見られます。乳酸菌は全く見られないこの状況が、典型的な細菌性腟症の腟内です。白血球は5‐6個見られますが、腟炎を起こしている状況ではありません。腟炎を伴わないことも細菌性腟症の特徴なのです。
この現象を私的にみると、「何らかの原因で乳酸菌がいなくなったので、代りに俺(腟ガルドネラ菌)が腟内を守ってやるよ」と言っているようにも見えます。淋菌の様な本物の悪玉菌の感染なら、白血球が大量に出動して戦うのにその気配は全くありません。「数は少ないけどいつも住み着いている奴(腟ガルドネラ菌)だから攻撃の対象ジャーねーよ」って言ってんのか?」はたまた、「乳酸菌の代わりに(腟ガルドネラ菌が)腟内を守ってくれているのだから攻撃なんてもってのほかだよ。」と言っているのか?
細菌性腟症は本当に分かりにくい!!!

でも、はっきり言えることは「嫌な臭いの原因はお前のせいだ!」って事は確かだ!
お前のせいで、ご主人(患者)様は大変な思いをしているんだぞ!
同じ検体から作製した標本を単染色という方法で染めると腟ガルドネラ菌はこのように見えます。
前のケースに比べると腟ガルドネラ菌は少ない。
しかも、Clue cellもないし、白血球もほとんどない。
写真を撮影した部位は最も腟ガルドネラ菌が多いところです。
きれいな、きれいな腟内! 最高!って言いたい。

でもこのご主人(患者)も異臭が気になって検査を受けたのです。
腟ガルドネラ菌の絶対数は少なく、一見最高の腟内のように見えました。
しかし2つのケースに共通した点は「乳酸菌が見当たらない!という事です。
また同じ検体から作製した標本に単染色を施してみると。
乳酸菌は全くいない。
前のケースに比べれば劇的に少ないけど、腟ガルドネラ菌だけが生息している状況でした。
ちなみに、同じ倍率で乳酸菌をみてみようか?
乳酸菌の仲間は大きいでしょう。

今回何を言いたいかといえば、

clue cellがあろうがなかろうが、腟内に乳酸菌がいなくなり、
腟ガルドネラ菌が支配している環境は多くの場合臭いが気になる人が多いのです。

でもね、嫌な臭いは細菌性腟症だけではありません。
嫌な臭いやオリモノで悩む人はたくさんいます(私達の調査では91%)。
大事になる前に先ずはアイラボのFemバランスチェックで調べてください。
その結果を見て、次を考えましょう。