久々に東京に行ってきます

“暑さ寒さも彼岸まで”とは良く言ったものです。
本当に長かった今年の猛暑ですが、お彼岸を境にやっと涼しい空気が感じられるようになりました。

昔、青梅や八王子といった立川から先に住んでいた人は、年に何度も行かない都内に出かける時は「東京に行ってくる」と言っていたそうですが、年を重ねたことやコロナ禍であったこともあり、まさに「今日は東京に行ってきます」そんな感じでした。

先日、表参道総合医療クリニックの廣田毅先生よりお電話を頂き、加藤式自己採取器具のこと、郵送検査のこと、オンライン診療のこと、そして先生が取り組まれている遺伝子治療についてお話を伺いました。

医療を前向きに、しかもとても熱く語られる先生に引き込まれるような思いで訪問することにしました。社長としては営業活動ですが、私的にはまた新たな友達に会えるそんな思いでした。

東京は人、人、人、、、、

西八王子駅から中央特快東京行きに乗り込むと、高尾駅が始発とあってガラガラな状態でした。
電車に乗ると、どういう訳か5分と起きていることが出来ず、気が付くと三鷹でした。
昼間というのにまるで通勤ラッシュ並み、慌ててマスクを取り出した始末。
新宿で山手線に乗り換えましたが、外国からの人もたくさんおり、久々の東京は別世界。おかげで、山手線ホームとは逆方向に歩いてしまい、構内を右往左往。
当然、渋谷で銀座線に乗り換える際も通勤ラッシュ並み。

表参道駅では、B2の出口を探していると「B1-B3]の表示を発見、多分B2はその中間にあるのだろうと思い進むと、B1の次はB3の出口であり、引き返す羽目になった。
B2の出口を発見してやっと東京の空を見ることが出来ました。

地図を頼りに初めての表参道の街並みを拝見。歩く人は少なくおしゃれなお店に目を奪われながら無事、クリニックにたどり着きました。
比較的涼しい日でしたが、久々のスーツの下は汗ばんでいました。

表参道総合医療クリニック

クリニックまではおおむね5分ほどらしい。
お約束の時間までには少しゆとりがあるので、地図を片手に久々の東京をのんびり行くことにした。
おしゃれなお店がそこかしこに、でも私は一人では入れそうもない。、、、なんて思いながら歩いているとあっという間にそれらしいビルが目の前に現れました。間違いない。ここだ。

入り口のドアを開けると、すぐ受け付らしいカウンターがあり、廣田先生とお約束の旨を伝えました。どうやら目の前で外国からのお客(患者?)様と対応しているのが廣田先生らしい。少し待つことになりました。

ほどなくして、廣田先生にご挨拶することが出来ました。
表参道総合医療クリニックは今年の4月に開業されたばかりだそうです。
私も小さな会社を経営していますが、開業当初は何かと大変ですのですタフの皆さんのご苦労はよくわかります。
このクリニックの診療科は、整形外科、脳神経外科、先端遺伝子治療、更にオンライン診療についても取り組まれるようで、私達アイラボの「郵送検査キット」とオンライン診療に接点があったようです。
また、廣田先生は研究者でもあり、ご専門はマイクロRNAを用いた遺伝子治療の様です。
先生の研究室も拝見させて頂きましたが、特に子宮頸がんの治療にもご興味をもたれている様でした。
これからどんなお付き合いができるのか私達も一緒に考えてまいりたいと思いました。

検診受診率の低い日本では、さまざまな医療機関で気楽に受けられるのがいい

アイラボの郵送検査は、HPや電話で依頼者から直接注文を受けるのがメインですが、検診機関、健康保険組合、一般開業医(乳腺専門クリニック、皮膚科、内科、等)の先生方にも子宮頸がん検査用の自己採取検査キットをご利用いただいています。
例えば、検診機関においては
、通常の検診(医師採取)とは別に加藤式採取器具を用いた自己採取を選択出来るシステムを導入している施設があります。検診受診率の上がらない我が国では加藤式自己採取器具を用い、一人でも多くの女性が“検診を受けてみようかな?”と思っていただける環境づくりが大切なのではないかと考えます。
自己採取法は子宮頸がん検診ガイドラインでは推奨されていませんが、採取器具の選択、検体の処理方法の改良、顕微鏡で観察する細胞検査士の使命感、更に受診者に自己採取法の弱点(子宮の入り口から少し奥に発生する子宮頸部腺がんなどは早期の発見が難しいこと)をはっきり伝えることなどを遵守することによって、医師採取が苦手な方、婦人科医(採取できる医師)不在の検診機関、検診会場(医療機関)へ出向くのが時間的・地理的に大変な方には効果的な方法と思われます。
健康保険組合様においては、子宮頸がん検診のみをアイラボに依頼されるケースもあります。
会社の事情もあると思われますが、受診者と検査会社の信頼関係を構築することにより、検査結果に対する相談窓口やおりもの検査やHPV検査、更に腟内フローラチェックなどの追加検査が再採取無しで受けられる点がメリットと思われます。また、LSIL以上の異常所見が見られた時には医療機関の紹介などにも対応していることが評価を頂いていると思われます。
開業されている先生方の中には、乳腺専門クリニックの先生が乳がん検診の折に子宮頸がん検診を受けていない受診者に自己採取による子宮頸がん検診を勧めて頂いているケースもあります。皮膚科や泌尿器科の先生からも同様の依頼があります。

表参道総合医療クリニック様にも是非当社の郵送検査キットをご活用頂き、オンライン診療にお役立て頂ければ幸いに存じます。

後日、院長先生からも郵送検査キットに関するPDFのご依頼

可能な限り先生方のニーズに対応したいと思いますが、私達アイラボとしては以下のキットをから紹介したいと考えています。

オンライン診療にも使えるアイラボの郵送検査キット
第3号 最新の子宮頸がん検査(Kit002)

アイラボが郵送検査を始めて20年以上が経ちました。
当時の子宮頸がん検診の受診率は、25%にもにも至っていなかったのです。
郵送検査という方法はあるものの、その頃はあまり評判のいいものではありませんでした。
でも、“やらないよりはやった方がいい”、、、とは思いつつも、細胞診断学の教鞭をとっていたことや学会や関連団体での活動もしていたため、表立って“自己採取法による子宮頸がん細胞診検査”を始めることには躊躇しました。しかし、以前から “加藤式自己擦過法器具”という素晴らしい採取器具があること、医師採取が苦手な人のために自己採取であっても精度の高い検査方法を考えて欲しいという婦人科医であり細胞診専門医の先生の後押しもあって、自己採取法による子宮頸がん細胞診検査キットを世に送りました。

しかし、その当時の自己採取法における検査精度の低さには驚くものがあり、私自身『これは検査ではない』という思いから、いくつかの検査機関や検診機関を訪問し、採取器具の選定や検査法の改善を促してきました。
しかしながら、その反応は『良くないことは分かっているが、大きなクレームがない』という理由で、真面目にとりいて貰えなかった経緯があります。そして昨今、子宮頸がん検診ガイドラインでも自己採取は“ダメ”のお墨付きが出されています(どんな経緯かは分かりませんが)。

子宮頸がん検診の受診率も上がらない、HPVワクチンの接種も浸透しない、そんな日本の子宮頸がん対策であるならば、“何としても医師採取と同程度の検査精度を維持し、自己採取法の灯は消さない”と決めました。同時に、持論でもある『婦人科細胞診は、最も正確で、最も安価な、婦人科感染症(腟炎、トリコモナス、カンジダ、細菌性腟症、HPV関連病変、等)の総合検査法である』ことを広め、守っていきたいと考えています。

ここでは自己採取法による細胞診とHPV検査の併用検査についてお話しします。

自己採取法の特性を知れ!

この写真は、加藤式自己擦過法器具で、大阪の大成化工株式会社が製造販売しています。
この器具はすでに400万本が出荷され、安全性も確かめられた子宮頸がん検査用に開発された器具です。
タンポンのように自分で挿入して、奥まで入ったら6回先端のスポンジ部分を回転させて子宮の入り口をこすって細胞を採取します。そればかりではありません。自然に剥がれ落ちて腟内にたまっている細胞もからめとってきますので、大量の細胞成分が採取されるのです。実はそれが利点であり、欠点でもあるのです。あまりに多くの細胞をからめとってきますので、お医者さんが子宮の入り口や少し奥に入ったところ(子宮頸管)を集中的に採取する検体に比べ、異常な細胞の割合が相対的に少なくなってしまうのです。

このことを理解していれば、どのような標本を作製したらよいのか?どのようなことに注意して顕微鏡を観察したらよいのか?工夫すれば精度を上げることが出来るのです。それが自己採取検体を扱う上で最も重要なことなのです。
「受診者からクレームがないから現状でOK」では、検査にはならないのです。
「クレームがない」と言う人は「現実に起こっていることを知らないのでは?」、、、ないでしょうか。
加藤式擦過法器具が腟内に挿入されている図です。
器具の先端部分はスポンジになっています。スポンジの部分を回転させることで、子宮の入り口を擦ります。同時にスポンジの先端部は後腟円蓋部(自然に剥がれ落ちた細胞が溜まっている場所)の細胞も絡め取ってくる仕組みになっています。
6回転させてから、スポンジ部分を器具の中に戻してから器具全体を腟から抜きます。抜いた後にスポンジが収納されている筒の中に保存液を全て入れ、しっかり蓋をして、必要事項を記入した検査依頼書と一緒にアイラボに送って頂きます。

この器具は細胞診検査用に考案されましたが、HPV、クラミジア、淋菌、マイコプラズマなどの遺伝子検査にも対応可能です。子宮頸がん健診に用いられるHPV検査は、医師採取と自己採取では結果に大きな差がないため、既に他社製自己採取器具(エヴァリンブラシ)は検査機関や検診機関でも採用されている採取器具です。
当社ではすでに加藤式器具とエヴァリンブラシについて、HPVの検出率の比較を行っていますが、陽性一致率95.7%、陰性一致率 87.5%であること確認しています。
検査の結果は(郵送の場合)写真の様に報告されますが、ネット報告は報告書の形態が異なります。

当社における細胞診の結果は、ベセスダ方式でのご報告ななります。ASC-US以上の異型細胞が見られた時は、全て写真が添付されます。また、LSIL以上の異型細胞の検出率は、通常の子宮頸がん検診ではおおむね2%程になりますが、風俗営業従事者の場合はおおむね20%以上になり、最近実施した30名におけるLSIL以上は7名23.3%でした。このような数値は当社における自己採取法による細胞診検出率の目安にして頂ければ幸いです。

HPV検査には感染しているHPVの型まで調べる“HPVタイピング検査(ハイリスク13種)も提供していますが、こちらはuniplex E6/E7 PCR法にて検査しています。過去にHPVの感染やLSIL以上の診断がついついている方はこちらのキットが良いかと思います。““感染しているHPVが持続しているのか?”を見るのに適しているからです。
自分で努力すれば“早期に発見できるがん”“なかなか早期に発見できないがん”があります。
子宮頸がんは、定期的に検査を受ければ、子宮を摘出することや“命を落とすことはないがん”なのです。

検診を受けるのが“恥ずかしい”、“忙しく時間がない”、“特に症状もないのに面倒”、そんな検診が苦手な人にも、今は様々な選択肢があります。ワクチンの接種や私達が提供している郵送検査もその一つです。子宮頸がんは、HPVに感染してもすぐにがんになるわけではありませんので、“定期的に検査を受けていれば、子宮と命を守れるがん”なのです。検診の機会は各自治体や会社で行っているものだけでなく、自身で受けるドックや郵送検査がありますので、自分に合った方法を選ぶことができます。納得のいく方法でよいと思いますので、セルフメディケーション! HPV感染から子宮を守りましょう。
医師採取であれ自己採取であれ、HPVに感染しても必ず異常な細胞が出るとは限りません。
陰性(NILM)の結果が出てもHPVいなくなったわけでも、異常な細胞が存在しなくなったわけではありません。
必ず、担当の先生の指示に従って定期的にチェックしてください。
検診でHSILと診断されたり、HPV検査で陽性と診断されても精密検査を受けない人も少なくありません。
せっかく発見されても何の意味もなくなってしまいます。
“面倒だな”と思っても、子宮頸がんから自分を守るためには、“今どんな状況にあるのか” をチェックしなくてはならないのです。少なくてもHSIL(前がん状態に向かっている状況)になっていないかどうかをチェックすることが重要です。

悩んでいる人はまず私達に相談してください。

オンライン診療にも使えるアイラボの郵送検査キット
第2号 腟と咽頭のSTDチェック(kit10)

性感染症が心配だ!
開業当初の20年前、最も注目を浴びたのが性病(性感染症)の郵送検査です。
それ以後、郵送検査を行う会社も増えてきたため、比較的気軽に検査を受けられるようになりました。
特に、淋菌やクラミジアなど、性感染症の代表格については検査法が普及し、どこで検査しても結果が大きく異なることがなくなりました。
HIVや梅毒の検査においても、ろ紙に血液をしみこませたものを検査会社に送る方法などが広がり、これらの検査も精度的に検査会社で大きな差が出なくなってきたと思います。

郵送検査会社としてのアイラボの特徴は、細胞診を主体にした「女性の性感染症検査」ですので、開業20年を過ぎたことから、“アイラボの特徴(専門性)”を伝える努力をしてきました。

アイラボの郵送検査キット『オシャレな貴女のパスポート』は前回紹介した『婦人科トータルセルフチェック』とほぼ同時に販売を開始した商品で、婦人科トータルセルフチェックにのどの淋菌とクラミジアの検査を追加したキットです。

お化粧して、素敵な洋服を着てオシャレに気を遣う女性の皆さんに、“健康”にも気遣って欲しいという願いで商品化したキットです。現在もこのキットは存在しますが、子宮頸がん検診を受ける方が増えてきたため、『子宮頸がん(細胞診)検査』を除いたキットを新たに送り出しました。

それが、オンライン診療アイラボの郵送検査キット第2号『腟と咽頭のSTDチェック』です。

腟と咽頭のSTDチェック~シンプルキット~』は採取器具に綿棒を使用し、価格を低く設定していますので、定期的に検査を受けたい人には便利なキットです。『腟と咽頭のSTDチェック』は検査の内容は同じですが、採取器具に加藤式を使用していますので、子宮頸がん細胞診検査やHPV検査などの遺伝子検査の追加検査も可能になります。子宮頸がん検診を定期的に受けてない人はこちらがお勧めです。

シンプルキットは定期検査に最適!

腟と咽頭のSTDチェックはアイラボ独自で開発したキットです。
それは、細胞診を土台にした検査です。
細胞診は、子宮の入り口から細胞を採取して子宮頸がんの検査法として普及しましたが、私達は「最も簡単で、最も信頼性が高い、婦人科感染症の総合的な検査法」として位置付けています。「腟内に炎症があるか?」「カンジダがいるか?」「トリコモナスの感染があるか?」「腟内フローラは健康的か?」「細菌性腟症があるか?」それに子宮頸がんの原因となる「HPV感染による細胞変化が見られるか?」そればかりではありません。「年齢や性周期に合ったホルモンの分泌があるか?」などを、熟練した細胞検査士と顕微鏡があればできる検査なのです。
淋菌とクラミジアについては、感度の高いPCR法と組み合わせたのがこのキットです。

子宮頸がん検査など追加検査の可能性がある人はこちら

採取器具を綿棒ではなく、加藤式(画像)を使うことで、色々な追加検査が可能になります。
「なぜ、追加検査の必要があるのか分かるの?」、、、と言う質問があります。

アイラボではどんなキットでも全て検体が適正に採取されているか確認しています。
下の写真の上は検体の適否をチェックする標本です。下が子宮頸がん細胞診検査に使用する標本です。
検体の適否を観察する細胞の量は少ないですが、これだけでも様々な情報が得られるのです。
病院では、検査に必要な検体の多くはお医者さんや看護師さん大きな病院になると検査技師さんが採取します。しかし、郵送検査は“素人の皆さん”が採取します。従って、採取器具は“安全で”、“目的の検体が適切に採取できる”ものを採用しますが、採取方法の説明書をよく読まないで採取する方がいるため、必ず検体の適否判定をしています。

アイラボに届いた検体は、写真の様に子宮頸がん検査と同じように染色して目的の細胞が採取されているか顕微鏡で観察します。
その時、1)白血球が多いか少ないか 2)トリコモナス原虫 3)カンジダの菌糸 4)異型細胞 などが同時に目に飛び込んできます。でもこれはあくまで簡易的なチェックを目的とした標本ですので、例えば、異型細胞が見られた時には細胞診検査やHPV検査を勧めたり、白血球が多く見られ感染症が疑われる時で(淋菌、クラミジア、トリコモナス、カンジダ、細菌性腟症など)が陰性であった時は「マイコプラズマチェック」を勧める場合もあります。

加藤式器具で採取した検体であれば、「子宮頸がん細胞診検査」やアイラボが提供している遺伝子検査の全てが追加検査が可能になります。
アイラボに届いた検体は、当日に処理し、遺伝子検査以外は数日以内に結果が出ます。
異常所見が見られた時は遺伝子検査以外は全て写真が添付されます。全国どこの医療機関にお持ちいただいても、担当の先生にご理解頂けるようアイラボ独自の報告書を作成しています。20年間同じ報告書を使用していますが、これまでにクレームは一件もございません。むしろ写真付きですので、先生方が再検査されて「異常なし」の結果になった時は、他院への紹介や再検査をして頂けることが多いようです。※ネット報告の書式は若干異なりますが、画像は同じように添付されます。
20年前に病院に行くのが苦手な人のために郵送検査として世に送り込んだ“婦人科トータルセルフチェック”ですが、その後、内緒にしておきたい性感染症検査のニーズが高まり、今回ご紹介した“腟と咽頭のSTDチェック”もキット化しました。
今、コロナ禍で、医療現場からもオンライン診療のニーズが高まっていますが、私が最後の仕事として掲げた“セルフメディケーションの普及”のためにも、郵送検査で培ったノウハウが生かせます。医療における新しい制度が順調に発展するためにも、医療側の押し付けではなく、受診者にとっても心地よい検査システムになるよう、郵送検査を受けられた皆様(患者側)のご意見を頂ければ幸いです。

オンライン診療にも使えるアイラボの郵送検査キット
第1号 婦人科トータルセルフチェック(Kit012)

新年あけましておめでとうございます。

日本は穏やかな新春を迎えましたが、極寒の地で新年を迎えたウクライナの人達のことを思うと心が痛むと同時に自身の無力感にさいなまれます。どうかロシアの指導者の方々に素晴らしい地球と命を守るという万人共通の願いのために、“小異を捨てて大同に就く”ということわざを考えて頂きたいものです。

“小異を捨てて大同に就く”ということわざを最初に耳にしたのが、日中国交正常化交渉の折、中国の周恩来さんがそのように述べられたと記憶しています。“さすが大国の首相”と感銘を受けた記憶があり、その後私が大切にしている考え方です。私なり、“とても大切なことを決める時には少しの我慢は仕方ない、小異についてはその後時間をかけてお互いの妥協点を見つければいいや”という思いで実践しています。

プーチン氏とその取り巻きの方々にとっては崇高な思いがあっての侵略と思いますが、既にたくさんの命や不幸を生み出している現状を見る限り、極めて身勝手で今の時代に合わない考えではないだろうか?
真の平和のため、そしてロシアの皆さんの幸せのためにも、いさぎよく侵略をやめ、世界平和を目指す国家として(偽りのない)新たな狼煙(のろし)を上げて頂きたい、そんな思いで一杯です。

新年のご挨拶はこのくらいにして、今年も私ができることを精一杯頑張ります。
2023年最初の記事は「オンライン診療」を目指したアイラボの郵送検査キットの話です。

アイラボの郵送検査キット第1号
婦人科トータルセルフチェック(Kit012)

アイラボの郵送検査キットはオンライン診療向き

アイラボの郵送検査キット第1号は“婦人科トータルセルフチェック”です。

検査項目は『腟炎の有無』『子宮頸がん検査』『トリコモナスの有無』『カンジダの有無』『細菌性腟症の疑い有無』『クラミジア(遺伝子検査)』『淋菌(遺伝子検査)』の7項目ですが、特徴は加藤式自己採取器具で一回採取し、ポストに投函するだけです。
加藤式採取器具は、すでに400万個が出荷され、安全性が確認されています。採取は極めて簡単で、タンポンを挿入するのと同様です。器具には十分挿入されたところにストッパーがついていますので、それ以上奥に入る心配はありませんが、手術をされた方や避妊具を挿入されている方は採取前に医師にご相談下さい。また、妊娠中の方についてはご使用になれません。詳しくは大成化工株式会社「ご使用に関するご相談窓口」072-640-2125(担当三上)が承ります。器具以外のご質問に関しては、アイラボの無料相談でもお受けいたします。

採取の失敗は1000件中3件ほどありますが、その原因はいずれも採取法の説明書を良く読んでいないことにつきます。つまり、説明書通りに採取して頂ければ、失敗はゼロです。

採取された検体は、同封の封筒に入れポストに入れて頂くだけです。
アイラボに届いた検体は、当日に処理し、遺伝子検査以外は数日以内に結果が出ます。

写真左(1番上)は、子宮頸がん検査でLSIL(軽度異形成)に相当する細胞です。このケースは病院を受診して頂き、子宮頸管内を含め精密検査(細胞診)をお願いしています。また、感染しているHPVの型の検査を希望される方には「HPVタイピング検査(ハイリスク13種+コンジローマ)」の追加が可能です。この検査は『高感度多種HPV検出法 uniplex E6/E7 PCR』という杏林大学保健学部大河戸光章先生が開発した方法を採用しています。
写真右(2番目)は、クルーセルが見られ、細菌性腟症が疑われるケースです。性感染症ではありませんが、多くの場合おりものの臭いが気になるようです。ご相談の上しばらく様子を見るケースと婦人科を受診して頂くケースに分かれますが、先ずは生活習慣の改善に挑戦して頂くため、お気軽にご相談していただく事をお勧めしています。(例えば、40代でお産の経験がある方の場合、しばらく入浴(浴槽に入る)を控えシャワーのみにして頂くことなど)
写真左下(3番目)は、ゴマのように見える白血球が増えていますので、腟炎が疑われます。婦人科トータルセルフチェックに含まれない感染症の存在も否定できません。腟炎の結果以外に異常所見がない場合で腟炎の状況がひどい時は「マイコプラズマやウレアプラズマの追加検査」をお勧めすることもあります。
写真右下(4番目)は、トリコモナス原虫が見られたケースです。トリコモナスの検査においても、このキットなら1週間以内であれば全く変質することなしに検査することが可能です。
今回は、写真の添付はしませんが、カンジダや腟内フローラの検査も追加でできるのがこのキットの特徴です。
異常所見が見られた時は遺伝子検査以外は全て写真が添付されます。全国どこの医療機関にお持ちいただいても、担当の先生にご理解頂けるようアイラボ独自の報告書を作成しています。20年間同じ報告書を使用していますが、これまでにクレームは一件もございません。むしろ写真付きですので、先生方が再検査されて「異常なし」の結果になった時は、他院への紹介や再検査をして頂けることが多いようです。
“チョットいつもと違う?”
そんな時、気軽に婦人科に行こう、とはなかなかなれないのが日本女性かな?
今日も元タレントの方が亡くなられたニュースが入ってきました。原因は「子宮がん」とありました。
病院に行くのが苦手な方のために始めた郵送検査、この20年ですそ野が広がってきましたが、まだまだアイラボの認知度が低いことがとても残念です。

婦人科トータルセルフチェックの採取器具は“加藤式”ですが、腟内に自然に剥がれた細胞と子宮の入り口をこすり採ることでたくさんの細胞が採取できる優れものです。初心者でも簡単に採取できます。

結果のご報告は、ネットと郵送があります。
依頼されたご本人はもとより、ご本人の承諾が得られたものについてはご指定の医療機関へのご報告も可能です。
20年前に病院に行くのが苦手な人のために郵送検査として世に送り込んだ“婦人科トータルセルフチェック”ですが、
コロナ禍で予期せぬオンライン診療が広がりつつあります。これは医療側にとっても患者側にとっても画期的な出来事です。私達、検査に関わる者としては医療の現場が混乱することがなく、適切な診療に結び付けられるよう、その在り方についても進化させていきたいと考えています。