Dr シイナのブログへようこそ
私の最後の仕事として
“セルフメディケーション”という言葉を選びました。 世界保健機関(WHO)では
「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義しています。
“自分自身の健康に責任を持つ”ということは、先ずは病気にならないための知識を学び、日々それを実行し、一つ一つ積み重ねていくことが大切だと考えます。
私は50年余り、顕微鏡の世界で主に子宮頸がんに関わる仕事をしてきましたが、その中でたくさんの感動に出会えました。
その一つが “女性の神秘” です。
顕微鏡の前に現れるひとつ一つの現象には必ず、それなりの理由が存在するのですが、その訳を知ると“神秘”としか言いようがないことが多いのです。
ひとりでも多くの(女性の)皆さんにこの
 “神秘の世界を見える化” することで、
自身の健康状態を確認しながらQOLの向上に役立てていただければと考えました。
具体的には顕微鏡で見える世界でご自身の今の状態を観察するものです。多分このような試みは多くないと思いますが、皆さんと一緒に作り上げていきたいと思いますので、ご協力をお願いいたします。

セルソフト誕生までの熱い男達、そして同志の急逝に思う

およそ8年ほど前(2017年頃)、
吉田さんは3名のブローカー風の方とアイラボに来られました。
目的は、加藤式自己採取器具より優れた器具を作りたい。
加藤式器具は唯一私が有効性を認めた器具です。
それよりさらに良いものを作りたいというのです。
それは、ひとえに子宮頸がん検診に抵抗感を感じている人達にも
気軽に受けられるシステムを構築することこそ重要だと考えていたからです。
加藤式を考案された加藤先生もまさにその思いであったと思います。
加藤式自己擦過法器具の考案者
加藤式器具製造所を訪問させて頂いた時に、
額に収まっている先生を撮影した写真です。
いつか自分が責任ある立場になった時、
加藤式をしっかり検証してみたいという思いを持っていました。
そして、①検体の処理方法を改良することと、
②(使命感のある)顕微鏡での観察方法を実践することで、
医師採取と同等の成績が得られることを明らかにしました。

検査精度より利益優先が先行

先日、私自身経験したことですが、
ある健保の担当者様から、「検査精度を重視してアイラボさんから見積もりを頂きましたが、上司から“あいみつをとれ”と言われ、今年は残念です。来年またお願いします。」との電話を頂きました。
検査精度第一に考える私達にとっては「お役に立てず申し訳ありません。また機会があれば宜しくお願いします。」とご挨拶いたしました。お客様が取れなくても、この四半世紀この姿勢でやってきました。
“あいみつをとれ”というのは一般的常識なのですが、採取器具の選択や検査方法の違いまで見て頂けないのが残念です。

それでも素晴らしい器具を世に送って勝負したい

故吉田勝彦氏
8年ほど一緒に新しい採取器具の開発にチャレンジした吉田氏。
先日自宅で急逝されました。残念の一言です。
吉田氏の功績をたたえご紹介致します。
■加藤式より優れた自己採取器具を世に送るため、
大阪にある大成化工株式会社(白石保行社長)を紹介。
吉田氏の熱意が白石社長に届き、新しい採取器具の開発に着手。
採取器具はセルソフトと命名されました。
■加藤式器具製造所が廃業通告。
それを受けて吉田氏は大成化工株式会社に買収要請。
■2024年4月、セルソフトの販売開始、セルソフト総販売元となります。
アイラボにセルソフトの有効性に関する学術研究の依頼があり、
同じ時期に論文が掲載されました。
■そして、本格的に営業活動を開始した矢先出来事でした。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
セルソフトの普及に向け、私達も最大限の努力をお約束いたしました。
セルソフト
子宮腟部擦過自己採取器具
(子宮頸部細胞診、HPV検査、感染症検査、フローラ検査)
大成化工株式会社白石保行社長
国民のためになるのであればとの思いで、セルソフトの開発にご理解を頂きました。
子宮頸がん検診(細胞診・HPV検査)の受診率向上・死亡率減少に寄与できるよう、
更なるご理解を賜りたくお願い申し上げます。

私が自己採取法に携わって思う事

採取器具の選択を誤ると
検体の処理(標本作製)が適正でも
使命感をもって顕微鏡に向かっても
最善の検査精度は得られません。

検体の処理(標本作製)が適正でないと
最良の採取器具を選択しても
使命感をもって顕微鏡に向かっても
最善の検査精度は得られません。

使命感をもって顕微鏡に臨まないと
最良の採取器具を選択しても
検体の処理(標本作製)が適正でも
最善の検査精度は得られません。