八王子市の古い町から“子宮頸がんゼロを目指そう”

一丁目から「子宮頸がんゼロの町を目指そう」
アイラボの本社は、東京都八王子市元八王子町1丁目にあります。
八王子の中でも歴史のある地域で、近くには八王子城跡や多摩御陵、高尾山や奥多摩の山々にも自宅から徒歩でアクセスできる素敵な町です。
こんな町でも高齢化が進み、町会の行事やサークルも年々縮小傾向、私達のゴルフの会も終焉を迎え最後のコンペを開催しました。
その後の宴会で「やめるのは簡単もっと積極的に声をかけよう」「他の町会ではマルシェが流行っている」「古くから住む人と新たに住み始めた人が共に参加できる活動はないか」等々の話で盛り上がりました。
団塊の世代を中心としたこの集まり、久しぶりに皆の目が輝いていました。
老体に鞭打っても町のために何かをやろう。そんな気迫がこの男達にみなぎっていました。
そこで私、私の会社は女性の健康と活躍を支援する仕事をしています。“一丁目から子宮頸がんゼロを目指そう”というのはどうですか?」と話しかけてみました。

女性が健康で活躍出来る活動はいま世界中で注目されています。
子宮頸がんは進行しないと全く症状がないため、早期発見がとても大切です。
しかし、子宮頸がん検診を受けている人は43.7%に過ぎないのです。なぜなのでしょうか? 「恥ずかしい、忙しい、面倒」それが大方の理由と思いますが、「「しっかりした教育」がないからなのです。「学校だけでなく、テレビやSNSでも話題は溢れているのではないか?」確かにそうですが、子宮頸がんは「対岸の火事=(他人の災難や問題は自分には無関係)」的思考なので、何度聞いても馬耳東風(他人の意見や忠告を全く気にせず聞き流してしまう)で、いざ身内や有名人が「がんになった」と聞くと一時は「自分は大丈夫か」と思うが、
すぐにどこかに行ってしまうのです。

性に関係するがんだから、なかなか難しいけど

「子宮頸がんは性行為でHPVが男性から女性へ、女性から男性にうつる事が最初の出来事」だと聞く驚く人は少なくありません。HPVは子宮頸がんの原因になることはなんとなく分かっていても、それが性行為でうつるところまで理解がつながっていないのです。そこを正しく伝えることで、「子宮頸がんは女性だけの問題ではない」検診やワクチン接種の必要性にも目が向けられるようになるのだと思います。
ゴルフの仲間達が真実を初めて知って、全員この会の発起人になったのです。
検査だけでなく、老若男女、古くから住んでいる人・新しく住み始めた人が一緒になってこのテーマに取り組む中で、子供達に明るい未来を残せたら幸いです。

こんなチラシを作ってみました

この活動は決して楽な道のりではありません。
少なくても、5年・10年はかかるので、私達発起人会だけでできる仕事ではありません。
この町に住む一人でも多くの皆さんに賛同して頂けなければ先に進めません。
最も大切なことは「性教育」なのですが、最初からはハードルが高すぎます。
先ずは、検診を受けることの大切さを訴えてまいります。
■経済的負担が少ない八王子市や会社で受けられる検診を受けましょう
■それが苦手な人(恥ずかしい、忙しい、面倒)には自分で採取する方法を勧めます
それでも検診は受けたくない人達には、心配事を一人で抱え込まない環境を整えます。
■長年悩み相談の経験を持つ日本性感染症学会認定士による無料相談窓口を提します。

風俗の定期検査でHPVの感染まで調べていますか?

おちんちんにイボができたので性病科を受診し、凍結治療をしてもらいました。
治ったかどうか気になったので、アイラボの「男のHPVタイピング検査(ハイリスク+コンジローマ)」を利用しました。結果は31型と11型が検出されました。
定期検査をちゃんとやっている風俗店を利用し、自分でもHIV、梅毒、B・C型肝炎の検査は受けており、いつも陰性です。

私のイボ(尖圭コンジローマ)は何ですか?
どこで? いつうつったんですか?

風俗を利用された多くの方が経験することですが、1週間、10日そして2週間経ったけど、特に何の症状もなく、「良かった」。今回も性病にならなかったと安堵します。
今回のケースは、約3ヵ月前に複数回風俗を利用し、約2ヶ月後にイボ(尖圭コンジローマ)ができた。性病科の先生は性病だからちゃんと治療しようと言われ治療したが、風俗の定期検査でこの病気については検査していないのですか?という質問です。

ハイリスク・ローリスクHPV検査は定期検査に含まれません

風俗営業従事者は一般的には定期検査を実施しているようですが、その実態はよく分かりません。
検査項目については、HIV、梅毒、B型肝炎、C型肝炎の抗体検査と淋菌、クラミジアの遺伝子検査が一般的ではないかと思います。HPV検査は子宮頸がん検診や細胞診でASC-USと診断された時に行われる検査ですので、風俗の定期検査としてはやられていないと思います。
HPVは子宮頸がんや尖圭コンジローマを起こすウイルスで、特に風俗営業従事者の場合、罹患率は極めて高く、私達が行った研究でも検査を受けた人の70%が感染し、しかも複数の型に感染していることが多いです。
この表は検査に協力して頂いた風俗営業従事者30名の結果です。
一番左の赤丸が感染していたケースで21例(70%)になります。
罹患率が100%に近いお店もありますので、性病の定期検査には含める意味がありません。
ということは、風俗での行為によっては感染する危険性はとても高いと言えます。

従って、HPV感染は自己責任なのです

私は風俗を否定する者ではありませんが、
この事実を知らないで風俗を利用する人は多いと思います。
また、このような現状をメディアも積極的に伝えていません。
面倒なんです。とても厄介な話なのです。
面倒で厄介な話は、、、、“臭いものには蓋をしろ”ですかね?
HPVの中には子宮頸がんとは関係がない(低リスク)6型・11型はイボをつくるので、性病(尖圭コンジローマ)と診断されますが、子宮頸がんを引き起こすハイリスク型HPVの感染では全く症状がないため、病気と認定されません。
“性行為によって感染している状態=Sexuallt Transmitted Infection”
だから知らない内にパートナーにうつしてしまうのです。
検査をしないと感染しているかどうかわからないのです。

風俗で働く人の健康をしっかり守ろことが大事

風俗で働く人の健康を管理をしっかりすることで、症状が現れないSTIをは減少させることができます。
私達アイラボの職員は専門の臨床検査技師、細胞検査士に加え、日本性感染症学会認定士の資格を有しています。
この資格は、国家資格ではありませんが、性感染症に関するある一定の知識を有する者に与えている資格認定でです。
このような資格を有する者が風俗で働く人の健康管理のために配置されるような環境が整えれば、誰もが扱いに困っているこの問題の解決に一歩進むのではないかと思っています。

最初から最後までコンドームを装着すべき!

すぐにでもできることは、
最初から最後までコンドームを装着すべきです。
先ずはこれを徹底すべきです。
アイラボのお客さんの経験によれば、
「男のHPVタイピング検査」を受けたら31型が検出されました。
約1年半程性交渉があるパートナーにそのことを伝え、HPV検査を受けてもらったところ「陰性」でした。

この男性はパートナーとお付き合いするようになってからはその他の人と性交渉がなく、お付き合いする前に性病に感染していると困るので、最初からコンドームを装着した。」と言っています。
完璧ではないかも知れませんが、とても大切なことだと思います。

男性性器、見た目はまったく異常はないが顕微鏡で見ると

アイラボが提供している男性性器のHPVタイピング検査キットを世に送り出した理由は、
子宮頸がんに対する正しい知識を広めるため。
子宮頸がんは女性だけの問題ではないという認識がないまま、「検診を受けましょう」「ワクチンんの定期接種を受けましょう」といっても、多くは“対岸の火事”、“馬耳東風”。受診率が43.7%で頭打ちの状態を改善できません。

HPVの大半は性行為でうつるが無症状
俺は大丈夫か?

私達は7年程前からこのキットを世に送り出しましたが、昨年あたりから急速にそんな男性が増えてきた感があります。女性は子宮頸がん検診があるため、ASC-US(HPV感染が否定できない)やLSIL(HPV感染が推定される)などの結果からHPV感染という言葉にはなじみがありますが、男性にはそのような機会がなかったため、子宮頸がんは女性の病気。女性も“なんとなくHPVというウイルスに感染していた”という認識に留まっていたようですが、はっきりと性行為でうつるということが浸透してくると、直近お付き合いしている人からうつったのではないかと考えるようになります。しかしそれは正解であるかもしれませんが正解ではない可能性もあり得ます。つまり、男性が仮に陽性であったとしても、どちらが先に感染していたかは全く分からないのです。
先ずはその点をしっかり認識し、それが原因で喧嘩をしてはいけません。本当のところは分からないのです。
神のみぞ知る”状況なのです。

何のためにこのキットを提供しているか

HPVに感染して困るのは女性だけですが、
男性も無関係ではない事を認識して頂く事が大切だと考えるからです。
子宮頸がんは女性だけの問題ではなく、子宮を守り命を守り家族を守るためにも男性の理解が大切になるからです。

アイラボでは検体の適否判定を実施

肉眼的に異常がない限り男性性器(亀頭や陰茎)の細胞診検査は行いません。
アイラボでは医師が採取しない自己採取検体は全て検査前に検体の適否判定(検体が適切に採取されているかどうか顕微鏡で確認)を行っています。その際、異常な細胞が見えてきます。
今回はそんなケースを紹介しますね。
自身が“しっかり検査をしよう”という意思をもって採取した検体には、
このようにたくさんの細胞が採取されます。
もちろん検体としては「適正」と判定し、HPV検査を始めます。
通常は、核がない細胞が採取されますが、この方は多くの細胞に核が存在します。
明らかに普通とは違う所見を示しています。
拡大を上げてみましょう。
中央のやや大きな細胞は、核の周辺が明るくなっています。
これはコイロサイトーシスといってHPV感染に特徴的な所見です。
子宮頸がん検診でLSIL(軽度異形成)と診断する細胞と全く同じ顔つきをしています。
感染しているHPVの型は分かりませんが、この段階でHPV感染は明らかになります。
違う視野にも核を有する細胞がたくさん見え、しかも核が大きく、濃く染まって、HPV感染していることをうかがわせます。
拡大を上げましたが、やはり正常では見られない細胞達です。
もしこれが婦人科の標本だとしたらASC-US(HPV感染が否定できない細胞)と診断します。
このように、見た目なにも変化がない亀頭や陰茎部分にこのような変化が起こっているのです。
見た目は「異常なし」でも、顕微鏡的には「異常あり」が、男性性器のHPV感染です。
病気と認定されないので、まさにSTI(sexually transmitted infection)の状態です。
この感染も女性同様免疫力で陰性化すればよいのですが?
その辺がまだ解明されていません。
子宮頸がんはハイリスク型HPVの持続感染が原因といいますが、
パートナーが感染したままだと、常に感染している状態になるのですかね?
そうだとすれば、男性からの感染を防ぐ策が重要になってきます。

心配な時は先ずはトライしてみてください。

このケースからは尖圭コンジローマを起こす低リスク型を含め、
4種のHPVが検出されました。

オリモノが気になりFemバランスチェックを受けたが?

オリモノと臭いが気になり、当社の「Femバランスチェック」で検査をお願いしたという方。
確かに、オリモノや臭いが気になる人はこの検査がお勧めですが、アイラボの検査キットの中には、「おりもの&臭いの検査」というそれこそ症状にふさわしいネーミングのキットもあります。
Femバランスチェックは腟内フローラの状態とホルモン活性の両方を調べる検査で、細菌性腟症とカンジダの検査が含まれています。
一方、おりもの&臭いの検査は、細菌性腟症、カンジダ、トリコモナス、淋菌、クラミジア、腟炎を調べるキットで、性感染症(性病)も疑われる時に選んで欲しいキットです。

先ずは、アイラボが得意としている顕微鏡の世界へ

30代のこの方、①緑色の大きな細胞が主体で、②小さなゴマ粒状の細胞も比較的多く見えます。①は中層細胞といって、プロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されている証拠で、生理周期は次の月経前(分泌期)だろうと推測します。②は白血球で若干多くなっています。何らかの原因で腟内に炎症があるのかな?何か感染症があるのかな?、、、そんな風に見ていきます。
少し拡大を上げて観察すると、やはり好中球(感染症で増加する白血球)が増えています。よく見ると同じような大きさですが、中央付近に核が一つの細胞が2個みられます。これらはリンパ球といいますが、やや反応性で大きくなっています。この視野だけで2個見られるので、私達は濾胞性頸管炎を疑います。背景に乳酸菌や腟ガルドネラ菌はほとんど見られません。細菌性腟症を疑う所見ではありませんが、本来多くみられる乳酸菌が少ない点は、腟内フローラとしては「やや乱れている」状況です。
気になるのはリンパ球です。
2つの反応性リンパ球が見られますので、クラミジアの感染があるのかな?と考え、
結果の報告書には感染症検査の追加検査を勧めました。前にも述べましたようにFemバランスチェックには、細菌性腟症とカンジダが含まれていますので、「リンクラ&トリコモナス検査」をお勧めしました。

これがアイラボの郵送検査の特徴です

この依頼者さんは、結果を受け取った直後に追加検査の申し込みがありました。
結果は、クラミジアが陽性でした。
このケースは性感染症としては白血球の増加はそれほどでもないので、依頼者としてはオリモノが若干黄色いのは気になるが、性感染症は疑っていなかったのでしょう。
クラミジア感染症の場合、今回の様に自覚症状はあまりひどくないこともあり、気が付かない事が少なくありません。
アイラボの郵送検査では、すべての検査で検体が適正に採取されているかどうかを最初にチェックしています。
その時今回の様に腟内の状況が見えてきますので、依頼者には追加検査の必要性を伝えるようにしています。
それがアイラボの郵送検査の特徴です。

オリモノがイカ臭いという悩み、結構多いようです。

おりものの臭いが気になる人で、具体的にイカ臭いと表現される方は結構多いようです。
細菌性腟症の自覚症状として“魚臭帯下=魚の生臭い臭い”という表現がありますが、私達のこれまでの経験で、イカ臭いと表現された多くは魚臭帯下を指しているものと思われます。

オリモノや臭いといった女性特有の悩みを経験した人は91%

昨年の10月に開催されたFem+(フェムプラス)の展示会(東京ビッグサイト)に出展した際にお客様にアンケート調査を実施しましたが、なんと、91%の方が、過去に悩んだことがあると回答しました。
展示ブースでこのようにアンケート調査を実施したところ、
最終的には91%の人が悩んだことがあると回答しました。
他の調査でも
84%の結果を示しています。
このような不快な悩みの原因は様々です。
私達が検査を行う現場では、時に、強烈なな臭いおため、「窓を開けて」、、、と言いたくなるようなことがあります。しかし、その方の自覚症状の欄を拝見しても「臭いは気にならない」と回答している例もあります。
自分では気づかないことも多いようです。
原因となる疾患は、■進行した子宮がん(最も強烈な臭い、最近このようなケースはほとんどありません)、■トリコモナス腟炎(性感染症)、■カンジダ腟炎(性感染症ではありません)、■萎縮性腟炎(性感染症ではなく、婦人科の先生方から細菌性腟症の検査依頼が多いケース)、■淋病やクラミジア感染症(性感染症)、■腟炎(原因不明、調べてみるとマイコプラズマやウレアプラズマが検出されることが多い)、■細菌性腟症(性感染症ではありませんが、毎日のように、しかもかなりの頻度で遭遇しています)
と言うことで、多くの方が悩む原因は細菌性腟症なのです。
これまで何度も同じような写真を投稿していますが改めて腟内をみてみましょう。
細長い針のように見える細菌、これらは“腟の守り神乳酸菌”です。
腟内の糖分(グリコーゲン)をエサにして活発に増えることで、
腟内を酸性にして肛門から侵入する細菌の繁殖を防いでいます。
典型的な細菌性腟症の細胞像です。
細菌性腟症は腟炎を起こさないため白血球は少なく、
見た目はとてもきれいですが、腟ガルドネラ菌が細胞に群がっています。
これをクルーセルと言いますが、細菌性腟症の特徴的所見です。
萎縮性腟炎のケースです。
更年期の後期になると、エストロゲンや黄体ホルモンの分泌がなくなります。
すると腟内は萎縮するため乳酸菌のエサとなるグリコーゲンもなくなりますので、
酸度が低下し防御機構も弱くなり、萎縮性腟炎になりやすいのです。
婦人科の先生方は臭いが気になるのでしょうか?
細菌性腟症の検査依頼が多くなります。
これは腟カンジダ症です。
白っぽいオリモノが特徴で、強いかゆみを伴うのが特徴です。
時に、異臭を伴うこともあり、強いこともあります。
婦人科医は検査をしないと細菌性腟症ではないかと間違えることもあります。
これは腟トリコモナス症です。
黄色いオリモノが特徴で、かゆみを伴うこともあります。
臭いもかなりきついことがあり、細菌性腟症と間違えることもあります。

だから検査してはっきりさせなくてはなりません

症状だけではお医者さんも間違えますので、“最近いつもとちょっと違う”と感じた時は、
おりもの&臭いの検査で早目にチェックしておきましょう。

HPVの感染は淋菌やクラミジアとは違うぞ!

検診で異形成と診断されても、先ずは冷静に!
最近とても気になる現象があります。
せっかく仲良くお付き合いしている彼なのに、子宮頸がん検診でLSIL(軽度異形成)と診断されると、彼からうつされたと思い、別れてしまうカップルが少なくありません。
淋菌やクラミジアに感染すると、多くの場合数日または1週間ほどで症状が出るため、クリニックに受診して検査・治療が行われます。
同様に、尖圭コンジローマを引き起こす、HPVの6型や11型に感染すると、視覚的にイボ(隆起性病変)が確認できるため、病気の可能性があると認定され検査や治療が行われます。

ハイリスク型HPVに感染しても見た目何の変化もありません。

子宮頸がんの原因になるハイリスク型HPVが亀頭や陰茎に感染しても、イボなど通常と異なる変化は全く見られません。
なので、自身も淋菌やクラミジア、HPVの6型・11型のように感染している事に全く気付きません。風俗を利用した後、“今回も何の症状が出なくてよかった=性病にかからずに済んだ”と安心しますが、ハイリスク型HPVの感染はそうはいきません。感染はあっても全く症状がないため、大切な人にうつしてしまう事になるのです。
女性の場合も全く同じで、感染していても全く症状がありませんが、子宮頸がん検診というチェック機構があるため、ASC-US(HPVの感染があるかも?)やLSIL(HPVの感染がある)の様に感染がある事に気付くのです。(男性にはそのような機会がないためいつになっても気付きません。)
しかし、男性でも、感染している部位を綿棒で擦ってくると、女性の子宮頸部細胞診で見られるようなASC-USやLSIL相当の異型細胞を見ることが出来るんですよ(少ないですがね)。
51型の感染がある男性性器からの細胞

女性も細胞診による検診でHPV感染が見つからないことは多い

一番左側に赤丸で示したケースはHPV感染がある人ですが、
ASC-USやLSILの細胞が出ているのは右下の赤枠で囲ったケースにすぎません。
これらは全てハイリスク型HPVの感染例ですが、
水色で示した時期はASC-USやLSILは検出されません。

STIとSTDの違いは何?

ネットで「STIとSTDの違い」で検索すると、以下の様な解説が出てきました。

性感染症が表記されている時、「STD」と「STI」があります。一体、これはどのような違いがあるのでしょうか。STIは、”Sexually Transmitted Infection”を略したもの。つまり、感染が確認された状態をさします。感染が確認されれば、症状がなくても、STIとして分類されます。

一方、STDは、”Sexually Transmitted Disease”を略したもの。
ちなみに、「Diseases」は病気という意味。
つまり、感染が確認されて、なおかつ症状が現れているのが「STD」ということになります。
STDは、STIが進行した状態とも考えられます。

現在では「予防」の観点から「STI」を使うことが適切ではないかという考えもあり、
「STI」を使用するケースが増えているのです。
自分の健康を守るために、誰かに感染させないために、性感染症を早期に発見し、治療を行うことが大切であるという観点からは、性感染症検査においては、「STI」を使う方が適切であるといえるでしょう。


私自身、性感染症Sexually Transmitted Disease(性行為にによってうつる病気=性病)は容易に理解できますが、STI Sexually Transumitted Infection 性行為でうつる感染?
、、、何だろうね?

不顕性感染のこと?

これもネットで検索してみると
不顕性感染とは、細菌やウイルスなどの病原体に感染しても症状が現れない状態を指します。感染は成立しているが、症状が表れないため、感染していることを自覚していない人が多く、結果的に感染源となる可能性があり、感染症の広がりに関わってきます。
とあります。
これはなんとなく理解できるような気がします。

それでは男性のハイリスク型HPVの感染は?

男性がハイリスク型HPVに感染しても、その感染部位に特段の症状が出るわけでも、将来的にそこにがんが発生するわけでも、ある種の病気が起こるわけでもありません。ところが同じHPVの仲間で6型や11型は同じように性行為で感染し、感染した部位に尖圭コンジローマ(イボ)という病態が現れますので、性行為によって感染する病気=STDに分類されます。同じ性行為で感染するハイリスク型HPVはその部位に病態としては現れません(顕微鏡的には正常とは異なる異常な細胞が見られるが)ので、病気としては認定されません。
つまり、STD(病気の状態)ではなく、性行為によってHPVというウイルスが感染しているだけの状態=STIというのでしょうか?
不顕性感染とも違うような気がします?
なんだかよく分からなくなってしまいましたが、男性性器のハイリスク型HPVは「性行為でうつる」けど、そこにがんができるわけでもない(まれに癌化することもある)が、パートナーにうつすことになるので、STIとして(注意喚起)する意図があるのでしょうね?
私がSTIという言葉を最初に聞いたのは、千葉大学教育学部養護教諭養成課程で性教育の教務補佐員として武田敏教授のお手伝いをしていた頃で、アメリカの学会から帰ってきた武田先生の口から出た言葉です。
決して新しい言葉ではありませんが、(私にとっては)馴染みにくい・解り難い言葉でしたので、その後20年経ってアイラボを立ち上げた際もSTIを使わず、株式会社アイ・ラボCytoSTD研究所としました。

なんだか益々よく分からなくなってしました、、、ので、
おやすみなさい6/8 0時28分また続きを書きます。

何が言いたいの?  と言われそう

それではまとめに入ります。
このように、ハイリスク型HPVに感染しても多くの場合、自覚症状は全くないので、STDではなくSTIなのです。
性交経験者であれば、知らないうちに感染していた可能性があるのです。
たとえこれまでの(細胞診による)検診で異常が指摘されたことがなくても、感染していなかったとはいえません。従って、過去のことを問題視してもあまり意味はなく、未来に向けての対策が大切になります。

【その1】HPVワクチン接種は、ハイリスクHPVの感染を防ぎます。男女共に有効です。
但し、接種前にHPVに感染していると効果は半減するようです。陰性を確認してからの接種をお勧めします。

【その2】(女性)HPV検査を受けましょう。2024年4月から子宮頸がん検診にHPV検査を導入することが可能になりました。感染していないことを確認しましょう。感染していたら必ず細胞診検査を受けて現在の状況(NILM、ASC-US、LSIL、HSIL、、、等)をチェックしましょう。そしてしっかりフォローアップしていきましょう。
https://ilabo-cyto-std.com/onlineshop/item/kit041

【その3】(男性)HPVに感染しないための知識を持つことが重要です。前述のHPVワクチン接種も考えましょう。感染させないように、新たなお付き合いを始める前に、自分の状態をチェックしておきましょう。
https://ilabo-cyto-std.com/onlineshop/item/kit113

【その4】感染していることが判明しても、喧嘩をしてはいけません。ましてそれが原因で別れてしまうのは悲しいです。(男性)「今年もちゃんと検診を受けた?」「進んでいなかった?」と、いつも一緒に考えてあげましょう。

子宮頸がんは女性だけの問題ではない。
感染しても過剰に心配する必要はありませんが、
定期検査を怠らないことが最も大切なのです。
どうしても(病院に行くのが)気が進まない時は、私達の郵送検査をご利用ください。
https://ilabo-cyto-std.com/onlineshop/item/kit001

ある証券マンがアイラボに 何だって? HPV検査をしたいと!

私は、投資とか株式とか全く興味のない人間。
でも、証券マン達だって仕事。
無下に断ることはしないで、一応、短い時間でもお話は聞くことにしています。
多くの場合、私に無料で子宮頸がんや性感染症の講義を受けてお帰りになるのが関の山。
いつも、「今日は良いお話を聞けて良かったね」と言って見送ります。
今日は、ある証券マンのためになるお話を紹介します。

ある証券会社の女性社員にとって私はお客さん。
その女性から、上司(?)の希望で一緒にご挨拶に伺いたいという電話がありました。
私自身、あまり興味のない分野のお客様ですが、快く承諾しました。
約束の日、2人でアイラボに来られました。型のごとく名刺を交換させて頂きました。
「今日はどんな御用でいらっしゃいましたか?」と聞くと。
その上司さん。「女性社員には、アイラボに来る途中の車の中で、今日はビックリする話をするので驚かないでね。と話してあります。」と前置きをしてから、、、、

上司の第一声は「男のHPV検査をしたい」と言う事、、、、?

「エ?、あなたご自身のお話ですか?」と尋ねると、「はい」と。「検査をすることはもちろんたやすい御用ですが、どうされたのですか?」と再度尋ねると。
「お付き合いしていた人が、検診で異形成と診断され、結果的に別れることになってしまいました。教えて欲しいのは、普通の生活をしているだけでHPVというウイルスはうつるものですか?」と聞いてきました。(ある子宮頸がん検診の講演会で、HPVワクチン推進派のチョット名の知れたお医者さんが高校生を前に、「不特定多数の人と性的な行為をするだけでなく、手をつないだだけでもうつってしますウイルスなので、、、(中略)、、、ワクチンを接種しておきましょう」と力説していました。)この公演会に私と一緒に参加した同僚の女性も「え?、、、子供達を前にこんなこと言っていいの?」とあきれ返っていましたが、HPVワクチンの接種は子宮頸がんを予防するためには大切なお話ですが、結果的にこのような立場のお医者さんが、手をつないだだけでも感染するなどと発言することで、医療に対する信頼が低下してしまうのではないか?と感じたことがありました。

話を戻しますが、その上司さんには、「確かにHPVは感染力の強いウイルスですが、健康な皮膚や粘膜に触れても感染は成立しません。目に見えない小さな傷口から感染しますので、日常の生活で知らぬ間に感染していたというのは正解ではありません。」と答えました。

実は、私(上司)、その女性が初めての人だったんです。

「そうですか。実は子宮頸がん検診などで異形成と診断されると、多くの場合直近お付き合いしていた人が疑われてしまい、別れる羽目になってしまうことが少なくないのです。あなたの様に、性的な行為をしたことがない人でもうつされたと疑われ、検査をしてみてくださいと言われますが、既にその方からうつされている可能性が高いのです。
私達は男性のHPV検査を提供していますが、決してそのような目的で提供しているものではありません。子宮頸がんは女性だけの問題ではなく、男性にも子宮頸がんに対する正しい知識をもって頂き、子宮頸がんから子宮を守り、命を守るために一緒に考えて欲しいからです。こんなことを書いていたら職員が一枚のアンケート用紙(検査キットの中に入れてある)を持ってきました。今回検査を受けた目的を書いていただく欄には「これからお付き合いをする人に傷つけたくないから(多分HPVを感染させたくないからという意味)」と書かれていました。このような男性の意識改革こそが私達の目的なのです。HPVの感染は「悪」でも「恥ずかしい事」でもありません。セックスの経験がある人ならだれにでも起こりうることなのです。■HPVワクチンはその感染を予防するもの、■不特定多数の人との接触は感染の危険性が高まる行為、■HPV検査による子宮頸がん検診は危険なHPVの感染があるかどうかを調べる検査、■細胞診による子宮頸がん検診はHPV感染の有無を調べるだけでなく、進行の度合いを推定する検査(例えば、軽度異形成、高度異形成、上皮内癌、といった)、■円錐切除術やレーザー治療はがんになる前に危険な部位を取り除く治療、等々、子宮を守る手段は山ほどあるのです。女性だけでなく、男性も一緒にHPV感染と子宮頸がんの関りを知り、“自分に合った”、“自分たちに合った”対策を一緒に考えて頂きたいのです。

具体的には

■ HPVワクチンの定期接種
世界的に12歳頃始めますが、HPVに感染する前に接種することが大切です。感染してしまってからの効果は6割ほどになってしまうと言われています。性行動は人の尊厳にかかわる行為ですので尊重されなければなりません。しかし、性の発達段階は人や環境によって異なりますので、ある年齢に達したら同時スタートという考えは少し乱暴かも知れませんし、日本の場合、性教育は極端に遅れているため、12歳前後の子供たちにHPVワクチンの定期接種と言ってもその意義を十分理解できないまま“みんながやるから私も”という、「みんなで渡れば怖くない」的感覚で臨んでいるのではないでしょうか?HPVワクチンの定期接種は性教育の絶好の機会なのです。自分は今決められない。もう少し大人になってから考える。そんな子供たちが現れる社会を私は望んでします。
オーストラリアでは男の子もHPVワクチンの定期接種を実施しています。私の孫は米国フィラデルフィアに住んでいますが、お母さん(私の娘)の勧めで中学1年生の時HPVワクチンを接種しました。
■子宮頸がん検診

検診の目的は前にも書きましたが、HPV感染があるかどうか? 病変の進行度合(LSIL、HSIL、など)を推定する検査です。子宮頸がん検診の受診率は44%程で頭打ちの状況です。自己採取型HPV検査の普及で受診率を80%位まで上げたい。そして、男性の子宮頸がんに対する意識改革で子宮頸がんゼロを目指すのが私達の目的です。

この上司さん 女性の健康と活躍を支援してくれるでしょう

この上司さんには、会社で女性の健康についての会議があったら、是非、子宮頸がんのことについて発言してください。きっと一目置かれる存在になりますよ。」と伝えました。

数日後、「男のHPVタイピング検査(ハイリスク+コンジローマ)」の注文が入りました。

細菌性腟症について職員からの質問

このケースなんですけど?
背景に白血球がかなり見られ、腟炎が疑われます。
でも、中央付近の所見が気になるので見て頂けますか?
との事。
中央付近の拡大を上げた写真です
白血球(丸い小さな細胞)と扁平上皮細胞
(緑色に染まる平べったい大きな細胞)が見られます。
その他に、写真中央やや下に、もやもやした塊が見られ、
よく見るとそれ以外の所にももやもやが見られます。
このもやもや腟ガルドネラ菌でいいですか?
それが職員からの質問です。

「どれ、私に標本を見せてください」
(このように質問だれたケースは写真だけでなく、
必ず標本を見せてもらうことにしています。)

改めて標本を見直すと

職員が言うように、
背景には比較的多く白血球がみられ、
腟炎を起こしているようです。
細菌性腟症だと、
一般的には白血球の増加は見られません。
「やはり、腟ガルドネラ菌が少し増えているようだね。」
でも、白血球の増加は何なんだろう、、、?
すると、あるものが目に入ってきました。
拡大を上げてみますね。
写真中央のオレンジ色に染まる細胞の上を
横切るように見えるものがカンジダの仮性菌糸です。
これで、
白血球増加(腟炎)の原因はカンジダであることが判明!

さて、本題の細菌性腟症かどうかについては

私達が日常顕微鏡で観察している標本は、
パパニコロウ標本といいます。
名前の通り、パパニコロウ先生が考案した染色方法で、
先生は女性のホルモンに関する研究をしていました。
そしてある時、先生の目に飛び込んできたのが“がん細胞”
だったかも知れません。
先生は、パパニコロウ標本で、子宮頸がんの検査ができることを発見しました。

ホルモン評価やがん細胞の発見だけでなく、カンジダトリコモナスなどの感染症や細菌性腟症のような腟内フローラの検査にも活用できるんですよ。

細胞診(腟分泌物のパパニコロウ標本)は、「最も安価で」「最も正確な」「婦人科感染症の総合的診断法」だと私は考えています。

アイラボではこの方法を駆使して、
皆さんに郵送検査を提供しています。
郵送検査に使用しているセルソフト
自宅で検査できる採取器具です。
セルソフトで採取した検体は、パパニコロウ染色で分からない事やはっきりしない時にはいろいろな検査を追加することが可能なんです。
だからアイラボの郵送検査は「追加検査が可能」なんです。

話が横道にそれてしまいました。
職員が、腟ガルドネラ菌かどうかはっきりしなかったので、
ごく簡単な、別の染色を追加してみましょう。
パパニコロウ染色より菌がはっきり見えるでしょう。
腟ガルドネラ菌がたくさん見えます。
場所によってはこんなに塊で見えるところもあります。
別の場所では、とても少ないですが、
(太く細長い)乳酸菌の見られます。
はたまた、カンジダの仮性菌糸もこのように見えます。
という事で、
職員が見たもやもや問題は解決できました。
最終的(全体的)には、乳酸菌は極めて少なく、腟ガルドネラ菌が増えていましたので、「細菌性腟症の予備軍的状況(Nugent Score 6)」とし、腟炎の原因としてはカンジダ症が推定されたケースと思われます。

この少女はどんな悩みを誰に相談したのかな?

アイラボのキット購入者が検査をしたい人本人とは限りません。
例えば、お子さんがお母さんに悩みを相談して、
お母さんが購入されるケースもあります。

今回の検査依頼者(検体提出者)は15歳の少女、
アイラボの購入者リストにはない方からの検体が届きました。
いつものように、早速顕微鏡をみてみましょう
白血球が全く見えないきれいな標本です。
この子はどうしたんですかね?
皆さん、この子の悩みの原因分かりますか?

きっと誰かに相談しなくてはいられなかったのでしょうね

彼女はお母さんにこんなことを相談したのでは?
「お母さん、何か、最近いつもと違った“におい”が気になるんだけど」
もしお母さんに相談できたのであれば、
あなたは、おりこうさんです。

お母さんも“おりもの”や“におい”で悩んだことあるからです。

優しいお母さんだね

おかしかったら病院!
そう考えるのが普通です
でも、15歳で婦人科のクリニック?
「あの子どうしたのかね」という視線も気になる?
娘の身になれば、当然敷居が高くなります。
「大丈夫!お母さんもそんなことあったよ」、、で終わることも。
このままにしておくのは心配なことも。
ヘルスリテラシーの高いお母さんだったら
先ずは“自宅で検査”出来る“郵送検査”で
様子をみるか?
そんな判断でしたかね?
私達が郵送検査を始めた理由はここにあります。

結果はこの通り

性病(性感染症)ではありません。
ひどい腟炎でもありません。
もちろん、癌など重大な状況になるものでもありません。
結果は“細菌性腟症”が疑われます。
腟内フローラのバランスが崩れてしまっただけ。
細菌性腟症のこと少し勉強して、
しばらく様子をみましょう。
なかなか改善できなかったら、
オンライン診療という選択肢もあります。

素敵な女性からの電話
男性性器からHPVが検出されたが私がうつしたかも?

「つき合い始めてから半年ほどになりますが、
彼がHPV検査で56型に感染していることが分かりました。
今後の性生活についてご相談をさせて頂きたくて電話しました。
これまで、基本的には最初からコンドームを使用していましたが、
コンドームだけでは完全に感染を防ぐことはできないと聞いていますし、
私からうつった可能性もあります。」

自分からうつった可能性があるという人は少ない

無料電話相談で様々な方とお話ししますが、
「私からうつった可能性がある。」
という方は極めて少ないです。
とても好感が持てるご相談者に私自身幸せな思いになります。

アイラボの無料相談で大半のケースは、
<直近お付き合いしている人からうつされた>
と思うようですが、実は必ずしもそうではありません。

そもそもハイリスク型HPVの感染は男女とも全く無症状

この細胞は別のケースの男性性器から採取しましたが、採取した部位に何ら異常所見は認めません。
淋菌やクラミジアなど、性感染症の多くは感染後数日から数週間以内に何らかの症状が出るため、
「おかしい」と気づきますが、ハイリスク型HPVの感染は全く症状が出ないため、
感染したかどうかは検査をしなければ分かりません。
ですから、これまで性交経験がない人ならまだしも、
経験のある人が「自分が感染していない」とは断言できないのです。
お付き合いしているカップルがワンランク上のお付き合いを始める時、
相手(男性)にHPV検査をお願いするケースが増えていますが、
これから仲良く素敵な時間を過ごすためには、
同時期に一緒に検査しておくことが良いのではないでしょうか?

HPVのことをしっかり学べば子宮頸がんは(全然)怖くはありません。
感染予防や感染してしまっても対策はたくさんあるのです。
先ずは、男女とも自身の今を知ることが大事です。