アイラボの単染色とグラム染色の比較(一部追加しました)

アイラボのFemバランスチェックにはホルモンの状況を観察するためのPapanicolaou染色(子宮頸がん細胞診に用いる方法)とフローラバランスを観察するために単染色という方法を採用しています。通常、腟内フローラの観察はグラム染色という方法を用いていますが、対象となる菌が乳酸桿菌、腟ガルドネラ菌、モビルンカスという3種類で、それぞれが特徴的な形態を示しているので単染色を採用しています。しかし、研究や学術論文にまとめるためのご依頼に対してはグラム染色を採用しています。今回は2つの染色方法による3種類の細菌を観察しましょう。
この写真は単染色で染色しました。黄色い枠で示しているのは細菌性腟症に特有なClue cell(クルーセル)です。細胞に腟ガルドネラ菌が群がっています。赤の矢印で示しているのはモビルンカスという菌で、三ヶ月型が特徴的所見ですが、この写真で細長く見えるのはほとんどがモビルンカスです。細菌性腟症の原因菌はこの2つですので、単染色でも容易に鑑別できます。
これはグラム染色で染めた同一検体です。三ヶ月型のモビルンカスがやや赤っぽく染色されています。右下の黄色い枠の中は腟ガルドネラ菌ですこの標本では赤く染まる(グラム陰性)のが多くなっていますが、青く(グラム陽性)染まっている菌も見られます。グラム染色ではこのように赤く染まったり青く染まったりします。
この写真もグラム染色で染た同一検体です、モビルンカスが多く集まっている所では青く染まったり、赤く染まるものが見えます。教科書的にもグラム陰性であったり陽性と記載されることがありますが、染色条件によって微妙に変化しまう。
この写真は単染色で、乳酸菌と腟ガルドネラ菌を示しています。乳酸菌の仲間は種類や腟内環境によって大きさや形が異なることがありますが、他の菌に比べ大型である特徴を有していますので、単染色でも十分鑑別は可能です。散在性に出現している腟ガルドネラ菌とも容易に鑑別が可能です。
この写真はグラム染色で、乳酸菌と腟ガルドネラ菌を示しています。単染色に比べ染色は鮮やかで、菌の鑑別には優れていますが、先に示した腟ガルドネラ菌やモビルンカスは青く(グラム陽性)染まったり赤く(グラム陰性)染まったりします。また染色の条件によっても変わります。

いかがでしたか?
基本はグラム染色でしょうが、単染色でも全く心配がないこと分かって頂けましたか?

こんなことになっていませんか?

この写真はグラム染色で染めた症例です。青っぽく染まっているのは全て腟ガルドネラ菌です。
腟の中全体が腟ガルドネラ菌に支配されています。おりものや臭いが気になる時は気軽にチェックする習慣をつけましょう。アイラボの商品の中に「オシャレな貴女のパスポート」と命名したキットがあります。お洋服やお化粧などのオシャレと同じように、時にはチェックしてみるのはいかがでしょうか?腟内フローラのチェックは「Femバランスチェック」調べられます。

今企業様からのFemバランスチェックが増えています

その背景には、「女性の健康と社会での活躍を応援しよう」という動きが高まっているような気がします。キャリアーを積んで社会で活躍できる女性を社会が応援しています。頑張るためには「健康」が第一。健康に不安を抱えながらの生活では決して夢をかなえるることはできません。企業様からの依頼に関して、私達にその真の狙いはわかりませんが、アイラボではそんなお客様が増えています。

検査結果報告書に「分からない事/困った時にはお気軽にご相談下さい」
と書いていますが?

私達が日常の業務(子宮頸がん検診の標本)で見ている細胞はこのように見えます。
この写真を良く見ると、針の様な細菌がたくさん見えます。この細菌が(グリーンに見える)細胞を溶かし、細胞の中に豊富にあるグリコーゲン(糖分)を栄養源(エサ)として増えているのです。次の生理の直前(分泌後期)の典型的な写真です。極めて健康的な腟内であることが分かります。
グラム染色という特殊な染色をして観察すると、濃紺に染まる(グラム陽性)細長い菌(桿菌)がたくさん見えます。。これが腟内フローラの主役(乳酸桿菌)です。
ところが、同じ分泌期のケースですが、前の写真とは全く異なり、中央やや右に紫っぽく染まる細胞がみられますが、これはクルーセルといいます。小さな菌が細胞に群がった状態ですが、細胞の上だけでなく写真全面に散らばっています。乳酸菌とは全く違った菌です。
グラム染色した標本で観察すると、細かく(短桿菌)青く染まる(グラム陽性)菌と赤く染まる(グラム陰性)菌が見られます。これこそが(悪玉菌といわれる)腟ガルドネラ菌です。腟内フローラが乱れると腟内はこのように劇的変化を示し、典型的な細菌性腟症のケースです。

どうしてこのような現象が起こるのでしょうか?

簡単に言ってしまえば、何らかの原因で乳酸菌がいなくなったので、代わりに腟ガルドネラ菌が増えた。それではなぜ乳酸菌がいなくなったのか?
■乳酸菌が増えるためのエサ(グリコーゲン)が少なくなった。
更年期になって膣が萎縮するとグリコーゲンをたくさん含む細胞(中層細胞)がなくなるので乳酸菌は増えることが出来ません。
ホルモン補充療法をすれば中層細胞が増えてくるので乳酸菌のエサも増えることになります。
■乳酸菌が増える暇がない。10代後半から20代前半にかけて細菌性腟症は多くなります。この時期は性行動が活発な時期で(ひょっとしたら)乳酸菌が(増える暇がなく)減少傾向になります。それを補う形で腟ガルドネラ菌が増えてくる(これはあくまで私の仮説です)。
対策としては性交回数を控えめにすることで防げるかもしれませんが、一旦バランスが崩れてしまってからはフラジールでの治療が必要かもしれません。乳酸菌サプリでは改善しきれない場合もあるかも知れません。細菌性腟症は30代(子育て中)で一旦少なくなる傾向がありますが、これも性交回数と関係があるかも知れません。しかし、40代になるとまた増えてくる傾向があります。
■腟洗浄は大切な乳酸菌を自ら排除してしまう可能性があります。それと同じように出産により腟の入り口が広くなり、入浴時にお風呂のお湯が腟内に入ってしまい腟洗浄と同じような状況になってしまう可能性があります。腟洗浄は原則お医者さんが必要と認められた時以外はお勧めできません。
ご自分で膣洗浄が必要と考えた時は婦人科を受診すべきと思います。また、入浴時に腟内にお湯が入ってしまう人も婦人科の先生にご相談されるのが良いと思いますが、
しばらく入浴を控えシャワーにしてはどうかと思います。

こんな風に、その人に合った対策が必要ではないか?

私達が実施したアンケート調査によると、オリモノや臭い等、女性特有の症状で悩んだことがあると答えた人は91%に達しています。それだけ多くの女性が悩まれている分けですので、腟洗浄や乳酸菌サプリのみならずフラジールによる治療やホルモン補充療法などたくさんの選択肢があります。どれもが誰にでも効果があるとは思えませんので、自分に合った対策を見つける必要があります。とは言え、一般の方には難しい問題があります。

アイラボの検査報告書には「お気軽にご相談下さい」と

どれだけ皆さんのお役に立てるか分かりませんが、皆さん個々の経緯を伺ったうえで、私達が経験した中から参考になるお話をさせて頂ければと考えています。

最後に嬉しい一例を紹介します
(個人様の了解は頂いています)

最初に拝見した時の細胞診の写真です。典型的な細菌性腟症の所見でクルーセルが見られます。そればかりでなく、この方はかなりの炎症(腟炎)を伴っていました。
グラム染色でも腟ガル後ネラ菌のみで乳酸菌は全く見られません。この方には腟炎を伴っていましたので婦人科クリニックの受診を勧めました。先ずクロマイの座薬で炎症を抑えた後、フラジールで一週間治療しました。途中、菌交代現象によるカンジダ症を併発しましたが。。。。
その後乳酸菌が復活し腟内フローラは正常に戻りました。
問題はそれからです。この方は再発を防ぐため様々な形で生活習慣の改善を試みたそうです。
一番の効果は?、、、と尋ねると、
あわただしい生活習慣をゆったりした時間を持つようにしたことかな?
という返事が返ってきました。

妊活中にしておきたい細菌性腟症のチェック

この細菌は、腟内フローラを代表する乳酸桿菌(Lactobacillus)です。
腟内の糖分(グリコーゲン)を分解して多量の乳酸を作るグラム陽性桿菌です。
性成熟期女性(妊娠可能な女性)の腟内には多量の糖分が存在するため、活発に増殖して腟内の酸度を高めることで、腟内に侵入した他の菌の増殖を抑えているのです。
この神秘的な営みを腟の自浄作用と言います。
これは分泌期(生理直前)にみられた乳酸桿菌ですが、枝分かれしたもの、湾曲したもの、長いもの、短いものが混在しています。
この菌もLactobacillus属の一種で、2股に分かれることから分岐乳酸桿菌などと呼ばれるビフィズス菌Bifidobacterium bifidumで腟内によく見られる菌です。
腟内フローラは乳酸菌だけでありません。細菌性腟症の原因菌の一つである腟ガルドネラ菌(悪玉菌)も実は健康な腟内に生息しています。何らかの原因で腟内環境が乱れると、乳酸菌の代わりに腟ガルドネラ菌が増えて、腟内を支配するようになります。悪玉菌と言われていますが、(私は)必ずしもそうではなく、少なくなってしまった乳酸菌の代わりに腟内を守っているのかも知れません(腟ガルドネラ菌も乳酸菌ほどではありませんが乳酸をつくるのです)。でも、腟ガルドネラ菌が増えてくると“嫌な臭い”になるのです。そればかりではありません。早産や流産の原因になると言われているのです。
それでは、腟ガルドネラ菌に支配されている腟内を見ることにしましょう。
先の3枚の写真と同じ倍率で撮影しています。
健康な腟内にあれだけたくさん見られた乳酸菌の仲間は全く見られません。
この写真で見られるほとんどが腟ガルドネラ菌です。青く染まる菌に目が行きがちですが、赤く染まっているのも同じ腟ガルドネラ菌です。
腟内がこんなに劇的に変わってしまうのです。
乳酸菌の仲間がたくさん住み着いている時の腟の酸度Phは3.5程の強い酸性ですので、酸味の強い臭いですが、腟ガルドネラ菌の世界になると4.5以上になり、不快な臭い(魚臭帯下=生臭い臭い)になり、多くの方は“嫌な臭いになった”と実感されます

細菌性腟症と早産について勉強しましょう

日本性感染症学会2008年ガイドラインの一部を引用します。
『妊婦の細菌性腟症は、絨毛膜羊膜炎、正期前の低出生体重児、産褥子宮内膜炎などと関係がある。特に、妊娠後期に細菌性腟症が起これば、早産、新生児の肺炎、髄膜炎、菌血症などの感染症の原因になる。』と記載されています。
早産とは、妊娠22週から37週までの分娩を言いますが、昨年2025.12.20-21名古屋市で開催された日本性感染症学会第36回学術大会にアイラボの尾野緑氏が出席し、拝聴した講演を紹介しましょう。そのタイトルは「妊婦初期BV対策がもたらす超早期予防効果:北海道と全国、11年間の比較」です。
その講演の概略は以下の通りです。
1991年から、北海道の早産のリスクを減らすため、妊娠12週前にBV(細菌性腟症)検査を実施し、BV例を治療してきました。2012年度は67.1%の施設で妊婦全例に検査と治療を実施し、2019年4月からは妊娠時BV検査が全例公費負担になりました。今回の発表は、2013‐2023の間の北海道と全国における早産(37週まで)率と超早産(28週まで)率の推移を比較しました。その結果、超早産率は全国より低くなり、BV検査と治療の効果があったと結論付けています。胎盤における絨毛膜羊膜炎の発生率は妊娠22‐26週で60%、32‐34週で20%へと徐々に減少するとの報告があり、BV検査と治療により、超早産減少へ寄与したとしています。

妊活中にしておきたい細菌性腟症のチェック

私達の専門は婦人科細胞診です。
つまり、婦人科の先生が採取した検体を特殊な染色をして顕微鏡で異常な細胞がないか調べています。そんな中に、かなりの頻度で細菌性腟症に特有なクルーセル(下の写真)が出てきます。また、本来存在するはずの乳酸菌が見られないケースなど、細菌性腟症(BV)が疑われるケースは決して少なくないのです。アイラボに検査を依頼される病院やクリニックの先生方には「細菌性腟症が疑われます」とのコメントを記載しますが、他の検査機関ではそのような所見が見られても「記載しない」施設は少なくありません。とても残念なことですが、「嫌なな臭いが心配」だけではなく、早産予防の観点からも細菌性腟症に関する知識を高めて欲しいものです。
写真は典型的な細菌性腟症を疑うケースです。
写真中央左の細胞がクルーセルです。

アイラボのFemバランスチェックで気軽に検査してみましょう

おりものと臭いが気になっていたので
Femバランスチェックを受けたところ

21歳女性で、おりものや臭い、そして痒みがあり婦人科を受診しました。
その結果、カンジダ症と診断され薬を処方して頂きましたが、なかなか改善した感じがないので、アイラボの「おりもの&においの検査」を依頼されました。この方は、受診した際特に検査はされた記憶はないとのことです。痒みがあるのでカンジダ症と診断だったかも知れません(その辺は依頼者の申告通りに記載します。)
それでは早速顕微鏡で見てみましょう。
先ずは、弱拡大で腟内の状況を見てみましょう。

白血球はそれほど多くなく、比較的きれいな状況かな?、、、、と思いますが?
この時点で、明らかなクルーセルを認めますので、
細菌性腟症が疑われます。

中央付近の拡大を上げてみると。
写真全体に紫色に染まるモヤモヤしたものが見えます。
さらに右上にやや赤紫色に染まる細胞がみられます。
これをクルーセルといいます。
腟ガルドネラ菌がオレンジ色に染まる細胞に群がっている所見です。
この細胞は細菌性腟症に特有なもので、細菌性腟症が疑われる最も重要な所見です。
これがクルーセルです。

更に別の部位を拡大してみましょう。
中央付近に、緑色に染まる小さな細胞が数個見られます。
チョットわかりにくいので、さらに拡大を上げると。
やや濃く緑色に染まる細胞が分かりますか?
この細胞には核が見えます。
、、、、ということで、
この小さな細胞はトリコモナス原虫です。
画面全体に紫色に染まる顆粒は腟ガルドネラ菌です。

カンジダの治療で改善されなかった原因。
分かりましたか?

今回のケースをまとめてみましょう。
最初はおりものの異常(白っぽいおりものの増加と生臭い臭い)と若干痒みがあったようです。
白っぽいおりものはカンジダ症の特徴です。
生臭い嫌な臭いは細菌性腟症の特徴です。
痒みはカンジダ症、腟トリコモナス症、細菌性腟症、HPV感染の初期、かぶれなどいろいろな原因で起こります。

病気に特有な症状からみてみましょう。
カンジダ症は白っぽいおりものの増加と痒みを伴います。
細菌性腟症は白から灰色のおりものの増加と生臭い嫌な臭いが特徴です。
膣トリコモナス症は黄色いおりものと痒みが主な症状です。

症状だけで診断するとカンジダ症と細菌性腟症は間違いやすい

今回のケースはさらにトリコモナスの感染がありました。腟トリコモナス症は一般に黄色いおりものが増加します。その原因は強い腟炎を伴うため白血球が増えるからです。白血球はトリコモナス原虫と戦って死にます。それが膿です。
おりものが黄色くなるのはそのためです。
しかし、今回のケースは最初の写真で示したように白血球の増加はみられません。
「腟トリコモナス症で白血球が増えないケースがある=おりものが黄色くならないことがある」

細菌性腟症とカンジダ症はお医者さんもよく間違えます。
白っぽいおりもの、(強弱はあるが)痒み嫌な臭いは細菌性腟症だけでない(カンジダ症でもトリコモナス症でも強烈な臭いを伴うことがあります)。
症状がよく似ているので間違いやすい上に、細菌性腟症のことをよく知らない先生もいらっしゃるようです。

Eさんから読者の皆さんへのメッセージ

9月6日投稿の
「高度異形成でレーザー治療を受けた後おりものと臭いに悩まされたEさんのその後」
を読まれたEさんから読者の皆さんにメッセージが届きました。

頂いた記事をそのまま投稿いたします

ブログ拝見しました!

【椎名先生の記事を読んでのコメント】
今回、自分の腟内の細胞を採取し、半年以上にわたって経過を見てきました。初めて「細菌性腟症」とわかったときは驚きはありませんでした。というのも、自分でもおりもののにおいや状態に違和感を強く感じていたからです。

悪化してしまうことは予想していたものの、人に会うときに「臭いと思われたら嫌だな」という気持ちから、おりものシートや、時には腟シャワーで対応していました。おりものシートや腟シャワーは、腟内の状態を悪化させることは理解していましたが、応急処置として手放せなかったのが正直なところです。

性行為の回数は以前より減りましたが、同じ頻度でも以前はもっとおりものの状態が悪かったように感じます。個人的な実感としては、記事にもある通り「ストレスをためすぎない環境づくり」がとても大切だと思います。免疫力が下がると症状が悪化する実感がありました。また、おりものを観察することも大事だと気づきました。気にしすぎは良くありませんが、状態が変わったときに「無理していないかな?」「生活習慣に原因がないかな?」と振り返ることで、日常のセルフケアにつながっています。

正直、検査キットを使うことは最初は馴染みがなかったのですが、自分の健康を自分で守り、コントロールするには欠かせないものだと実感しています。それができるのは、アイ・ラボさんの精度の高い検査キットだからこそだと思います。

これから妊活も視野に入れているので、不妊につながるようなリスクは早めに見つけて対策していきたいです。

以上

高度異形成でレーザー治療を受けた後
おりものと臭いに悩まされたEさんのその後

「子宮頸がんの前がん病変である高度異型扁平上皮内病変(HSIL)の治療目的にレーザー治療を受けました。
その後、おりものの異常や臭いが気になるようになり、腟内フローラの検査を受けました。」という女性から、同じようなことで悩んでいる人は少なくないのではとのことで、私のブログで紹介させて頂くことになりました。
Eさんは2024年11月以降度々検査を受けていますので、主な出来事を抜粋してご紹介させて頂きます。
これが最初の検査時の画像です。
全体に白血球の増加が見られ、
写真中央には細菌性腟症に特有なクルーセルらしきものが見られます。
拡大を上げてみましょう。
やはり典型的なクルーセルです。
従ってこの時点で細菌性腟症が疑われます。
グラム染色を見てみましょう。
このように乳酸菌は見られず、腟ガルドネラ菌が腟内を支配している状況ですので、Nugent Scoreという方法で評価すると「8」という数値になり、明らかな細菌性腟症になります。

フラジールによる治療の結果、膀胱炎に

膀胱炎で血尿が出て驚き!
腟内も白血球が増加し、軽度の炎症像を示しています。
拡大を上げると、細胞の背景に腟ガルドネラ菌が増えています。

今度は、カンジダ症に悩まされ

そしてしばらくするとカンジダ症に見舞われました。
菌交代現象です。

しばらく様子をみることにすると

背景に腟ガルドネラ菌はいますが、太く長い乳酸菌も増えてきました。
やっとうれしい状況になってきました。

外食を減らし、不要不急の用を減らし、
体が無理をしていない環境を続けていたら

そして約3カ月が過ぎて久々に調べてみると、パパニコロウ染色でもこのように明らかな乳酸菌が増えていることが確認されました。この間、特に治療はしていないとの事。無理をしない比較的穏やかな環境が良かったのではないかとご本人。
取り急ぎ、単染色という簡単な方法で確かめてみると、明らかな乳酸菌!
やったね!頑張った甲斐がありました。
良かった。良かった。
こんな嬉しいことはありません。
ご協力ありがとう。
Eさん。

陰部に痒みがあり腟内フローラチェックを受けた

病的な原因で陰部に痒みを訴えるのは。
1)カンジダ症、2)トリコモナス症や他の感染症でも、
炎症(白血球が増えている)を伴う場合、かゆみを訴えることがあります。
実はそれだけではありません。
細菌性腟症や、HPVの感染初期にも訴える人がいます。
さて、今回は陰部のかゆみを訴えた人の原因を紹介します。
早速顕微鏡をみてみましょう。
腟内フローラの検査(Femバランスチェック)の標本は、
少し濃い目に染色しています。
若干白血球(ゴマのように見える小さな細胞)が増えているようですが、
病的=腟炎というところまで行っていません。

拡大を上げてみてみましょう。
中央やや左側に紫色に染まる雲の様な構造を認めます。
これはおそらく菌の塊ではないかと思います。
細菌性腟症の典型的な例は、細胞の上に腟ガルドネラ菌が群がる現象(クルーセル)を認めます。
しかし、このケースはクルーセルは見えません。
アイラボではBV-1に分類しています。
典型的な細菌性腟症より軽度なのか?予備軍的状況なのか?
と思っていますが、BV-1のケースも乳酸菌は見られませんので、
Nugent Scoreはクルーセルが存在するケースと変わりません。
従って、私達はこの写真で細菌性腟症を疑います。

念のため、他の染色でも確かめてみましょう。
単染色という方法で染めた写真です。
腟ガルドネラ菌のみで乳酸菌らしき大型の菌はほとんど見えません。

細菌性腟症でもときに痒みを訴える方がいます。

ということで、症状だけで診断しようとすると、カンジダ症と誤ってしまう事があります。
面倒でも、細菌性腟症の検査も取り入れて頂く事お勧めします。

膀胱炎治療後思わぬ事態に困り果てている

アイラボの無料相談で最も多いのは男性のHPVに関するものですが、次いで多いのは女性のおりものや臭いに関するご相談です。アイラボが昨年東京ビッグサイトで開催されたFem+(フェムプラス)に参加した際に実施したアンケート調査「おりものや臭いで悩んだことがありますか?」との質問に、91%の人があるとこと答えています。
今回紹介するケースは、膀胱炎の治療のために処方された抗生物質を服用後、白いボロボロとしたおりものが出て、腟カンジダ症と診断されました。先生にカンジダの治療薬を何度も処方されましたが元のようにはなりません。病院もいくつか変えて治療して頂いていますが改善の兆しがなく、現在大量の腟錠を処方され、自身の判断で使用するように言われています。
こんな状態を何とかしたいと思い、アイラボさんのFemバランスチェックを受けました。
この様な悩みを抱えていますが、腟カンジダ症と細菌性腟症は症状が似ているためか、カンジダの治療薬を処方し続けてしまうようです。
以下に同じような記事を紹介します。
https://ilabo-cyto.co.jp/blog/article.html?page=114
https://ilabo-cyto.co.jp/blog/article.html?page=117
https://ilabo-cyto.co.jp/blog/article.html?page=100
https://ilabo-cyto.co.jp/blog/article.html?page=81
https://ilabo-cyto.co.jp/blog/article.html?page=203

さて今回のケースを顕微鏡で見てみましょう

アイラボの標本としては少し濃い感じで染色されています。
それは、乳酸菌やカンジダを見落とさないように、故意に濃く染めています。
弱拡大で観察するととてもきれいです。
そして白血球もほとんど見られないので、腟炎は起こっていません。
弱拡大で見てもカンジダらしいものはいません。
また、乳酸菌もいません。
ただ中央部分に気になる所見が見られますので拡大を上げてみましょうね。
中央やや左に細胞が紫色に染まっています。
これはクルーセルといって腟ガルドネラ菌(紫に染まる)が細胞にまとわりついているからです。
クルーセル以外にも紫色のモヤモヤは腟ガルドネラ菌です。
拡大を上げても、カンジダや乳酸菌を見ることはできません。
典型的な細菌性腟症です。
カンジダの治療ではこの状態は改善されません。
正しく診断して、適正な治療が望まれるケースと思います。
細菌性腟症と診断されれば、フラジールという抗生物質が選択されます。

心配な時は先ずはトライしてみてください。

オリモノがイカ臭いという悩み、結構多いようです。

おりものの臭いが気になる人で、具体的にイカ臭いと表現される方は結構多いようです。
細菌性腟症の自覚症状として“魚臭帯下=魚の生臭い臭い”という表現がありますが、私達のこれまでの経験で、イカ臭いと表現された多くは魚臭帯下を指しているものと思われます。

オリモノや臭いといった女性特有の悩みを経験した人は91%

昨年の10月に開催されたFem+(フェムプラス)の展示会(東京ビッグサイト)に出展した際にお客様にアンケート調査を実施しましたが、なんと、91%の方が、過去に悩んだことがあると回答しました。
展示ブースでこのようにアンケート調査を実施したところ、
最終的には91%の人が悩んだことがあると回答しました。
他の調査でも
84%の結果を示しています。
このような不快な悩みの原因は様々です。
私達が検査を行う現場では、時に、強烈なな臭いおため、「窓を開けて」、、、と言いたくなるようなことがあります。しかし、その方の自覚症状の欄を拝見しても「臭いは気にならない」と回答している例もあります。
自分では気づかないことも多いようです。
原因となる疾患は、■進行した子宮がん(最も強烈な臭い、最近このようなケースはほとんどありません)、■トリコモナス腟炎(性感染症)、■カンジダ腟炎(性感染症ではありません)、■萎縮性腟炎(性感染症ではなく、婦人科の先生方から細菌性腟症の検査依頼が多いケース)、■淋病やクラミジア感染症(性感染症)、■腟炎(原因不明、調べてみるとマイコプラズマやウレアプラズマが検出されることが多い)、■細菌性腟症(性感染症ではありませんが、毎日のように、しかもかなりの頻度で遭遇しています)
と言うことで、多くの方が悩む原因は細菌性腟症なのです。
これまで何度も同じような写真を投稿していますが改めて腟内をみてみましょう。
細長い針のように見える細菌、これらは“腟の守り神乳酸菌”です。
腟内の糖分(グリコーゲン)をエサにして活発に増えることで、
腟内を酸性にして肛門から侵入する細菌の繁殖を防いでいます。
典型的な細菌性腟症の細胞像です。
細菌性腟症は腟炎を起こさないため白血球は少なく、
見た目はとてもきれいですが、腟ガルドネラ菌が細胞に群がっています。
これをクルーセルと言いますが、細菌性腟症の特徴的所見です。
萎縮性腟炎のケースです。
更年期の後期になると、エストロゲンや黄体ホルモンの分泌がなくなります。
すると腟内は萎縮するため乳酸菌のエサとなるグリコーゲンもなくなりますので、
酸度が低下し防御機構も弱くなり、萎縮性腟炎になりやすいのです。
婦人科の先生方は臭いが気になるのでしょうか?
細菌性腟症の検査依頼が多くなります。
これは腟カンジダ症です。
白っぽいオリモノが特徴で、強いかゆみを伴うのが特徴です。
時に、異臭を伴うこともあり、強いこともあります。
婦人科医は検査をしないと細菌性腟症ではないかと間違えることもあります。
これは腟トリコモナス症です。
黄色いオリモノが特徴で、かゆみを伴うこともあります。
臭いもかなりきついことがあり、細菌性腟症と間違えることもあります。

だから検査してはっきりさせなくてはなりません

症状だけではお医者さんも間違えますので、“最近いつもとちょっと違う”と感じた時は、
おりもの&臭いの検査で早目にチェックしておきましょう。

おりものの臭いが気になりますか? Yes と No の細胞像

今日は5月の2日、ゴールデンウイーク中とあって、アイラボは検体も少なくのんびりムード。
今日のFemバランスチェックの検査は2件です。
検査依頼書には症状など、5つの質問事項があります。
①オリモノの臭いは気になりますか?
②オリモノの色は?
③陰部に痒みがありますか?
④今年子宮頸がん検診を受けましたか?
⑤その結果は?
検査を依頼される方の自覚症状と検査結果が驚くほど一致している項目があります。
①、②、③どれだと思いますか?
早速見ていきましょうね。
EさんとSさんとします。

最初に染め上がってきたのは単染色という細菌を染めた標本です。

比較的太く、長い棒状の桿菌が細胞に群がっています。
ほぼ全てが乳酸菌です。
腟内フローラを代表する善玉菌です。
この菌は腟内の糖分をエサとして活発に増えます。
糖を分解すると酸ができます。
腟内を強い酸性にすることで他の菌の増殖を抑えています。
腟の自浄作用といいます。
この状態ではオリモノの臭いは気になりません。
次に染め上がってきたパパニコロウ染色標本(子宮頸がん検診で使われる染色)です。
こちらの標本は細胞の顔つきを見るのに適しています。
薄い緑色に染まる大きな細胞は中層細胞と言い、糖分(グリコーゲン)をたくさん含んでいます。
排卵期以後黄体ホルモンの影響が強くなると腟の表面はこの細胞で覆われます。
ということで、Eさんが細胞を採取した時期は「多分」月経の前になります。
この染色では乳酸菌は観察しにくいですが、細い針のように見えます。

次にSさんの標本を見てみましょう。

Eさんに見られた大型の桿菌は全く見られません。
小さな短い桿菌(短桿菌/球菌様桿菌)が細胞の上に群がり、細胞以外の所にも見られます。
パパニコロウ標本でも同じような所見が観察されます。
中央には細胞に腟ガルドネラ菌が群がったクルーセルも見られます。
Sさんは細菌性腟症の典型的な例です。
このようなケースでは、多くの方が
「オリモノの臭いが気になる」
とコメントしております。

正解は①

「おりものの臭いが気になる」=細菌性腟症が疑われます。
このケースが圧倒的に多いです。

皆さんもおりものの臭いが気になる時は
Femバランスチェックでチェックしておきましょう。