HSIL(高度扁平上皮内病変)で治療後の心配事
  (オリモノのにおいが心配になった)

3年程前になりますが、高度異形成でレーザー治療を受けた方からの相談がありました。(私達は治療に関しては専門外である上に、医師法や薬事法に抵触しかねない内容もありますので、先ずその旨をお伝えしたうえで対応しています。)ご相談の内容は2つあり、その一つは「治療後おりものや臭いが気になるようになった」、もう一つは「治療したが、パートナーがHPVに感染していたらまたうつてしまうのではないかと不安」というものでした。その後も同様のご相談は時々ありますが、実際医療の現場ではどうなっているのでしょうか?

今まで経験したことがない臭いが気になっている

おりものや臭いで悩まれている人は決して少なくありません。ご相談の中には電車や職場で周りの人にも気づかれていないか心配という方もいます。実際私も同僚と旅をした際、電車内で『この人細菌性膣症なのかな?』と同僚と目を見合わせたことがあります。私達の郵送検査では、気になる症状や検診歴などいくつかの質問事項があります。臭いが気になると回答している方の多くが細菌性膣症である反面、検査中に強い臭いのため「窓を開けて!」と言いたくなるようなケースでも「臭いは気にならない」と記載されることもあります。自身の臭いに関する感覚はかなり個人差があるように思えます。
私のブログを見ていてくれる方はこの写真が細菌性膣症であることは一目瞭然ですね。
グラム染色という方法で染めてみると青(グラム陽性)や赤色(グラム陰性)に染まる膣ガルドネラ菌がたくさん見られます。下の写真のような乳酸菌は全く見られない典型的な細菌性膣症です。

臭いの原因は細菌性膣症だけではありません

私達は手術と細菌性膣症の関係を調べたわけではありませんが、通常の細胞診業務の中でレーザー治療や円錐切除術をされた方のフォローアップ検体で細菌性膣症に遭遇します。あくまで推測の域は出ませんが、治療に伴い一時的に乱れた膣内フローラが元に復帰できない状態でいるのではないか?、、、などと考えています。
このケースは細菌性膣症でしたが、臭いの変化はそればかりではありません。以前掲載したような子宮頸がん(初期浸潤がん膣カンジダ症、膣トリコモナス症など、原因は様々ですので、“いつもと違う”と感じた時には我慢せず、自分でチェックしてみましょう。

悩んでいても解決にはなりません 先ずは

性感染症の心配がない方は こちらが

このキット(Fem バランスチェック)は膣内フローラに影響を及ぼすホルモンの状態を一緒に調べます。例えば、生理周期においても、排卵から次の月経までの間(分泌期)と月経が終わってから排卵まで(増殖期)では下の写真のように乳酸菌の量は全く異なります。また、更年期になるとホルモン量の低下で乳酸菌の餌となる糖分が膣内で減少するため、乳酸菌は見られなくなります。
月経が終わった後は数は少なく、小型の傾向があります。
月経前(分泌期後期)は乳酸菌がたくさん見られ大型になる(デーデルライン桿菌)傾向があります。
更年期で膣内が萎縮すると乳酸菌は見られなくなります。
ホルモンの状態と一緒に見ることで、膣内フローラの違った見方ができますね。
例えば最後の画像は乳酸菌「4(全然見られない)」、膣ガルドネラ菌「0」、モビルンカス「0」ですので、ニュージェントスコア(NS)は「4」になります。NS=4は(中間群)と評価され、アイラボの評価でも(やや乱れている)になります。しかし、膣内が萎縮傾向になった時は乳酸菌の餌がないので乳酸菌は最初から存在しないのです。ですからスコアだけを見れば中間群となりますが、生理的には正常なのです。これをどう考えるのか?餌がないのに乳酸菌だけを補充しても意味がないですね。ホルモン補充療法をすると膣内の細胞は若返り、乳酸菌の餌が増えてきますので、当然膣内環境は良くなってきます。ただし、ホルモンは良いことばかりではありません。子宮内膜の状態(がんにならないか)を時々チェックする必要がありますので、婦人科の先生と相談しながらの対応となります。膣内フローラの乱れで悩む方は、改善のためいろいろチャレンジされていますが、その効果を時々チェックされると安心です。そんな時、このキットはきっとお役に立つと思います。



2つ目の質問については次回掲載いたします。