カンジダ症? 細菌性腟症? 悩んだ結果先生はどうしますか?

婦人科の先生方が日常の診療で、
これはカンジダ?、、、細菌性腟症?そんなことよくあると思います。


2022年12月21日の記事
「患者は診断できているのに!」

2023年5月13日の記事
「先生!カンジダではなくBVです」

2023年5月21日の記事
「婦人科医からの細胞診依頼書にBV suspの記載」

2022年12月21日の記事では、
【患者さんは細菌性腟症を疑い婦人科を受診しましたが、先生からカンジダの治療薬が処方されました。
その薬は服用せず、アイラボの郵送検査を受けたら、カンジダではなく細菌性腟症であった事例でした。】
このケースは、患者さんが主治医にアイラボからの結果を見せると、快くフラジールを処方して頂け、
患者さんは大変喜んでいました。

ある細胞診専門医にこの事例をお話すると

『いちいち検査をするのも面倒なんだろうな?
最近(特に)、細胞診報告書に「余分なことは書かないで!」
というクリニックや検診機関があり、
検査機関によっては細菌性腟症は報告書に反映させない所が多いようです。』
そんな言葉が返ってきました。
どうやら、患者や受診者に質問されても担当者が答えられなく、
(面倒!)なのかも知れませんね。

でも婦人科の先生によっては細胞診検査依頼書に

「カンジダ?」
時々こんな記載があります
先生は多分、“カンジダだと思うんだけど???” そんな思いなのかも知れません。
それを見た私達細胞検査士は、
先生がカンジダ症を疑っている以上、標本をくまなく観察します。
カンジダが確認できない時は「カンジダはみれれません」
とコメントします。
しかし、時にはたくさんのクルーセルが見えていることもあります。
「先生!カンジダ症ではなく、細菌性腟症ですよ」
と記載してあげるべきと思いますが、それを記載しないルールの検査機関もあります。
なんとも歯がゆい思いです。

当然のことですが、アイラボでは細菌性腟症が疑われるケースは、
「Bacterial vaginosisが疑われます。」と記載し、
更に、腟炎を伴う(白血球が増加している)ケースはBV-3
典型的なクルーセルを認め、炎症を伴わない(典型例)ケースはBV-2
クルーセルは見られないが標本背景に腟ガルドネラ菌がみられる時はBV-1
として報告しています。
あえてBV-3としたのは、腟ガルドネラ菌を退治するだけでなく、
炎症を起こしている原因も治療する必要があるからです。
白血球が増加し、炎症像を伴う細菌性腟症BV-3
クルーセルを認め、炎症像を伴わない典型的な細菌性腟症BV-2
クルーセルを認め炎症像を伴わない典型的な細菌性腟症BV-2
クルーセルはなく背景に腟ガルドネラ菌BV-1
このケースも背景に腟ガルドネラ菌BV-1としています。
BV-1もBV-2もNugent scoreで評価すると多くの場合7以上を示します。

細菌性腟症の検査・治療を積極的にお考えな先生大歓迎

細胞診の検体で積極的に細菌性腟症の報告を望む先生方、
ご連絡いただければ幸いです。
042-652-0750

今日は桃の節句
先日地方議員さんからの嬉しい電話

日曜日の夕方、アイラボの営業活動を行っている仲間に、アイラボのHPV検査の特徴などを説明し、さあ帰ろうかと思っていた時、電話が鳴りました。
「アイラボです。私は所長の椎名ですがどうかされました?」と質問すると、
「ヘムシアのケアラクトは椎名先生が作っているのなら購入したいと思いました。
地方議員なので、近くの婦人科には顔が知られているので行き難いけど、頑張って行ってきました。
婦人科で細菌性腟症と診断されフラジールと〇〇という薬を処方されれたのですが???、、、、、」


「大変失礼ですがおいくつになられますか?」と伺うと、50代半ばとのことでした。
腟内フローラ(乳酸菌)は腟内のグリコーゲン(糖分=乳酸菌のエサ)を栄養源にしていますが、閉経後腟内が萎縮するとその糖分が少なくなるため、乳酸菌の数が減り腟内の酸度が下がります。そうすると、細菌性腟症や萎縮に伴う腟炎を起こしやすくなります。
この写真は腟の粘膜を構成する細胞達です。大きなオレンジ色の細胞は粘膜の最も表面にある細胞なので、表層細胞といいます。大きな緑色の細胞は表層細胞の下にある細胞で中層細胞といいます。そしてそれらよりやや小型で丸みを帯びた細胞は旁基底細胞といい、幼児期や閉経してホルモンの影響がなくなると見られます。
つまり、表層細胞はエストロゲン(卵胞ホルモン)の効果を反映し、中層細胞はプロゲステロン(黄体ホルモン)の効果を反映し、それらのホルモンの影響がなくなると旁基底細胞が粘膜の表面に露出し、粘膜は薄くなり(萎縮)ます。
こちらの写真は、若干前の写真に比べ拡大を上げていますが、全て旁基底細胞です。
閉経後徐々にエストロゲンやプロゲステロンが減少すると、このように旁基底細胞だけになります。婦人科細胞診ではこのような所見になった時、萎縮した状態といいます。
特に中層細胞には、乳酸菌の餌となるグリコーゲンが豊富に存在しますが、旁基底細胞にはグリコーゲンがが無いので、抵抗力が弱くなり腟炎を起こしやすくなるのです。

萎縮性腟炎はこうして起こります

白血球の増加は軽度で、ごく軽度の萎縮性腟炎です。
高度の萎縮性腟炎です。
萎縮性腟炎の症状としては腟の乾燥感、外陰部のかゆみ、痛みの他に白血球が増加し異臭と黄色味を帯びたおりものが増加し、不快な症状になります。そのような症状は性感染症(トリコモナス、淋病、クラミジア感染、など)と同じであるため、精神的に不安になります。
しかし、おりものや臭いといった女性特有の悩みはそれだけではなく、妊娠した時に起こるカンジダ症や腟内環境の乱れからくる細菌性腟症など原因は様々です。
昨年10月東京ビッグサイトで開催されたFem+(フェムプラス)「女性の健康と活躍を支援する展示会」で行ったアンケート調査では、なんと91%の女性がデリケートゾーンの悩みがあったと答えています。

だから女性特有の悩みは決して議員さんだけではありません

我慢されているより、早くクリニックを受診した方が良いと思います。
でも言うは簡単ですが、女性にとって婦人科の敷居は高いものです。
私が郵送検査を始めた理由の一つは恩師である婦人科医故八田賢明先生(松戸市)が言われた
「椎名君、女性はお産以外に私達のとことには来たくないんだよ。それで子宮がんや不妊症で手遅れになってしまうことが多いんだよ。自分で採取しても精度の高い検査を考えてくれよ」の一言です。

ご相談の議員さんのように、お住まいの近くのクリニックとなればさらに敷居は高くなります。
同じことは芸能人の皆さんの様にたくさんの人に顔が知られた人は大変だと思います。
そこで「ヘムシアのケアラクトは椎名さんが作ったのであれば購入したいのですが?」ということに至ったようです。私にとっては大変光栄なことですが、残念ながら私が作ったわけではありません。

世の中にはたくさんのサプリが出回っていますが、その効果の程はよくわかりません。
その効果を自分で試すことができる検査キットをサプリと同時に販売することに挑戦したドウシシャさんの姿勢に感銘を受け、応援している次第です。

議員さんには、まず現在の状況を知るために「Femバランスチェック」というアイラボの検査キットをご紹介しました。この検査キットは「腟内フローラバランス(乳酸菌、腟ガルドネラ菌)やカンジダの有無、腟炎の有無、更にホルモンバランスをチェックするもの」を総合的に調べることができます。この検査をすることで、細菌性腟症があるのか?、腟炎を起こしているのか? カンジダ腟炎(性感染症ではありません)があるのか? ホルモン環境(萎縮しているのか、ホルモン活性があるのか)はどうなっているのか?を知ることで今後の対応が分かれてくるからです。

この検査の他にアイラボには「オリモノ&臭いの検査」があります。この検査には「淋菌、クラミジア、トリコモナス、カンジダ、細菌性腟症、腟炎」と、性感染症を含めた検査ですが、すでに議員さんは受診されたクリニックでこれらの検査が済んでいるとの事でしたので、Fem バランスチェックをお勧めした次第です。

同じ境遇の皆さん、先ずは、お気軽に相談して下さい

女性特有の悩みは誰もが抱えている悩みです。
決してあなただけではありません。
近くの人に相談してみてください。
実は私も、、、が現実です。
一人で抱え込んでしまうと取り返しのつかない事態になることも。
細菌性腟症は命にかかわりはありませんが、
子宮頸がんや他の病気が潜んでいることもあるのです。
この議員さんには検査の結果が出たら是非相談して欲しいのですが?

これが典型的細菌性腟症だが、このケースも!

細菌性腟症は病気?
私達(アイラボ)は、細菌性腟症は病気というより腟内正常細菌叢(Normal bacterial flora:腟内に生息する微生物群で、その代表格が乳酸菌です。その他にも腟ガルドネラ菌など、いくつかの菌がある一定のバランスで住み着いている状態)が何らかの影響でバランスを失い、善玉菌といわれる乳酸菌が減少し、悪玉菌といわれる腟ガルドネラ菌が増えてしまう状態と考えています。その原因は様々ですが、善玉菌が失われる行為(例えば抗生物質による治療や過度な性行為)、または善玉菌が増え難い環境(乳腺菌の餌となるグリコーゲンの減少:更年期になると腟の粘膜は萎縮し本来グリコーゲンをたくさん保有する細胞が少なくなったり消失する)が考えられます。
このケースは、薄緑色に染まる中層細胞(大きな薄っぺらな細胞)が主体ですが、中央やや左の細胞には灰色に染まる細かな細菌(腟ガルドネラ菌)が群がっています。この細胞はClue cell(クルーセル)よいって、細菌性腟症に見られる特徴的な細胞です。細胞以外の部位にも腟ガルドネラ菌が沢山見られます。乳酸菌は全く見られないこの状況が、典型的な細菌性腟症の腟内です。白血球は5‐6個見られますが、腟炎を起こしている状況ではありません。腟炎を伴わないことも細菌性腟症の特徴なのです。
この現象を私的にみると、「何らかの原因で乳酸菌がいなくなったので、代りに俺(腟ガルドネラ菌)が腟内を守ってやるよ」と言っているようにも見えます。淋菌の様な本物の悪玉菌の感染なら、白血球が大量に出動して戦うのにその気配は全くありません。「数は少ないけどいつも住み着いている奴(腟ガルドネラ菌)だから攻撃の対象ジャーねーよ」って言ってんのか?」はたまた、「乳酸菌の代わりに(腟ガルドネラ菌が)腟内を守ってくれているのだから攻撃なんてもってのほかだよ。」と言っているのか?
細菌性腟症は本当に分かりにくい!!!

でも、はっきり言えることは「嫌な臭いの原因はお前のせいだ!」って事は確かだ!
お前のせいで、ご主人(患者)様は大変な思いをしているんだぞ!
同じ検体から作製した標本を単染色という方法で染めると腟ガルドネラ菌はこのように見えます。
前のケースに比べると腟ガルドネラ菌は少ない。
しかも、Clue cellもないし、白血球もほとんどない。
写真を撮影した部位は最も腟ガルドネラ菌が多いところです。
きれいな、きれいな腟内! 最高!って言いたい。

でもこのご主人(患者)も異臭が気になって検査を受けたのです。
腟ガルドネラ菌の絶対数は少なく、一見最高の腟内のように見えました。
しかし2つのケースに共通した点は「乳酸菌が見当たらない!という事です。
また同じ検体から作製した標本に単染色を施してみると。
乳酸菌は全くいない。
前のケースに比べれば劇的に少ないけど、腟ガルドネラ菌だけが生息している状況でした。
ちなみに、同じ倍率で乳酸菌をみてみようか?
乳酸菌の仲間は大きいでしょう。

今回何を言いたいかといえば、

clue cellがあろうがなかろうが、腟内に乳酸菌がいなくなり、
腟ガルドネラ菌が支配している環境は多くの場合臭いが気になる人が多いのです。

でもね、嫌な臭いは細菌性腟症だけではありません。
嫌な臭いやオリモノで悩む人はたくさんいます(私達の調査では91%)。
大事になる前に先ずはアイラボのFemバランスチェックで調べてください。
その結果を見て、次を考えましょう。

第6報 細菌性腟症の治療について
日本性感染症学会 性感染症 診断・治療ガイドラインを拝見

Ⅱ治療 をみてみましょう。

細菌性腟症の治療には、局所療法(腟錠)と内服療法(経口)があり、前者が主役だそうです。
【第一選択】メトロニダゾール(フラジール)腟錠、1回250㎎、1日1回、7~10日間 または経口1回500㎎,1日2回、7日間
【第2選択】クロラムフェニコール、腟錠、1回100㎎、1日1回、7日間

注記
①薬剤の治療効果を高めるため、治療初期には、滅菌蒸留水または生理食塩水で腟内を洗浄してもよい。腟帯下が多量であったり臭気が強い場合は、0.025%塩化ベンザルコーニウム液、10%ポピドンヨード液を用いて洗浄する。
腟洗浄は、治療初期には投薬する薬剤の効果を高めるために重要であるが、診察時毎回の洗浄は、腟内のLactobacillus 属の数の低下をきたすため必要ではないとしています。
②妊娠中の細菌性腟症は、流産・早産と関係することが明らかになっているので、WHOの基準を満たした症例では、腟錠を用いて積極的に治療する。
③高齢の女性に頻度の高い細菌性腟炎の治療は、細菌性腟症に準じて施行されることも多いが、エストリオール腟錠の仕様や内服治療が行われることが多い。また、更年期症状の強い症例などでは、ホルモン補充療法や東洋医学療法(漢方治療)が併用されることもある。
Ⅲ治癒判定
治療(局所、内服)後、自他覚所見(腟内容の各種性状検査、グラム染色鏡検)を観察し、効果を判定するが、不完全な治療を避けるため、必ず1クール後の検査が必要である。
Ⅳパートナーの追跡
細菌性腟症は、性的パートナーの多い女性がかかりやすいとの報告があるとはいえ、性感染症(STI)とは決めつけられない。通常、患者の性的パートナーの治療をしても患者の臨床経過に影響を与えないことから、再発防止のためにパートナーの治療をすることや、その追跡をすることは勧められない。
◎付記
タイトルに表現したように細菌性腟症には、STIというよりsex associated diseacesであると考えられ、性的パートナーが多いほど罹患率が高く、子宮内避妊具(IUD)の使用で優位にリスクが高まると言われている。所見は多彩で、かつ全般に(症状は)マイルドであるが、膣トリコモナス症、膣カンジダ症が否定されても、なお頑固な帯下を訴えるものには先ず細菌性腟症の検査を行うことを進めたい。※(症状は)は筆者が追加しました。
このように解説されています。

診断・治療ガイドラインを紹介した訳は?
メトロニダゾール耐性菌のことが記されていないからです

今朝はここまでにします。愛犬雄と高尾山
愛犬雄と高尾山を散歩、家から歩いて1時間
耐性菌のこと気になっているので少し勉強してみます。
続きはまた後で、

Eさんの経験をもう一回おさらいしてみましょう

8月6日以降、アイラボで検査を受けて頂いたEさんが、Drrシイナのブログを見て頂いている皆さんのためになるのであればということで、これまで5回の記事に協力して頂きました。
今回、10月17日から開催されたFem+(フェムプラス)で私とお友達になって頂いた皆様にも見て頂ける準備ができましたので、改めて経緯をお知らせします。

第1回(8/6投稿)婦人科で治療後におりものや臭いが気になるようになった。
第2回(8/29投稿)細菌性腟症と診断された1ヶ月後はどうなった?
第3報(10/14投稿)細菌性腟症の治療に挑戦、思いがけないハプニングが
第4報(10/15投稿)Eさん見て!見て!、10/4日の検体だよ!
第5報(11/13投稿)次の生理後はどうなっているだろう?

このような経緯を見ると、メトロニダゾール(フラジール)による治療が効いていないのではないか?、、、と思われるのです。

これから腟ガルドネラ菌の耐性について調べてまた報告しますね。

今回初めて見て頂いた皆さん。
ビッグサイトでお友達になって頂きありがとうございました。
これからも宜しくお願い致します。

第5報 次の生理後はどうなっているのだろう?

フラジールで2週間治療後、グラム陽性桿菌による膀胱炎を発症、
膀胱炎治療後腟内環境はここまで改善されました。
後2日で生理が始まる、、、予定。
この画像からも理解できるように、腟ガルドネラ菌はまだ残っています(死菌かも知れないが)。
やっとここまで回復した乳酸菌。どうか増えてきてくれ!祈る思い。
生理後の乳酸菌はどうなっているのか?
楽しみにしていてください。

今日から大阪に出張です。
セルソフトの開発に携わった、大成化工株式会社白石社長、吉田興産社長吉田社長に会ってきます。
帰ってから報告しますね。

10月17日より生理が始まり、21日の状況は

生理が終わった直後の細胞診標本です。
白血球がやや多く見られます。
生理直後ですので、それほどの違和感はありませんが、中央の細胞が心配です。
やはり、細菌性腟症に特有なClue cell (クルーセル)です。
細胞診標本では明らかな乳酸菌は見られません(正常でもこの時期はほとんど見られません)。
グラム染色標本を観察しても、中央にClue cell、そして標本全面に腟ガルドネラ菌が出現してります。
拡大を上げてみると、
腟ガルドネラ菌に加え、モビルンカスも若干見られ、細菌性腟症の所見を示しています。

やはり、(このブログの最初の画像でも分かるように)治療後も乳酸菌に混じり、
小型で赤く染まる腟ガルドネラ菌が存在していましたので、今回の結果も致し方ないのかも知れません。
フラジールの腟座薬2週間、同時に1週間の経口投与にも拘らず、腟ガルドネラ菌が存在することは耐性を獲得している可能性も考えなければならないのだろうか?

10月29日よりフラジール腟座薬1週間開始(排卵の頃)

腟座薬開始直後から症状はあまり良くないとの情報が届いていました。
また前回の様なグラム陽性桿菌が悪さをしているのか?
それとも別の菌が原因なのか?
そんなことを考えていると、いつも脳裏をかすめる “あいつ”がいます。
日本のお医者さんは「雑菌だよ!」とあまり取り合ってもらえませんが、欧米のお医者さんは泌尿生殖器の感染症で比較的重要視している微生物。
マイコプラズマやウレアプラズマ、、、???
私は以前から「こいつらは表に出てこないで裏で悪さしているのではないか」と疑っているやつらなんです。
ですから、強い腟炎が見られるケースで通常の感染症(淋菌、クラミジア、カンジダ、トリコモナスなど)が陰性の場合、アイラボのマイコプラズマチェックを進める場合があります。
比較的陽性のことが多いのです。

11月5日検体採取

症状はかなり良くない状況とのことですが、検体が送られてきました。
写真の様に、フラジール治療後とのことですが、白血球が多く腟炎の状況でした。
標本背景には細菌と思われる青く染まる物質が多く、かなり汚い状況です。
治療終了直後なのに、信じがたい膣炎の状況です。
しかしグラム染色をみると、乳酸菌(毎視野5個程度)が見られ、腟ガルドネラ菌も写真の様に若干認めます。前回もそうでしたが、腟ガルドネラ菌を完全に死滅させられていないのか?耐性を獲得しているのか? (この件については早速製薬会社に情報収集をお願いしました。)
これから生理まで約1週間、もっと乳酸菌が増えることを祈るだけです。
ひどい膣炎の原因はこれか?(菌交代現象)によるカンジダ腟炎を起こしていたのです。
フラジールを投与していたので想定内の状況ですが、カンジダが増えられる環境にある事が確認できたことは個人的には嬉しかった。なぜなら、カンジダが増えられるだけのグリコ-ゲン(糖分=栄養源)が存在することを意味しているからです。
カンジダの増殖や症状が強くならなければよいのですが、、、と心配もありますが、このような胞子が現状では比較的少ないことが救いです。

その後、症状は徐々に改善し、オリモノや臭いは気にならないと、連絡があり

しかし、心配の種を確認するため、Eさんに了解を頂き、マイコプラズマの検査をさせて頂く事にしました。

New!! Femバランスチェック
 腟内フローラチェックがグレードアップ

「腟内フローラチェック」がグレードアップした最新版になります。

オリモノやオリモノの嫌なにおいが気になったことはありませんか?
膣内フローラが乱れているサインかもしれませんよ。

腟内の大事な常在菌である乳酸菌は守護神的な菌です。この乳酸菌は生理周期の中でも排卵後から生理直前の頃、つまりプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が盛んな時に腟粘膜の上皮細胞が蓄えるグリコーゲンという糖分を分解して増え、(乳)酸を作り、腟内を酸性に保つ大事な働きがあります。
生理直後から排卵まではエストロゲンというホルモンで腟粘膜の上皮は強くしなやかな張りのある保護上皮がしっかり守るため、乳酸菌は少なくても大丈夫。そのため、年齢や生理周期に一致して女性ホルモンが作用しているのかどうかもチェックすることも大事なのです。
乳酸菌がストレスや膣洗浄、抗生物質の乱用などの何らかの要因で増えられない状況になってしまうとガルドネラ菌が増えて 嫌な臭いやおりものが増えたり(細菌性膣症)、痒みやオカラ状のオリモノがでる膣カンジダになることがあるのです。そこに白血球まで増えてしまったら(炎症)さらに増強!!

だからこそ、膣内フローラとホルモンバランスを含めてチェックしてあげることが大事です。そのため、今回は好評だった「腟内フローラチェック」をグレードアップさせちゃいました。
今どんな状態かチェックしたい方にもおすすめの検査キットです。

Femバランスチェック

検査結果で顕微鏡でみる腟内フローラの世界が見れるかも!?

この記事は椎名先生に代わり
ネット担当スタッフが更新してお届けしました。
ヾ(@⌒ー⌒@)ノヾ

第4報 Eさん 見て! 見て! 10/4の検体だよ!

毎朝、私がベッドから去るとまとっていたタオルケットを丸め、
散歩に行くよと言うまでこうしています。
私のぬくもりがいいのかな?
寝起きのせいか、ちょっとブス
臭いがいいのかな?
そういってくれるのは雄(ゆう)君だけ
本当はこんな美男子
小さな子供たちにも“可愛い”って言ってもらえるんですよ

10/4に採取したグラム染色標本です

青く染まる長い菌は紛れもない乳酸菌です。
Eさんの検体で初めての乳酸菌
嬉しい!の一言
明らかな乳酸菌の他に、あの膀胱炎を起こした青く染まる短い菌(桿菌)や赤く染まる小さな菌(腟ガルドネラ菌)もいます。でも、
乳酸菌頑張って!この中で一番強くなってね!そんな思いで、Eさんにこの画像を送信しました。

Eさんからは
ありがとうございます!
乳酸菌嬉しいです!!

そして、10/11日に採取した検体が届きました。

喜びから1週間後です。
乳酸菌の割合が増えています。
腟ガルドネラ菌やグラム陽性桿菌の割合はさらに低くなっています。
これから生理を迎える様です。
乳酸菌頑張れよ!
祈る気持ちです。

私達アイラボのモットーはBe with you (あなたと一緒)です。
雄はこうして2時間余り待っていました。
それでは散歩に行ってきます。

第3報 細菌性腟症の治療に挑戦、思いがけないハプニングが

第1回(8月6日:婦人科で治療後にオリモノや臭いが気になるようになった)、第2回(8月29日:細菌性腟症と診断された1ヶ月後はどうなった?)の記事で紹介した女性(Eさん)がフラジールによる治療に挑戦した記録を報告します。

先ずは初回の写真をもう一度見ておきましょう

月経の出血が終わった時期(7日目)に採取した画像です。
標本の背景はきれいですが、写真中央に細菌性腟症に特徴的なClue cell(クルーセル)が見られます。
月経中も腟ガルドネラ菌はしっかり生きていたことが分かります。乳酸菌の姿はほとんど見ることはできません(元来、排卵の頃まで乳酸菌はあまり見られません)。

生理直前の状態を見てみると 驚き!でした

前回(月経直後)に比べ、白血球が多く若干腟炎を伴っているように見えます。
Eさんもこの写真を見て大変驚かれた様子でした。

少し話は飛びますが、Eさんが「アイラボさんの商品の中にオシャレな貴女のパスポートというキットがありますが、どんな思いで名付けたのですか?」と質問されたことがありました。
「顔のお手入れや素敵な洋服を身に着けるのと同じように、デリケートゾーンのおしゃれ(健康)にも気を使ってくださいね。」という思いでそのキットを作ったことを話すと、Eさん「それって素敵ですね。私も何とかデリケートゾーンの健康を取り戻したいので治療に挑戦します。」
ということで、生理が終わった時点で婦人科を受診しました。

治療にはフラジール腟座薬が処方されたようですが?

5日分のフラジール腟座薬を処方して頂きました。
2週間ぐらいは良くなった気はしましたがすぐに戻ってしまいました。
(細菌性腟症の治療を行っている婦人科医に治療効果について尋ねてみると、「治療しても一時的には良くなるが、パートナーとの性交渉を始めると元に戻ってしまう。」という回答を頂いていました。「今回もそうか?」と、少し落ち込みましたが、細菌性腟症は性感染症ではないとの認識を持っていましたので、この点についてもいずれ解明する必要があると改めて感じました。

そこで今度はEさんの知り合いの医師に相談し、以下の様にしっかりした治療スケジュールを作成し、同医師より処方していただく事にしました。

【治療の予定】
9/2~1週間目、フラジール腟座薬・飲み薬
9/9~2週間目、フラジール腟座薬
9/15終了
9/19自己採取検査
9/21生理スタート
パートナーには飲み薬を飲んで頂く予定です。


実際は、経口薬は9/3~9/10、腟座薬は9/3~9/17投与しました。
腟座薬を1回挿入だけでオリモノはほとんどなくなり、臭いも感じません。おりものの性状は腟座薬のカスが残っている感じで白いものが出てきます。
予定より生理が4・5日早く来てしまい検査できなかったので、9/26日に検体を採取してアイラボに送りました。

9/26日採取の検体を見てびっくり

治療が終わったばかりというのに、この白血球の多さは何?どうなってんの?
細菌性腟症を疑う所見はないけど、何やら小さな桿菌がいる(写真にすると見にくいですね)
この菌が炎症の原因か?
グラム染色でもう少し詳しく見ると、グラム陽性桿菌がたくさん!
乳酸菌とは大きさが全く異なるので一目瞭然(おかしい)

9/29日 Eさんから一枚の画像 おしっこが真っ赤に!

9/26日に検体を採取してアイラボに送りましたが、この日から残尿感を感じおかしいと思っていましたがそのまま放置していたら9/29に血尿になりました。病院に行ったところ膀胱炎と診断され、ホスミシン(ホスホマイシン)を処方された。おりものは少し増え、においも感じるようになり、状態はあまりよくありませんが、本日10/4日検体を送ります。

さてその結果はどうなんでしょうか?
今日はここまでにします。

細菌性腟症と診断された1ヵ月後はどうなった?

8月6日の記事で紹介した「婦人科で治療後におりものと臭いが気になるようになった」方からの情報が届きました。
前回は生理が終わって間もなく採取しましたが、今回は生理の直前に採取して頂けました。
生理後は腟内を血液で洗い流した後ですので、乳酸菌は少ない可能性があるので今回は乳酸菌が最も多くなる生理直前に検査して頂きました。
それでは早速前回と比較してみましょう。

先ずは前回の写真をもう一度見てみましょう

先ずは、弱拡大で全体を見てみましょう。
標本背景に白血球の増加(腟炎)はなく、一見とてもきれいな腟内の様に思います。
しかし、赤の矢印の先には細胞の上に腟ガルドネラ菌が群がるクルーセルが見られます。

生理直前の細胞像で治療はしていません。

前回に比べ、白血球が多くなり、若干腟炎の様相を示しています。
また、クルーセルは見られますが、前回ほど腟ガルドネラ菌の群がり方が弱いようです。

拡大を上げた前回の写真です。

赤の太い矢印の先には紫色に染まる腟ガルドネラ菌が細胞にびっちり群がっています。
菌にとっての栄養源(グリコーゲン)の豊富な細胞に集まっているのでしょうか?
赤の細い矢印の先の様に細胞の周りにも腟ガルドネラ菌の集まりが見られます。
黄色の矢印の先にあるのが白血球ですが、典型的な細菌性腟症では増えません。

拡大を上げた今回の写真です。

一見して前回の生理直後に比べ、白血球が多くなり、腟ガルドネラ菌がクルーセルに集簇するだけでなく前面に広がっている感じに見られます。2枚とも細菌性腟症が疑われる所見に違いはありませんが、細胞像的にはかなり異なっています。白血球が増えていることも要因の一つかもしれませんが、今回の月経前採取例は黄体ホルモン優位な時期なのでホルモン環境の違いによる可能性も考えられます。

これは前回の単染色による腟ガルドネラ菌です

細胞の中に無数の菌が存在し、クルーセルの形態をとっています。

これは今回の単染色の所見です

この写真でも、クルーセルの形態を採るものより、標本全面に腟ガルドネラ菌が散らばっている様子が分かります。細胞融解によって栄養源(糖分)が膣全体に分散されたことによる変化なのでしょうか?

提供者はこれから細菌性腟症と対峙するようです

https://ja.thpanorama.com/articles/biologa/gardnerella-vaginalis-caractersticas-morfologa-ciclo-de-vida-contagio.html

細菌性腟症の原因についてネットで検索すると極めてたくさん出てきますが、今回情報を提供してくれた方は子宮頸部高度異形成のレーザー蒸散術後に症状が現れたとのことですので、抗生物質投与による正常細菌叢の乱れがそのまま継続している可能性が考えられます。また最近の電話相談でも、クラミジアの治療後にこれまで経験したことがないおりものの異常と異臭に悩まされている方がいます。

細菌性腟症の主な原因菌は腟ガルドネラ菌Gardnerella vaginalis です。この菌は腟内フローラの一員でもありますが、乳酸菌に対しては“ビルレント(敵対的)になることができて”増殖を抑制し、自らが腟内を支配することができることがあるようです。
健康な膣内は、乳酸菌の増殖により腟内の酸度はpH3.5程の強い酸性域にあるため、他の細菌が増殖できない環境を維持しています(膣の自浄作用)が、腟ガルドネラ菌等の嫌気性菌に支配されると腟内酸度が低下し、典型的な症状として灰白色のオリモノの増加と異臭(プトレシンやカダベリンの生成)を伴うようになります。※プトレシンはアミンの一種で腐肉の臭い成分で死臭の一因とも言われています。
そのような異臭の程度は様々で、ほとんど気にならない方から、電車で隣の席にいても分かるくらいまでさまざまです。時にはパートナーに不快感を与えてしまう事もありますので、ひどくなってしまったら治療の対象になるようです。

私自身はこれまで性行為で感染するものではないと考えていますが、私の友人の婦人科医は性感染症の位置づけで、治療しても夫婦間交渉ですぐ再発しまうといいます。

従って、治療に際しては、単にフラジールの1週間投与だけでなく、性感染症も考慮して生活環境も踏まえた入念な対策が必要かも知れません。

婦人科で治療後におりものや臭いが気になるようになった

高度扁平上皮内病変(high-grade squamous intraepithelial lesion:HSIL)で円錐切除術レーザー蒸散術で治療した患者さんがその後の細胞診検査で、細菌性腟症が疑われるケースをよく経験します。2年程前に、私の友人もCIN3で子宮頸部レーザー蒸散術を受けました。その後今まで経験したことがない程のオリモノが増え、臭いも気になるとのことで、自己採取(セルソフト)法により細胞診検査とHPV検査を受けました。
幸いなことに異型細胞は観察されず、ハイリスク型HPVも検出されませんでした。
しかし、その時の細胞像を見てみましょう。

典型的な細菌性腟症を疑う所見です

先ずは、弱拡大で全体を見てみましょう。
標本背景に白血球の増加(腟炎)はなく、一見とてもきれいな腟内の様に思います。
しかし、赤の矢印の先には細胞の上に腟ガルドネラ菌が群がるクルーセルが見られます。
拡大を上げた写真です。
赤の太い矢印の先には紫色に染まる腟ガルドネラ菌が細胞にびっちり群がっています。
菌にとっての栄養源(グリコーゲン)の豊富な細胞に集まっているのでしょうか?
赤の細い矢印の先の様に細胞の周りにも腟ガルドネラ菌の集まりが見られます。
黄色の矢印の先にあるのが白血球ですが、典型的な細菌性腟症では増えません。
これはグラム染色で腟ガルドネラ菌を染めた写真です。
緑の矢印で示した先には、赤く染まる腟ガルドネラ菌が塊で見られます。
これもグラム染色で染めた腟ガルドネラ菌で、1000倍に拡大した写真です。
本来はグラム陰性(赤く染まる)菌ですが、このように赤みが弱かったり、
青っぽく染まることもあります。
こちらは単染色という方法で染めた標本ですが、
細胞の中に無数の菌が存在し、クルーセルの形態をとっています。
スマホでの撮影ですので、見難くてすみません。

いろいろな染色を紹介しましたが、最初の2枚の写真の様に子宮頸がん検診に使われるパパニコロウ標本でもきれいに観察できますね。

同じ症状で悩む人のために友人が情報も寄せてくれました

そのまま紹介します。
【術前】
・元々おりものは生理の前後にありましたが、おりものシートを付けたことはありません。
・おりものが出て気になったのは月に数回のイメージで気にも留めていませんでした。
2021年9月21日手術(以前伺った話によりますと、高度異形成と診断され、子宮頸部レーザー蒸散術を受けたと聞いています。)

【術後】
1ヶ月間は出血が続きました。もともと生理の時の出血は多い方ですが、出血が多い日が続く感じで貧血気味になりました
・術後特に意識はしていなかったのですが、(今思うと)人生初めておりものシートを購入し、ここ2年はおりものシートが手放せなくなっています。生活のリズムやスタイルは特に変化はありませんし、どちらかというと術前の方がストレスフルな生活をしていたり、パートナーとの性交渉も多かったにもかかわらず、おりものの症状は今ほど気にならなかったので、治療により腟内の環境が変わったのかな?、、、と思います
・オリモノの性状は術前は白っぽかった気がしますが臭いは特に気にするほどではありません。現在は水っぽい感じで量が多く、臭いも気になります。卵スープみたいにうっすら色がついていました

おりものの変化を感じても後廻しにしていませんか?

おりものは健康な人にも見られるものです。
教科書的には、「排卵の頃、無色透明で、臭いもない」おりものが出ることは正常であり、排卵の目印にもなるようです。
白く濁ったり(カンジダ)、黄色味を帯びたり(腟炎がある時)、褐色調(古い出血)に見えたりすることもありますので、
日頃から自身の健康を管理する上で観察する習慣を身につけることも大切かも知れません。

おりものの性状については他の人と比較することもできませんので、「いつもと違う」「なんとなく変」と思ったらそのままにしないで検査だけでもしておきましょう。

私の推奨
◆性感染症(性病)の心配もある。
「おりもの&臭いの検査」
◆オーラルセックスも同時にあった。
「腟と咽頭のSTDチェック」
◆性感染症(性病)の心配はないけどおりものが気になる
「腟内フローラチェック」

乳酸菌は大量の抗生物質の使用で死滅し、復活できていないのか?

はじめに述べましたように、婦人科の先生から依頼される細胞診検査の中には、円錐切除術やレーザー蒸散術後のフォローアップ検査(異常な細胞が消滅しているか?再発していないか?を定期的にチェックすること)の中に今回紹介した細菌性腟症を疑うケースが少なくありません。アイラボではその事実を先生方に報告しますが、検査会社の中には細菌性腟症が疑われてもそのことを報告しない施設も多いようです。
せっかく婦人科を受診しているのですから、女性のそんな悩みにも目を向けていただけたらと思いますが、現実は決してそうではないようです。
病院を受診しても先生には何も言われなかったので、自分の今の症状は異常ではないと思い込んでいる人も少なくありません(無料電話相談より)。
この友達はレーザー蒸散術を受けましたが、医師は術後に異型細胞があるかどうか? 再発は大丈夫か?という点に力点を置いていますが、生活の質の回復にも同じような配慮があって欲しいものです。

この友人は自身で生活の質の向上にチャレンジするようですが、その歩みについても報告頂けるようです。
同様の悩みを抱える皆さんはお気軽にアイラボの無料相談をご利用ください