New! アイラボのHPV検査 ~Fem HPV test~ とは

子宮頸がん検診は今年から推奨グレードAの「HPV検査単独法」が自治体の検診にも認められるようになりました。
検体の採取は「医師採取を基本とする」にはなっていますが、「自己採取は認めない」といったこれまでの表現より柔らかくなりました。子宮頸がん検診の受診率を上げる目的であれば、自己採取を容認することは当然であり、既にWHOや米国FDAも自己採取を許可しています。
この度アイラボは、『Fem+(フェムプラス)Femtech Tokyo ^女性の健康と活躍を支援する』の展示会に参加し、多くの方からアイラボ式HPV検査が支持されました。
これを機会にこれまでのHPV検査Kit003をFem HPV testとしてサービス内容を拡大しましたので、改めてその詳細をご報告致します。

New ! Fem HPV test とは

Fem は女性ですが、アイラボでは「優しい」の意味を込めました。

せっかく採取した貴重な検体を有効利用し、
女性が健康で活躍できる環境を整えることに貢献したいと思います。
通常のHPV検査に比べると、若干コストは上がってしまいますが、
検診という貴重な機にご理解を賜れれば幸いです。

New!! Femバランスチェック
 腟内フローラチェックがグレードアップ

「腟内フローラチェック」がグレードアップした最新版になります。

オリモノやオリモノの嫌なにおいが気になったことはありませんか?
膣内フローラが乱れているサインかもしれませんよ。

腟内の大事な常在菌である乳酸菌は守護神的な菌です。この乳酸菌は生理周期の中でも排卵後から生理直前の頃、つまりプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が盛んな時に腟粘膜の上皮細胞が蓄えるグリコーゲンという糖分を分解して増え、(乳)酸を作り、腟内を酸性に保つ大事な働きがあります。
生理直後から排卵まではエストロゲンというホルモンで腟粘膜の上皮は強くしなやかな張りのある保護上皮がしっかり守るため、乳酸菌は少なくても大丈夫。そのため、年齢や生理周期に一致して女性ホルモンが作用しているのかどうかもチェックすることも大事なのです。
乳酸菌がストレスや膣洗浄、抗生物質の乱用などの何らかの要因で増えられない状況になってしまうとガルドネラ菌が増えて 嫌な臭いやおりものが増えたり(細菌性膣症)、痒みやオカラ状のオリモノがでる膣カンジダになることがあるのです。そこに白血球まで増えてしまったら(炎症)さらに増強!!

だからこそ、膣内フローラとホルモンバランスを含めてチェックしてあげることが大事です。そのため、今回は好評だった「腟内フローラチェック」をグレードアップさせちゃいました。
今どんな状態かチェックしたい方にもおすすめの検査キットです。

Femバランスチェック

検査結果で顕微鏡でみる腟内フローラの世界が見れるかも!?

この記事は椎名先生に代わり
ネット担当スタッフが更新してお届けしました。
ヾ(@⌒ー⌒@)ノヾ

Fem+ 2024 ~女性の健康と活躍を支援する展示会に参加して
1. メインテーマ:子宮頸がん“0”を目指してとは

私達アイラボは会社設立当初から「子宮頸がんゼロの町〇〇」と題した活動をしてきました。それは「検診を受ければ子宮頸がんで死亡する人をゼロにすることができると言われた我が国における子宮頸がん検診のパイオニア野田起一郎先生の言葉があったからです。開業当時、子宮頸がん検診の受診率は低く、その要因は「恥ずかしい、忙しい、面倒」と考えていましたので、それら問題を一掃できる自己採取法(自宅で自分が採取する方法)の検査精度向上に関する研究を始めました。

欠点があるものの、加藤式採取器具ならなんとか行ける!

自己採取法に関しては学術論文そのものがほとんどないため、限られた資料を基に医師採取と自己採取に関する検査精度をまとめたのがこの1枚のスライドです。そして加藤式の有効性は論文としてまとめました。そしてこれが子宮頸がん“0”を目指す第一歩になりました(検診が苦手な人には使える目途が立ったのです)。
しかし、子宮頸がん検診ガイドラインでは「自己採取はダメ」、、、この事で加藤式採取器具を提供した会社は廃業に追い込まれましたが、セルソフトの開発を進めていた大阪の大成化工株式会社に引き継がれました。

そして今年、HPV検査が子宮頸がん検診推奨ランクAに、、、!

私達が目指す子宮頸がん“0”の目標を実現させるためには、現在の医師採取細胞診による検診(受診率47%)だけではなく、より検診を受けやすい自己採取HPV検査が選択できることで、少なくても受診率の大幅な向上が期待されます。私達は小さな会社ですので、大手の会社と渡り合うためには常に会社の存続をかけの検査内容の充実と向上に挑戦しています。
この度、子宮頸がん検診にHPV検査を導入することに関しては社内で新たな機運が生まれました。
そこにはあくまで検診受診者検査会社や検診機関の

そして今年、HPV検査が子宮頸がん検診推奨ランクAに、、、!

私達が目指す子宮頸がん“0”の目標を実現させるためには、現在の医師採取細胞診による検診(受診率47%)だけでは達成が困難であることがこれまでの経緯で立証されました。(より検診を受けやすい)自己採取HPV検査が選択できることで、少なくても受診率の大幅な向上が期待されます。、しかしわが国における健康に関するリテラシーは極めて低く、各種の啓蒙活動やその支援には限界が来ていると思われます。ちなみに、国民生活基礎調査から得られる受診率の伸びは頭打ちの感があいます。

Fem+ 2024 ~女性の健康と活躍を支援する展示会 
 参加中!!! ぜひ気軽にご覧になってください

2024年10月17日(木)~19日(土)10:00~17:00、
ビジネスデー:17日~18日
一般公開デー19日

東京ビックサイト東7ホールで開催中です

共同出展する株式会社ウェルクスの伊奈絵里佳社長とともに
ブログの執筆者ドクターシイナも参加しております。

19日は一般の方もご入場頂けますので、ぜひブースにお出かけください。
この際に椎名先生にいろいろ質問してみませんか?

詳細はこちら 参加登録をすると無料でご入場頂けます。
https://www.femtech-week.jp/hub/ja-jp/header_btn.html

椎名先生と伊奈社長でお出迎え

顕微鏡でみる腟内フローラの世界が見れるかも!?

この記事は展示会に参加中の椎名先生に代わり
スタッフが展示会の様子を更新してお届けしました。
ヾ(@⌒ー⌒@)ノヾ

今日からFem+ 2024 ~女性の健康と活躍を支援する展示舞~に参加

2024年10月17日(木)~19日(土)10:00~17:00、ビジネスデー:17日~18日一般公開デー19日
東京ビックサイト東7ホールで開催されます。
私達がこのような大きなイベントに参加するのは初めての経験ですが、私達の仕事や活動はまさに「女性の健康と活躍を支援」するものですので参加を決めました。
この展示会参加を後押しし、大半の準備をお手伝い頂いた同じブースで共同出展する株式会社ウェルクスの伊奈絵里佳社長に心から感謝いたします。詳細はこちらhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000144101.html

こんなチラシができました

久々に学会に出席するような緊張感が

それでは行ってきます。

第4報 Eさん 見て! 見て! 10/4の検体だよ!

毎朝、私がベッドから去るとまとっていたタオルケットを丸め、
散歩に行くよと言うまでこうしています。
私のぬくもりがいいのかな?
寝起きのせいか、ちょっとブス
臭いがいいのかな?
そういってくれるのは雄(ゆう)君だけ
本当はこんな美男子
小さな子供たちにも“可愛い”って言ってもらえるんですよ

10/4に採取したグラム染色標本です

青く染まる長い菌は紛れもない乳酸菌です。
Eさんの検体で初めての乳酸菌
嬉しい!の一言
明らかな乳酸菌の他に、あの膀胱炎を起こした青く染まる短い菌(桿菌)や赤く染まる小さな菌(腟ガルドネラ菌)もいます。でも、
乳酸菌頑張って!この中で一番強くなってね!そんな思いで、Eさんにこの画像を送信しました。

Eさんからは
ありがとうございます!
乳酸菌嬉しいです!!

そして、10/11日に採取した検体が届きました。

喜びから1週間後です。
乳酸菌の割合が増えています。
腟ガルドネラ菌やグラム陽性桿菌の割合はさらに低くなっています。
これから生理を迎える様です。
乳酸菌頑張れよ!
祈る気持ちです。

私達アイラボのモットーはBe with you (あなたと一緒)です。
雄はこうして2時間余り待っていました。
それでは散歩に行ってきます。

第3報 細菌性腟症の治療に挑戦、思いがけないハプニングが

第1回(8月6日:婦人科で治療後にオリモノや臭いが気になるようになった)、第2回(8月29日:細菌性腟症と診断された1ヶ月後はどうなった?)の記事で紹介した女性(Eさん)がフラジールによる治療に挑戦した記録を報告します。

先ずは初回の写真をもう一度見ておきましょう

月経の出血が終わった時期(7日目)に採取した画像です。
標本の背景はきれいですが、写真中央に細菌性腟症に特徴的なClue cell(クルーセル)が見られます。
月経中も腟ガルドネラ菌はしっかり生きていたことが分かります。乳酸菌の姿はほとんど見ることはできません(元来、排卵の頃まで乳酸菌はあまり見られません)。

生理直前の状態を見てみると 驚き!でした

前回(月経直後)に比べ、白血球が多く若干腟炎を伴っているように見えます。
Eさんもこの写真を見て大変驚かれた様子でした。

少し話は飛びますが、Eさんが「アイラボさんの商品の中にオシャレな貴女のパスポートというキットがありますが、どんな思いで名付けたのですか?」と質問されたことがありました。
「顔のお手入れや素敵な洋服を身に着けるのと同じように、デリケートゾーンのおしゃれ(健康)にも気を使ってくださいね。」という思いでそのキットを作ったことを話すと、Eさん「それって素敵ですね。私も何とかデリケートゾーンの健康を取り戻したいので治療に挑戦します。」
ということで、生理が終わった時点で婦人科を受診しました。

治療にはフラジール腟座薬が処方されたようですが?

5日分のフラジール腟座薬を処方して頂きました。
2週間ぐらいは良くなった気はしましたがすぐに戻ってしまいました。
(細菌性腟症の治療を行っている婦人科医に治療効果について尋ねてみると、「治療しても一時的には良くなるが、パートナーとの性交渉を始めると元に戻ってしまう。」という回答を頂いていました。「今回もそうか?」と、少し落ち込みましたが、細菌性腟症は性感染症ではないとの認識を持っていましたので、この点についてもいずれ解明する必要があると改めて感じました。

そこで今度はEさんの知り合いの医師に相談し、以下の様にしっかりした治療スケジュールを作成し、同医師より処方していただく事にしました。

【治療の予定】
9/2~1週間目、フラジール腟座薬・飲み薬
9/9~2週間目、フラジール腟座薬
9/15終了
9/19自己採取検査
9/21生理スタート
パートナーには飲み薬を飲んで頂く予定です。


実際は、経口薬は9/3~9/10、腟座薬は9/3~9/17投与しました。
腟座薬を1回挿入だけでオリモノはほとんどなくなり、臭いも感じません。おりものの性状は腟座薬のカスが残っている感じで白いものが出てきます。
予定より生理が4・5日早く来てしまい検査できなかったので、9/26日に検体を採取してアイラボに送りました。

9/26日採取の検体を見てびっくり

治療が終わったばかりというのに、この白血球の多さは何?どうなってんの?
細菌性腟症を疑う所見はないけど、何やら小さな桿菌がいる(写真にすると見にくいですね)
この菌が炎症の原因か?
グラム染色でもう少し詳しく見ると、グラム陽性桿菌がたくさん!
乳酸菌とは大きさが全く異なるので一目瞭然(おかしい)

9/29日 Eさんから一枚の画像 おしっこが真っ赤に!

9/26日に検体を採取してアイラボに送りましたが、この日から残尿感を感じおかしいと思っていましたがそのまま放置していたら9/29に血尿になりました。病院に行ったところ膀胱炎と診断され、ホスミシン(ホスホマイシン)を処方された。おりものは少し増え、においも感じるようになり、状態はあまりよくありませんが、本日10/4日検体を送ります。

さてその結果はどうなんでしょうか?
今日はここまでにします。

ハイリスクHPV感染の男性がHPV強制排除に挑戦(5 最終回)

彼女が子宮頸がん検診を受けたら軽度異形成と診断されました。
そのことが原因で彼女と別れることになってしまいました。
そんな彼(K氏)がアイラボの男性のHPV検査を依頼しました。
その結果は、39型、52型、51型が検出され、この男性がHPVを強制的に排除すことに挑戦した話。
k氏は、自分と同じ悩みを持つ男性は少なくないと思うので、Dr.
シイナのブログで紹介することを承諾してくれました。

2023年7月1日のブログ「10年前に風俗を利用した。5年後彼女がLSILに!そして今俺にHPVが!」が最初の記事。
第1回2023年10月24日
第2回2023年11月 4日
第3回2023年11月22日
第4回2024年 4月 7日 ※この時点で51型は消失したが、52型と39型が残ってしまいました。
そして2024年の6月からサイドの挑戦が始まりました。今回がこのシリーズの最終回です。

2024年6月 再度べセルナクリームによる治療を開始

お世話になっております。
Kです。
昨日6/17から再度の挑戦を開始しました。
治療方針は以下の通りです。
ベセルナクリームジェネリック24袋を購入、1度に2回分使用して全体に塗布し、4週間で使い切る
7月中旬には治療が終了すると思います。


このようなメールが届きました。
前回べセルナクリームを処方して頂いた先生は、効かないタイプ(HPVの型)があるとのことで処方して頂けなかったようです。そこでk氏はネットで購入したようです。
“1度に2回分使用して全体に塗布し、4週間で使い切る” という意味は亀頭部分だけでなく、竿(陰茎)部分を含め、男性性器全体に塗るという意味です。
6/19 昨日の夜お風呂に入ったときは、少し赤くなっていましたが、シャワーを当てても痛みはありませんでした。今夜2回目のベセルナクリームを塗布する予定です。
6/21 2回目が終わって少し赤くなってはいますが、痛みはないので、今日3回目をやろうと思います。
6/23 3回塗布しましたが、包皮の内側が赤くなって少しひりひりしますね。痛痒い感じです。
皮はむけてないので来週も治療は継続する予定です。
6/29 今週月曜に4回目の塗布を行い、火曜に刺激を与えてしまいました。
赤く腫れてしまい、カリに近い亀頭部分の皮がむけたように白くなってしまいました。
治るまで様子を見ようと思います。


【私からの返信】
kさん
そうですか?
それは残念な気がします。
私は治療に関しては全くの素人ですが、細菌の場合、治療を中断すると弱りかけた細菌が復活すると、より強い抵抗性になります。薬剤に対する耐性が獲得されるためです。
HPVとべセルナクリームでそのようなことが起こるかどうか不明ですが?
前回も、途中から薬剤の間隔が長くなっていますので、そのことが少し心配です。
椎名

そうなんですね。
弱りかけたHPVが復活することがあるのですね。
復活すると耐性がついてしまう。
完治させるのは難しそうですね。

7/8 だいぶ回復してきたので、今日から治療を再開したいと思います。
7/9 7/24日に治療が終了する予定です。
7/18 昨日治療する予定でしたが、シャワーを直接当てると痛みがあったので断念しました。
痛みが引いたら再開します。残り4回です。
7/24 まだ腫れているので治療は一旦やめています。そろそろ再開する予定です。
7/25 昨日もまだ腫れていたので治療はできていない状況です。
私の場合、一日おきに4回治療するとひどく腫れることが分かりました。
他の人は腫れないんですかね?
8/6 12回分の治療がやっと完了しました。
治療した日は以下の通りです。

1回目:6/17(月)夜
2回目:6/19(水)夜
3回目:6/21(金)夜
4回目:6/24(月)夜
二週間中断
5回目:7/8(月)夜
6回目:7/10(水)夜
7回目:7/13(土)夜
8回目:7/15(月)夜
二週間中断
9回目:7/29(月)夜
10回目:7/31(水)夜
11回目:8/2(金)夜
12回目:8/5(月)夜

腫れがひどかったので途中2回治療を中断しました。効果が薄れてしまうか心配ですが、とりあえず、一旦無事に終わってよかったです。
8/29 現在は腫れもなく状態はいいと思います。
性行為はありません。


8/30【私からの返信】
kさん
検査の前に飲みますか? 後にしますか?
八王子に来れますか?
椎名

どちらでも大丈夫です。
八王子行けます。

9/14 本日はお会いしていただきありがとうございました。椎名さんのお話を聞けて私の肩の荷が少し下りました。早く彼女ができるように頑張りたいと思います。
近いうちに検査をしようと思います。
結果がダメだったとしてもまた治療を再開するつもりです。
本日は貴重なお話が聞けて参考になりました。
ありがとうございました。

初めてお会いするKさん 遠いところまでよく来てくれました

初対面、Kさん印象は優しそうな好青年。
今回の飲み会、彼に検査をする前と後のどちらがいいかと聞いたところ、kさんからは「どちらでもOK」の返事が返ってきましたが、お会いするのを検査の前に決めたのは私です。私の方が結果を悲観的に考えていたもかも知れません。kさんはもし52型と39型が排除されなかったら再度挑戦する覚悟ができていましたので「どちらでもOK」だったと思います。

アイラボのモットーは「Be with you(あなたと一緒)」ですが、お客さんとこんな機会が持てたのは初めてです。3時間くらいいろいろな話をして有意義な時間を過ごせました。陰性になって早く素敵な彼女さんと巡り合えるようにと祈りながら別れました。

そして昨日HPV検査の結果が出ました。

今回の検査では、綿棒を4本(通常の倍)渡しました。性器全体を擦過するためです。
検体処理を担当した細胞検査士からは十分過ぎるくらい細胞が採取されていましたという連絡を受けていましたので、まだウイルスが残っていれば確実に検出されるはずです。

結果は 陰性 52型も39型もきれいに消えていました。

kさんおめでとう

Kさんからこんなメッセージが届いています。

俺は39,51,52型のHPVに感染していましたが、ベセルナクリームによる治療で完全に治すことができました。
初めてベセルナクリーム(12袋)で治療したときは、亀頭の皮が剥けて赤く腫れてしまい治療間隔(2日に1回のペース)を守ることができず、結局HPVを消失させることはできませんでした。
しかし、ベセルナクリーム(24袋)で再挑戦したときは、できるだけ治療間隔を守って治療し、完全にHPVを消失することができました。(亀頭、かり、包皮内側で12袋、包皮外側で12袋使用)
治療で大切なことはできるだけ治療間隔を守ることだと思います。赤く腫れて痛みがある場合は引くまで中断するしかありませんが。
ハイリスクHPVの場合、どこに感染しているのか目では確認できないので性器全体にベセルナクリームを塗布する必要があります。結構時間がかかり大変ですが、治る病気だと思いますので最後まで治療することをお勧めします。
俺の経験が治療のご参考になれば幸いです。


子宮頸がんは女性だけの問題ではない。もっと多くの人にこの病気の本当の姿を知って頂き、皆さん個々の性のあり方を尊重しつつ、HPVワクチンの接種、子宮頸がん検診、私達が提供している郵送検査など、子宮頸がん対策の方法は沢山あります。勿論HPVの感染を可能な限り防ぐこともその一つです。どうか自分に合った方法をうまく活用して自分はもとより大切なパートナーを子宮頸がんから守りましょう。
最後になりますが、Kさんからの情報提供は同じ悩みを持つたくさんの男性、そして医療関係者に役立つ情報と思います。医師法や薬事法に抵触しない範囲での対応でしたが、Kさんには心から感謝致します。お幸せに!
私達は子宮頸がんゼロを目指しています。

Fem+ フェムプラス ~女性の健康と活躍を支援する展示会~
Femtech Tokyo/ 女性のウエルビーイング推進EXPO に出展

10月17日(木)から19日(土)10:00~17:00 まで「東京ビッグサイト東7ホール」にて
「Fem+ フェムプラス ~女性の健康と活躍を支援する展示会~ Femtech Tokyo/ 女性のウエルビーイング推進EXPOに出展することになりました。

株式会社アイ・ラボCytoSTD研究所は2002年に「女性特有の病気や悩みに対応できる検査会社」を立ち上げ、病院に行くのが「恥ずかしい」「忙しい」「面倒」な人にも自宅で気軽に検査ができる郵送検査の普及、電話やメールによる無料の悩み相談、女性のQOL向上を目的に腟内フローラチェックの提供、さらに先進国の中で最も遅れている子宮頸がんリテラシーを高める目的で男性用HPV検査キットを提供しています。

展示の主な内容を何回かに分けて紹介します。

こんな仕事をしています

私達の仕事は、まさにFemtech Labで、女性の健康とQOL向上に特化した検査機関です。
個人や会社・健康保険組合様を対象に「今の検診(検査)は恥ずかしい・忙しい・面倒と思う方に郵送による検査を提供しています。自分で採取した検体をポストに入れるだけで検査結果が分かるものです。
■ 女性にとって婦人科の敷居は高く、ついつい我慢して子宮頸がんや不妊症が手遅れになってしまう事がないように。
■ 仕事や子育てで、検診を受けなければと思ってもなかなか行けない、行く気になれない人のために。
■ 交通の便が悪く、自身で出向くのは困難な方や僻地に住んでいる方のために。
■ 特に心配な症状もないのにわざわざ出かけていく気になれない人に。

大阪の大成化工株式会社と共同で開発したセルソフトは、今年4月からアイラボの郵送検査に使われています。
HPV検査をはじめ婦人科感染症や細胞診検査など幅広い検査の検体採取器具です。
HPV検査の採取器具としての有効性が明らかになり、論文として掲載しました。
ネットから英論文と和訳された論文を見ることができます。
https://ilabo-cyto-std.com/cellsoft

産婦人科クリニックや病院の先生方には、細胞診はどこに出しても(依頼しても)同じではなく、可能な限り先生方の要望をかなえたいと考えています。
アイラボでは日本でLBC法が普及する前からLiquid Transport Cytology System(実用新案登録)で細胞診の受託検査を行っています。

自己採取法の欠点を十分に理解し利点を最大限に活用

検査キットはアイラボのHPで見てください。

少し専門的な話になりますが、自己採取法の利点からお話ししましょう。

【利点】
病院に行くのが恥ずかしい、忙しい、面倒、、、そんな人にとっては最高のデバイスです。
自宅で採取してポストに入れるだけですからね。
加藤式採取器具はおよそ400万本が使われ、医療事故が起こっていない安全性が担保された器具です。
セルソフトは加藤式の安全性や細胞捕捉能に優れている点はそのままにして、外筒を若干細くして恐怖感を減じ、素材を環境にやさしい植物由来に変えました。
加藤式・セルソフト共に自然に剥離して腟の奥に溜まった細胞と子宮腟部(子宮が膣内に出っ張った部分)を直接擦って細胞を採取するので大量の細胞が採取できます。
従って、婦人科感染症の検査はこれ一本採取するだけで大半の検査が可能になります。
例えば、細胞診、HPV検査、淋菌・クラミジア・トリコモナス・カンジダなどの感染症、腟内フローラや細菌性腟症の検査などが可能です。
検体の処理から顕微鏡の観察まで、十分な訓練を受けた細胞検査士が検査することで医師採取と同等の精度が得られます。

【欠点】
子宮体がんは検査の対象外です。早期に発見するのは困難な場合があります。
子宮頸部の奥に発生する子宮頸部腺がんも早期に発見できないこともあります。
■ 細胞診を目的とした場合、細胞成分が沢山採取されるため目的の異型細胞の数が相対的に少なくなるため、標本の作製や顕微鏡を観察する際、通常の標本(医師が採取したもの)より、より慎重に対応しないと、極端に検査精度が落ちてしまいます。従って、自己採取法の検体を受け入れる検査機関はそのことをに対する教育を、それを依頼する側も検査機関の対応をチェックすることが最も重要になります。

初期は異型細胞が検出できないこともあるが医師採取も同じ

左の列から説明すると、2008年の4月から2010年の10月まで調べたものです。
最初にASC-US(1:黄色)の細胞が検出されてからてからLSIL(2:オレンジ)が検出されたり、異型細胞が検出されない(NILM)になったりを繰り返します。おおむね90%のケースでHPVが自然にいなくなると言われています。私達はこのような時期を第一段階としています。
中央の列も最初は第一段階ですが、2011年2月の検査で初めてASC-H(HSILの存在が否定できない)の細胞が出ました。私達はASC-H(3:ピンク)の細胞が出た段階で第二段階の始まりとみています。このように第二段階は、NILM(異型な細胞がみられない)、ASC-US、LSIL、ASC-H、HSIL(中等度異形成や高度異形成、上皮内癌が含まれます)の細胞が出たり出なかったりする時期です。そして右の列のした1/3の様に、毎回ASC-H以上の異型細胞が出続けるようになったら第三段階としています。
先生方の判断にもよりますがASC-HやHSILの細胞がみられるようになると組織検査が行われ、円錐切除術やレーザー蒸散法による治療が行われます。
このように、第3段階になるまで何年もかかるのが子宮頸がんです。第一段階はその90%がHPVが自然に消失すると言われますが(私達が確認したことではありません)、残りの10%が第二段階に進んでいくので、長い期間定期的に細胞診で異常な細胞が出ていないかチェックする必要があります。しかし、NILMが続くと、仕事は忙しいし、とても面倒なので、もう大丈夫なのではないか? と勝手に判断し、定期検査を受けなくなってしまう人がいます。
せっかく検診でがんになる種を見つけたのにこれでは救える子宮も命もがんの思うつぼになってしまうのです。
こんな方、ひょっとして多いのではないか?とても心配しています。
前の表でも分かるように、第3段階に入ると自己採取された検体でも毎回異常な細胞が出るようになります(もちろんこれに当てはまらないケースもあると思いますが、)ので、忙しい方や面倒になってしまう方は、そんな時だけでも自己採取でチェックして頂きたいものです。セルフメディケーション(自分の健康は自分で守る)の考えがあれば、自分に最適なキットや検査機関を選ぶことができると思います。
また検査機関や検査キットを提供する側は、受診者がそれを判断できる十分な説明責任があります。

検査精度や効率、、、それも大切なことですが、優しさが一番

「椎名君、日本の女性にとって(私達のような)婦人科の敷居は高いんだよ。
おかしい? いつもと違う? と思ってもついつい我慢して手遅れになってしまうことが多いんだよ。
何とか自己採取による検診の精度が上がる様な方法を考えてくれないか」
、、、と言われた産婦人科医で細胞診専門医でもある故八田賢明先生の言葉は大変重いものがありました。
その一言でアイラボの今があるように思えます。
そうなんですよ。高度な知識や技術を持ち合わせていても本当の優しさがなければ、日本の子宮頸がん検診の受診率は上がらないと思います。
私達が自己採取にこだわり、どうしたら検査精度が上がるのか、この20年ずっと考え実践してきました。
【ポイント1】採取器具はお医者さんの代わりになるものですから、その選択を誤るとその先の検査に最善を尽くしても良い結果が得られるはずはありません。私達はこれまでの経験から画像左の加藤式採取器具を選びました。
【ポイント2】検体の処理方法の検討では、加藤先生が考案した検体の塗抹方法(検体をスライドガラスに塗る方法)は採取器具から直接塗抹する方法ですが、この方法だと大切な細胞が塗抹周辺に偏り、細胞が重なった部位の観察がしにくくなり、結果として異常な細胞を見落とす原因になります。私達は採取された細胞を全て保液中の中に洗い出し、遠心分離後の沈査を検体とし、すり合わせ法(2枚のガラスに均等に塗抹する方法)で標本を作製しました。この操作をすることで顕微鏡で観察しやすいきれいな標本が作製されます。
【ポイント3】は細胞検査士(顕微鏡を観察し異常な細胞を見つけ、その細胞がどの程度の異常かを判断する特殊臨床検査技師)によって診断されます。人による仕事ですので極めて責任の重い仕事になります。ポイント1、ポイント2の工程で最善の仕事をしてきてもポイント3で適切な仕事ができないと検査精度は著しく下がります。使命感が求められる作業になります。
このように自己採取細胞診は全ての工程に最善を尽くして初めて医師採取と同じ成績が期待される検査なのです。
加藤式採取法をこのように改善することで有効性を評価したのがこの論文(これは和訳したもの)です。
私達が経験した某検診機関で実際あったケースを紹介します。(下の表に関する説明です)
N社の担当者(臨床検査技師)から、「従業員の子宮頸がん検査をお願いしたいのですが、アイラボさんは加藤式のみを採用されているんですよね。」という確認の電話があり、翌年から従業員の子宮頸がん検診を受託しました。一方、N社は家族検診を某検診機関に委託していましたが、その理由も加藤式採取器具を採用していたからとの事でした。つまりN社の担当者は会社の事情で自己採取による検診を選ばざるをえなかった様ですが、それなら加藤式を採用している検診機関、検査会社を探したようです。
担当者は従業員そしてその家族のことを精一杯考えた末の決断であったと思います。
そして数年が経過したある時、某検診機関の最高責任者から一本の電話があり、「N社担当者から家族検診の子宮頸がん検査をアイラボさんにお願いできないかというのですが、どんなことか説明して頂きたいのですが」という内容でした。当時N社からはそのことに関した何の連絡もなかったので、急いで某検診機関の訪問させて頂きました。そして当社の加藤式採取器具による検査方法を説明させて頂きました。その会議の最後に、責任者の方は即決で、「それでは来年度から全ての子宮頸がん検査はアイラボさんにお願いします。」という返事を頂きました。
下の表を見るとその理由は一目瞭然です。
同じ加藤式での検査、毎年同じ受診者(母集団)でこれだけの差が出てしまっていたのです。
もちろん某検診機関は検査会社に委託していました。その検査会社はいつもと同じように(加藤式の通常の方法)検査をした結果です。自己採取検体を医師採取と同じように検査した結果です。

N社担当者(臨床検査技師)、某検診機関責任者(医師)共に優しさを感じた方々でした。
この表をよく見て頂けると、これまで述べてきたことが理解できると思います。
優しさが一番大事と言いましたが、そのためには検査に関わる労力は医師が採取した検体に比べると2倍も3倍もになるのです。
ある検査会社にお手伝いに行っていた時、異常な細胞が沢山存在するケースを「異型細胞はありません」と診断した検査士さんがいました。どうしてこんなことになってしまったのか理由を問うと「自己採取検体だからサッと診てしまいました」という回答が返ってきました。全く逆なのです。加藤式自己採取器具は正常な細胞も沢山採取されますので、相対的に異常な細胞は少なくなります。私達が細胞検査士資格認定試験を受けた頃は1枚の標本の中に異常な細胞が数個から5・6個しかない標本を一定の時間内で観察させ、的確に異常な細胞を拾い上げる試験がありましたが、自己採取検体を検査する時はまさにこの試験の様に“一つでも異常な細胞は見逃さないぞ”という思いの使命感が必要なのです。
細胞診という検査は、検体を機械にかければ自動的に結果が出てくるというものではありません。いくつもの工程を適正に行い、最終的には使命感をもって顕微鏡で観察する検査ですので、私達は自己採取検体を扱う細胞検査士を独自に再教育しています。
そしてそれを終了した細胞検査士に下のような修了書を渡しています。
細胞診検査とは、自己採取検体を扱うということは、こんなことを考えなくてはいけない検査なんです。
私達が細胞診を始めた頃、(50年も前の話で恐縮ですが)野田紀一郎先生(日本での子宮頸がん検診の先駆者)が、子宮頸がん検診を受ければ子宮頸がんで亡くなる人をゼロにすることができる(正確な表現ではないかも知れませんがそのような意味の言葉)ということをおっしゃっていました。当私はその言葉に感動し、今もそれを信じていますが、現実を冷静に見ると、残念ながら細胞診の信頼性はかなり揺らいできた感があります。2009年以降子宮頸がん検診の受診率を5年間で50%まで引き上げる目標を掲げ様々な団体を巻き込み、啓蒙活動が行われてきましたが、15年が経過しても未だにその目標には至っていません。
そんなこともあってか、今年からHPV検査が子宮頸がんガイドラインで推奨ランクAになりました。この検査は、子宮がんの原因になるハイリスク型HPVの感染があるかどうかを調べるものものです。細胞診は異常な細胞が出ているのか?そしてその細胞はどの程度の異常(LSIL、HSILなどの)かを調べる検査なので、内容はかなり異なります。次のテーマは「HPV検査単独法」について考えてみたいと思います。

細菌性腟症と診断された1ヵ月後はどうなった?

8月6日の記事で紹介した「婦人科で治療後におりものと臭いが気になるようになった」方からの情報が届きました。
前回は生理が終わって間もなく採取しましたが、今回は生理の直前に採取して頂けました。
生理後は腟内を血液で洗い流した後ですので、乳酸菌は少ない可能性があるので今回は乳酸菌が最も多くなる生理直前に検査して頂きました。
それでは早速前回と比較してみましょう。

先ずは前回の写真をもう一度見てみましょう

先ずは、弱拡大で全体を見てみましょう。
標本背景に白血球の増加(腟炎)はなく、一見とてもきれいな腟内の様に思います。
しかし、赤の矢印の先には細胞の上に腟ガルドネラ菌が群がるクルーセルが見られます。

生理直前の細胞像で治療はしていません。

前回に比べ、白血球が多くなり、若干腟炎の様相を示しています。
また、クルーセルは見られますが、前回ほど腟ガルドネラ菌の群がり方が弱いようです。

拡大を上げた前回の写真です。

赤の太い矢印の先には紫色に染まる腟ガルドネラ菌が細胞にびっちり群がっています。
菌にとっての栄養源(グリコーゲン)の豊富な細胞に集まっているのでしょうか?
赤の細い矢印の先の様に細胞の周りにも腟ガルドネラ菌の集まりが見られます。
黄色の矢印の先にあるのが白血球ですが、典型的な細菌性腟症では増えません。

拡大を上げた今回の写真です。

一見して前回の生理直後に比べ、白血球が多くなり、腟ガルドネラ菌がクルーセルに集簇するだけでなく前面に広がっている感じに見られます。2枚とも細菌性腟症が疑われる所見に違いはありませんが、細胞像的にはかなり異なっています。白血球が増えていることも要因の一つかもしれませんが、今回の月経前採取例は黄体ホルモン優位な時期なのでホルモン環境の違いによる可能性も考えられます。

これは前回の単染色による腟ガルドネラ菌です

細胞の中に無数の菌が存在し、クルーセルの形態をとっています。

これは今回の単染色の所見です

この写真でも、クルーセルの形態を採るものより、標本全面に腟ガルドネラ菌が散らばっている様子が分かります。細胞融解によって栄養源(糖分)が膣全体に分散されたことによる変化なのでしょうか?

提供者はこれから細菌性腟症と対峙するようです

https://ja.thpanorama.com/articles/biologa/gardnerella-vaginalis-caractersticas-morfologa-ciclo-de-vida-contagio.html

細菌性腟症の原因についてネットで検索すると極めてたくさん出てきますが、今回情報を提供してくれた方は子宮頸部高度異形成のレーザー蒸散術後に症状が現れたとのことですので、抗生物質投与による正常細菌叢の乱れがそのまま継続している可能性が考えられます。また最近の電話相談でも、クラミジアの治療後にこれまで経験したことがないおりものの異常と異臭に悩まされている方がいます。

細菌性腟症の主な原因菌は腟ガルドネラ菌Gardnerella vaginalis です。この菌は腟内フローラの一員でもありますが、乳酸菌に対しては“ビルレント(敵対的)になることができて”増殖を抑制し、自らが腟内を支配することができることがあるようです。
健康な膣内は、乳酸菌の増殖により腟内の酸度はpH3.5程の強い酸性域にあるため、他の細菌が増殖できない環境を維持しています(膣の自浄作用)が、腟ガルドネラ菌等の嫌気性菌に支配されると腟内酸度が低下し、典型的な症状として灰白色のオリモノの増加と異臭(プトレシンやカダベリンの生成)を伴うようになります。※プトレシンはアミンの一種で腐肉の臭い成分で死臭の一因とも言われています。
そのような異臭の程度は様々で、ほとんど気にならない方から、電車で隣の席にいても分かるくらいまでさまざまです。時にはパートナーに不快感を与えてしまう事もありますので、ひどくなってしまったら治療の対象になるようです。

私自身はこれまで性行為で感染するものではないと考えていますが、私の友人の婦人科医は性感染症の位置づけで、治療しても夫婦間交渉ですぐ再発しまうといいます。

従って、治療に際しては、単にフラジールの1週間投与だけでなく、性感染症も考慮して生活環境も踏まえた入念な対策が必要かも知れません。