第3報 細菌性腟症の治療に挑戦、思いがけないハプニングが

第1回(8月6日:婦人科で治療後にオリモノや臭いが気になるようになった)、第2回(8月29日:細菌性腟症と診断された1ヶ月後はどうなった?)の記事で紹介した女性(Eさん)がフラジールによる治療に挑戦した記録を報告します。

先ずは初回の写真をもう一度見ておきましょう

月経の出血が終わった時期(7日目)に採取した画像です。
標本の背景はきれいですが、写真中央に細菌性腟症に特徴的なClue cell(クルーセル)が見られます。
月経中も腟ガルドネラ菌はしっかり生きていたことが分かります。乳酸菌の姿はほとんど見ることはできません(元来、排卵の頃まで乳酸菌はあまり見られません)。

生理直前の状態を見てみると 驚き!でした

前回(月経直後)に比べ、白血球が多く若干腟炎を伴っているように見えます。
Eさんもこの写真を見て大変驚かれた様子でした。

少し話は飛びますが、Eさんが「アイラボさんの商品の中にオシャレな貴女のパスポートというキットがありますが、どんな思いで名付けたのですか?」と質問されたことがありました。
「顔のお手入れや素敵な洋服を身に着けるのと同じように、デリケートゾーンのおしゃれ(健康)にも気を使ってくださいね。」という思いでそのキットを作ったことを話すと、Eさん「それって素敵ですね。私も何とかデリケートゾーンの健康を取り戻したいので治療に挑戦します。」
ということで、生理が終わった時点で婦人科を受診しました。

治療にはフラジール腟座薬が処方されたようですが?

5日分のフラジール腟座薬を処方して頂きました。
2週間ぐらいは良くなった気はしましたがすぐに戻ってしまいました。
(細菌性腟症の治療を行っている婦人科医に治療効果について尋ねてみると、「治療しても一時的には良くなるが、パートナーとの性交渉を始めると元に戻ってしまう。」という回答を頂いていました。「今回もそうか?」と、少し落ち込みましたが、細菌性腟症は性感染症ではないとの認識を持っていましたので、この点についてもいずれ解明する必要があると改めて感じました。

そこで今度はEさんの知り合いの医師に相談し、以下の様にしっかりした治療スケジュールを作成し、同医師より処方していただく事にしました。

【治療の予定】
9/2~1週間目、フラジール腟座薬・飲み薬
9/9~2週間目、フラジール腟座薬
9/15終了
9/19自己採取検査
9/21生理スタート
パートナーには飲み薬を飲んで頂く予定です。


実際は、経口薬は9/3~9/10、腟座薬は9/3~9/17投与しました。
腟座薬を1回挿入だけでオリモノはほとんどなくなり、臭いも感じません。おりものの性状は腟座薬のカスが残っている感じで白いものが出てきます。
予定より生理が4・5日早く来てしまい検査できなかったので、9/26日に検体を採取してアイラボに送りました。

9/26日採取の検体を見てびっくり

治療が終わったばかりというのに、この白血球の多さは何?どうなってんの?
細菌性腟症を疑う所見はないけど、何やら小さな桿菌がいる(写真にすると見にくいですね)
この菌が炎症の原因か?
グラム染色でもう少し詳しく見ると、グラム陽性桿菌がたくさん!
乳酸菌とは大きさが全く異なるので一目瞭然(おかしい)

9/29日 Eさんから一枚の画像 おしっこが真っ赤に!

9/26日に検体を採取してアイラボに送りましたが、この日から残尿感を感じおかしいと思っていましたがそのまま放置していたら9/29に血尿になりました。病院に行ったところ膀胱炎と診断され、ホスミシン(ホスホマイシン)を処方された。おりものは少し増え、においも感じるようになり、状態はあまりよくありませんが、本日10/4日検体を送ります。

さてその結果はどうなんでしょうか?
今日はここまでにします。

細菌性腟症と診断された1ヵ月後はどうなった?

8月6日の記事で紹介した「婦人科で治療後におりものと臭いが気になるようになった」方からの情報が届きました。
前回は生理が終わって間もなく採取しましたが、今回は生理の直前に採取して頂けました。
生理後は腟内を血液で洗い流した後ですので、乳酸菌は少ない可能性があるので今回は乳酸菌が最も多くなる生理直前に検査して頂きました。
それでは早速前回と比較してみましょう。

先ずは前回の写真をもう一度見てみましょう

先ずは、弱拡大で全体を見てみましょう。
標本背景に白血球の増加(腟炎)はなく、一見とてもきれいな腟内の様に思います。
しかし、赤の矢印の先には細胞の上に腟ガルドネラ菌が群がるクルーセルが見られます。

生理直前の細胞像で治療はしていません。

前回に比べ、白血球が多くなり、若干腟炎の様相を示しています。
また、クルーセルは見られますが、前回ほど腟ガルドネラ菌の群がり方が弱いようです。

拡大を上げた前回の写真です。

赤の太い矢印の先には紫色に染まる腟ガルドネラ菌が細胞にびっちり群がっています。
菌にとっての栄養源(グリコーゲン)の豊富な細胞に集まっているのでしょうか?
赤の細い矢印の先の様に細胞の周りにも腟ガルドネラ菌の集まりが見られます。
黄色の矢印の先にあるのが白血球ですが、典型的な細菌性腟症では増えません。

拡大を上げた今回の写真です。

一見して前回の生理直後に比べ、白血球が多くなり、腟ガルドネラ菌がクルーセルに集簇するだけでなく前面に広がっている感じに見られます。2枚とも細菌性腟症が疑われる所見に違いはありませんが、細胞像的にはかなり異なっています。白血球が増えていることも要因の一つかもしれませんが、今回の月経前採取例は黄体ホルモン優位な時期なのでホルモン環境の違いによる可能性も考えられます。

これは前回の単染色による腟ガルドネラ菌です

細胞の中に無数の菌が存在し、クルーセルの形態をとっています。

これは今回の単染色の所見です

この写真でも、クルーセルの形態を採るものより、標本全面に腟ガルドネラ菌が散らばっている様子が分かります。細胞融解によって栄養源(糖分)が膣全体に分散されたことによる変化なのでしょうか?

提供者はこれから細菌性腟症と対峙するようです

https://ja.thpanorama.com/articles/biologa/gardnerella-vaginalis-caractersticas-morfologa-ciclo-de-vida-contagio.html

細菌性腟症の原因についてネットで検索すると極めてたくさん出てきますが、今回情報を提供してくれた方は子宮頸部高度異形成のレーザー蒸散術後に症状が現れたとのことですので、抗生物質投与による正常細菌叢の乱れがそのまま継続している可能性が考えられます。また最近の電話相談でも、クラミジアの治療後にこれまで経験したことがないおりものの異常と異臭に悩まされている方がいます。

細菌性腟症の主な原因菌は腟ガルドネラ菌Gardnerella vaginalis です。この菌は腟内フローラの一員でもありますが、乳酸菌に対しては“ビルレント(敵対的)になることができて”増殖を抑制し、自らが腟内を支配することができることがあるようです。
健康な膣内は、乳酸菌の増殖により腟内の酸度はpH3.5程の強い酸性域にあるため、他の細菌が増殖できない環境を維持しています(膣の自浄作用)が、腟ガルドネラ菌等の嫌気性菌に支配されると腟内酸度が低下し、典型的な症状として灰白色のオリモノの増加と異臭(プトレシンやカダベリンの生成)を伴うようになります。※プトレシンはアミンの一種で腐肉の臭い成分で死臭の一因とも言われています。
そのような異臭の程度は様々で、ほとんど気にならない方から、電車で隣の席にいても分かるくらいまでさまざまです。時にはパートナーに不快感を与えてしまう事もありますので、ひどくなってしまったら治療の対象になるようです。

私自身はこれまで性行為で感染するものではないと考えていますが、私の友人の婦人科医は性感染症の位置づけで、治療しても夫婦間交渉ですぐ再発しまうといいます。

従って、治療に際しては、単にフラジールの1週間投与だけでなく、性感染症も考慮して生活環境も踏まえた入念な対策が必要かも知れません。

婦人科で治療後におりものや臭いが気になるようになった

高度扁平上皮内病変(high-grade squamous intraepithelial lesion:HSIL)で円錐切除術レーザー蒸散術で治療した患者さんがその後の細胞診検査で、細菌性腟症が疑われるケースをよく経験します。2年程前に、私の友人もCIN3で子宮頸部レーザー蒸散術を受けました。その後今まで経験したことがない程のオリモノが増え、臭いも気になるとのことで、自己採取(セルソフト)法により細胞診検査とHPV検査を受けました。
幸いなことに異型細胞は観察されず、ハイリスク型HPVも検出されませんでした。
しかし、その時の細胞像を見てみましょう。

典型的な細菌性腟症を疑う所見です

先ずは、弱拡大で全体を見てみましょう。
標本背景に白血球の増加(腟炎)はなく、一見とてもきれいな腟内の様に思います。
しかし、赤の矢印の先には細胞の上に腟ガルドネラ菌が群がるクルーセルが見られます。
拡大を上げた写真です。
赤の太い矢印の先には紫色に染まる腟ガルドネラ菌が細胞にびっちり群がっています。
菌にとっての栄養源(グリコーゲン)の豊富な細胞に集まっているのでしょうか?
赤の細い矢印の先の様に細胞の周りにも腟ガルドネラ菌の集まりが見られます。
黄色の矢印の先にあるのが白血球ですが、典型的な細菌性腟症では増えません。
これはグラム染色で腟ガルドネラ菌を染めた写真です。
緑の矢印で示した先には、赤く染まる腟ガルドネラ菌が塊で見られます。
これもグラム染色で染めた腟ガルドネラ菌で、1000倍に拡大した写真です。
本来はグラム陰性(赤く染まる)菌ですが、このように赤みが弱かったり、
青っぽく染まることもあります。
こちらは単染色という方法で染めた標本ですが、
細胞の中に無数の菌が存在し、クルーセルの形態をとっています。
スマホでの撮影ですので、見難くてすみません。

いろいろな染色を紹介しましたが、最初の2枚の写真の様に子宮頸がん検診に使われるパパニコロウ標本でもきれいに観察できますね。

同じ症状で悩む人のために友人が情報も寄せてくれました

そのまま紹介します。
【術前】
・元々おりものは生理の前後にありましたが、おりものシートを付けたことはありません。
・おりものが出て気になったのは月に数回のイメージで気にも留めていませんでした。
2021年9月21日手術(以前伺った話によりますと、高度異形成と診断され、子宮頸部レーザー蒸散術を受けたと聞いています。)

【術後】
1ヶ月間は出血が続きました。もともと生理の時の出血は多い方ですが、出血が多い日が続く感じで貧血気味になりました
・術後特に意識はしていなかったのですが、(今思うと)人生初めておりものシートを購入し、ここ2年はおりものシートが手放せなくなっています。生活のリズムやスタイルは特に変化はありませんし、どちらかというと術前の方がストレスフルな生活をしていたり、パートナーとの性交渉も多かったにもかかわらず、おりものの症状は今ほど気にならなかったので、治療により腟内の環境が変わったのかな?、、、と思います
・オリモノの性状は術前は白っぽかった気がしますが臭いは特に気にするほどではありません。現在は水っぽい感じで量が多く、臭いも気になります。卵スープみたいにうっすら色がついていました

おりものの変化を感じても後廻しにしていませんか?

おりものは健康な人にも見られるものです。
教科書的には、「排卵の頃、無色透明で、臭いもない」おりものが出ることは正常であり、排卵の目印にもなるようです。
白く濁ったり(カンジダ)、黄色味を帯びたり(腟炎がある時)、褐色調(古い出血)に見えたりすることもありますので、
日頃から自身の健康を管理する上で観察する習慣を身につけることも大切かも知れません。

おりものの性状については他の人と比較することもできませんので、「いつもと違う」「なんとなく変」と思ったらそのままにしないで検査だけでもしておきましょう。

私の推奨
◆性感染症(性病)の心配もある。
「おりもの&臭いの検査」
◆オーラルセックスも同時にあった。
「腟と咽頭のSTDチェック」
◆性感染症(性病)の心配はないけどおりものが気になる
「腟内フローラチェック」

乳酸菌は大量の抗生物質の使用で死滅し、復活できていないのか?

はじめに述べましたように、婦人科の先生から依頼される細胞診検査の中には、円錐切除術やレーザー蒸散術後のフォローアップ検査(異常な細胞が消滅しているか?再発していないか?を定期的にチェックすること)の中に今回紹介した細菌性腟症を疑うケースが少なくありません。アイラボではその事実を先生方に報告しますが、検査会社の中には細菌性腟症が疑われてもそのことを報告しない施設も多いようです。
せっかく婦人科を受診しているのですから、女性のそんな悩みにも目を向けていただけたらと思いますが、現実は決してそうではないようです。
病院を受診しても先生には何も言われなかったので、自分の今の症状は異常ではないと思い込んでいる人も少なくありません(無料電話相談より)。
この友達はレーザー蒸散術を受けましたが、医師は術後に異型細胞があるかどうか? 再発は大丈夫か?という点に力点を置いていますが、生活の質の回復にも同じような配慮があって欲しいものです。

この友人は自身で生活の質の向上にチャレンジするようですが、その歩みについても報告頂けるようです。
同様の悩みを抱える皆さんはお気軽にアイラボの無料相談をご利用ください

嫌な臭いが心配で郵送検査を受けた

最近においが気になるので郵送の検査を受けた
ケースの話。
性器の臭いは様々です。
自分の臭いが異常なのかどうなのかもわからない人が多いようです。
昔、日本臨床細胞学会で細菌性腟症に関する発表をしましたが、座長の先生から「細菌性腟症はどんな臭いですか?」との質問を受けました。
「私は医者ではないので、臭いについては分かりません。」と答えると、座長の先生は、「診察の時、最もきついニオイは進行した癌ですが、診察の時チョット臭いが気になる人がいますが、それなのかな?」と言っていました。
私が細菌性腟症の研究を始めたきっかけは、ある婦人科の女医さんが子宮頸がん検診の依頼書に(臭い⊕)と書かれていましたが、その数があまりにも多いので先生に問い合わせると、「気になる臭いがあるのでそう書いています。父(婦人科医)が「診察の時に気づいたことがあればメモをしておきなさい」と言うので、いつもそうしていますが、何か困ることがありますか?」という答えが返ってきました。
実はこの女医さん、細菌性腟症という言葉は知っていましたが、先生が(臭い⊕)と書かれた人が細菌性腟症による臭いとは理解されていなかったようです。
このことからも分かるように、細菌性腟症はちょっと気になる臭いなんです。
医学的には「魚臭帯下(魚の生臭さ)」と表現されますが、女の子の間ではイカ臭いと表現されることが多いようです。
この依頼者も、イカ臭いと表現していました。
早速細胞像を見てみましょう。
このように弱拡大で観察しても一目瞭然細菌性腟症が疑われる所見です。
でも待てよ!写真中央にちょっと目立つ大きな細胞があります。
これも細胞検査士が見れば一目瞭然ヘルペス感染細胞かな?
拡大を上げてみました。
大きな細胞の中に複数の核が見えます。
典型的なヘルペス感染細胞です。
しかも核の中をよく見ると、赤っぽく染まる丸い大きな物が見えますが、これは好酸性核内封入体と言います。
これは初感染(初めてヘルペスに感染)では見られない現象で、再発を意味します。
つまり、現在ヘルペスの症状はないが、腟内で再発しているという事なのです。
やはり細胞診はすごいね

他の部位にも同じような細胞が見られます。
こちらも拡大を上げてみました。
核がたくさんある細胞のように見えますが、
実は別々の細胞が寄り集まって一つの細胞のように見えるのです。
ヘルペスに感染した細胞は細胞融合を起こすため、
各々の核が重なることなしに寄り集まっているように見えるのです。

腟内のヘルペスは症状が出ないので発症に気付かない!

ヘルペスが外陰部に初めて発症した時は、
激痛のため歩行困難になることもあります。
しかし、再発を繰り返すたびに症状は軽くなります。また、腟内に発症した場合、今回の様に痛いといった症状は出ませんので、
発症していることに気が付かないため、
この時期の性交渉は大変危険です。

といった具合で、
細胞診って色々なことが分かるから、誰でも
気軽にチャレンジできる郵送検査
を利用してくださいね。

腟活サプリメント!! 
 WOMANs VALUE AWARD 最優秀賞 受賞

この度、一般社団法人日本ウーマンズバリュートレーニング協会が主催する
「WOMAN's VALUE AWARD~Femtech~」にて、アイラボとコラボしているFemCiaさんの
サプリメントと検査キットが下記の賞をダブル受賞いたしました!!

【サステナブル部門】   最優秀賞『CareLact』
【エンパワーメント部門】 優秀賞 『膣内フローラ検査キット』
 
腟活サプリメントとして毎日の健康のサポートにお役立ていただければ幸いです。
フェムシアの膣内フローラサプリ、”Care Lact サプリメント”とは?
とても不思議に思うかもしれませんが、Care Lact(ケアラクト)は乳酸菌(GR-1、RC-14)で膣の調子を整えることが出来ます。消費者庁の機能性表示食品としての届出をしている商品で、効果や安全性のエビデンスが揃っています。
いくらお手入れしてもケアしきれない理由は膣内環境にありました。膣内には善玉菌と悪玉菌が存在しています。善玉菌とは、ラクトバチルス属の乳酸菌のことで、その乳酸菌の働きで腟内が常に「酸性」に保たれるようになっています。しかし、膣の不調の原因は乳酸菌の減少で悪玉菌が増え、膣内の「酸度が低下」してしまうからです。
酸性に保たれた膣内は、雑菌の侵入や繁殖を防ぎ、健康な状態を維持しますが、疲れやストレス、抗生物質の服用、性行為、膣洗浄などの影響で善玉菌が減ってしまうと自浄作用が機能しなくなってしまい、様々な膣トラブルの原因となります。
ケアラクトは、2種の生きた乳酸菌が約10億個配合されており、これにより膣内環境を整えます。
お薬ではないので即効性はありませんが、乳酸菌で膣内フローラを整えることで不調に強い環境を備えます。副作用がなく、体に優しいサプリメントで長期的にケアすることをオススメします。

 パッケージをクリックでお申込みフォームへ

分からないことがありましたらお気軽に!

検査のお問い合わせは 
アイラボ ☎042-652-0750

サプリメントのお問い合わせは
株式会社ドウシシャFemcia
公式サイト https://femcia.com/
☎0120-147-148 
受付時間:平日10:00~17:00
(年末年始・夏季休暇等を除く)

アイラボが取り扱う女性用検査キット一覧は以下からご覧になれます。

https://ilabo-cyto-std.com/onlineshop/category/item/itemgenre/forfemale

円錐切除術後に細菌性腟症が多いのはなぜ!

数年前に上皮内癌の治療で円錐切除術を受けた方が、それ以降臭いが気になるようになった。ということで腟内フローラチェックを希望されました。実は、私達が病院の先生方から依頼される円錐切除術やレーザーによる治療後の細胞診検査においても細菌性腟症が疑われるケースは少なくありません。むしろなぜこれらの治療後に細菌性腟症が多いのかいつも疑問に思っています。
案の定、この方も下の写真の様に典型的な細菌性腟症が疑われる所見です。
写真の様に、背景に白血球の増加(腟炎)はなく、比較的きれいですが、乳酸菌はほとんど見られずクルーセルを伴って腟ガルドネラ菌が腟内を支配しています。
一日に同じようなケースに複数遭遇することがあります。
このケースも高度異形成の治療後のフォローアップ例ですが、異型細胞はなく前の写真と同じようにクルーセルが多数見られ細菌性腟症が疑われます。

治療によって腟内フローラが変わってしまったのか?

私は医師ではありませんので、円錐切除術やレーザーによる治療の詳細は分かりませんが、このような治療にはかなり大量の抗生物質が投与され、腟内正常細菌叢である乳酸菌の仲間達が死滅したまま全く回復できず、その後腟内を守るために腟ガルドネラ菌が支配するようになるのか?、、、なんて思ったりしています。
もしそうだとしたら、術後正常細菌叢が回復したことをチェックして頂ければ、今回のケースの様に、術後臭いで悩む人が少なくなるのでは???、、、なんて思いながら毎日顕微鏡に向かっています。

以前検診で軽度異形成と診断されたが病院に行かなかった

「5年前に検診で軽度異形成(LSIL)が見つかったけど、病院に行っていませんでした。
最近あそこの臭いが気になるので、子宮頸がんが心配になり郵送検査をお願いした。」
という女性。
それは気になりますよね。
検診で「要精密検査」と診断されたのに5年間も婦人科を受診されなかったとの事、それでは検診を受けた意味がないですね。でも、アイラボの子宮頸がん検査や婦人科トータルセルフチェックを依頼される方にはそのような方が少なからずおります。
子宮頸がんはがんが進行するまで明らかな症状はありませんが、臭いが気になったので婦人科トータルセルフチェックを受けられたのは正解ですね。
このキットは子宮頸がん検査とおりもの検査を同時に行うキットで、アイラボの郵送検査で最初に販売した商品です。

早速その時の細胞を見てみましょう

こんな細胞が検出されました。
私達はこの細胞でASC-H(アスクエイチ)と診断しましたが、ASC-Hの意味するところはHSIL(高度異型扁平上皮内病変:中等度異形成・高度異形成・上皮内癌が含まれます)の存在も否定できませんという位置づけです。
もっと進んでいなくて良かった!....という思いが率直な感想です。
この細胞ですと、“中等度異形成から高度異形成の存在が否定できない”のであって、上皮内癌まで進んでいないと思うからです。
この方は幸運にもセーフでしたが、LSIL(軽度扁平上皮内病変=軽度異形成)はHPVに感染しているものの腫瘍化していない状態ですが、HSILの病巣があってその部位からうまく細胞が採取されないこともあるので、今回臭いが気になったということですので、がんが進行してしまっている可能性もあるのです。もしそのようなことになってしまったら、子宮全摘手術になったり放射線療法や抗がん剤による治療も必要になってしまいます。せっかく受けた検診が何の意味もなくなってしまうのです。
面倒ですが、それが子宮を守り、命を守るためにあなたにしかできない事なのです。

臭いの原因は何だったのでしょうか?

背景には腟ガルドネラ菌が増えていて、乳酸菌はほとんど見えません。
やはり気になった臭いは細菌性腟症によるものかもしれませんね。
臭いの原因が細菌性腟症とがんの浸潤によるものとでは雲泥の差ですからね。
先ずは本当に良かった。
この結果を持って早く婦人科を受診してくださいね。
今度こそ、絶対ですよ!

性器の感染症では症状が似ていることがい多い

アイラボの無料相談には様々な相談が寄せられますが、今回は性病が心配で婦人科を受診された方のケースを紹介します。

「自分としてはいろいろな検査をして頂きたかったのですが、先生は、淋菌とクラミジアしかしてくれませんでした。来週また受診するのですがどういう風に頼めばいいですか? 
というご相談でした。

実は似たようなケースのご相談は結構あります。
私達は、
「先生は内診や患者さんからの訴えを聞いた上で治療方針を決めますので、検査の項目については基本的には先生の判断ですので、ある意味仕方ないかも知れません。突然機嫌が悪くなったり、“あなたは医者ではありません。判断は私がします。”と言われたりしたケースも以前ありました。また、患者さんの意向に沿って検査をしてくれる先生もいます。先生方の対応はかなり分かれるようです。」
こんな風に伝えます。
かなり前になりますが、同様な理由でアイラボの
おりもの&臭いの検査」を依頼されたケースがありましたので紹介しましょう。

早速その時の写真を見てみましょう。

アイラボの郵送検査では、
たとえ淋菌やクラミジアの様に機械にかけて測定する検査であっても、検体が適正に採取されているかチェックをしてから検査を開始します。
この時の核の染色が濃かったので、白血球が黒っぽく見えます。白血球が少し増えていますので、腟内で炎症が起こっている(腟炎)ことになります。腟炎の原因は何か?ということになりますが、この時依頼された淋菌とクラミジアの検査は陰性でした。

細胞診ってすごいな!
この一枚の写真で腟炎があることだけでなく、
その原因はトリコモナスであることも分かるし、もともと細菌性腟症があるのかな? 
って思えるんですよ。

先ず、赤の矢印で示した先に注目してください。
少し緑色に染まり、小さな核を持つ丸いものが見えますが、これがトリコモナス原虫です。
トリコモナスに感染するとおりものが黄色くなり痒みも伴います。
従って、白血球が増えて腟炎の状態になったのはトリコモナスの感染が原因でした。

次に、この写真全体に“モヤモヤ”感があります。
実はこのモヤモヤの原因は腟ガルドネラ菌です。
乳酸菌はほとんど見ることが出来ません。
従って、このケースはもともと細菌性腟症があったのかな?
そんなことを想像させます。

細菌性腟症は魚臭帯下(魚な生臭いようなアミン臭)が主な症状です。このケースはトリコモナス感染も見られるので、おりものは黄色味を帯びているし、臭いもきついし、かゆみもあるだろうし、患者さんとしては不安でたまらないでしょうね。先生にしっかり検査してほしいと思うのも分かります。でも、淋菌やクラミジアに感染した時でも強い炎症が伴う時には全く同じ症状になるので、先生の気持ちも理解できますよね。

先生方の対応が異なるのはそんなところに原因があるのかな?

オリモノや臭いが気になる時は、早目におりものチェックを!

保険診療の場合、何でもかんでも片っ端から検査するのではなく、先生の判断で必要に応じた検査を選びます。従って、必ずしも予測道理の結果が出るとは限りません。そんな時は次回来院時にその他の検査を追加することになりますので、患者さんにとっては受診が一回増える可能性があります。
郵送で検査が手軽にできるようになった今日では、あらかじめ検査をした上で受診するのも一つの考え方と思われます。
当然のことですが保険適用外ですので、コストがかかってしまう欠点はあります。また、依頼者個人が検体を採取(自己採取)しますので、検体の適否は個人に任されます。説明書をよく読んで採取することが大切です。


アイラボのキットをご利用になる際は、先ず担当者にご相談を!
042-652-0750

子宮頸部の円錐切除術後に細菌性腟症が多い

日常の細胞診業務を行っていると、
子宮頸部の円錐切除術後のフォローアップ例に細菌性腟症が多い気がします。
それは私だけでなく、他の細胞検査士も気になっているところらしい。
このような画像はこのブログでたくさん紹介していますが、
細菌性腟症の典型的な例です。
今回の記事は、職員が画像と記事の概略を提供してくれました。
数年前、夜寝ていると足のムズムズのため、睡眠不足になりました。
もともと子宮筋腫があり、不正出血があったので婦人科を受診しました。
すると、ヘモグロビン量が6.1g/dlとひどい貧血状態であることが判明。
足のムズムズは鉄欠乏性貧血によるむずむず脚症候群であることが判明。
筋腫の数も多いことから、内視鏡的子宮全摘術を受けることになりました。
その手術が終わって1年半が経ったこともあり、
細胞検査士である自分が加藤式器具で採取し、自分が標本を作製し、
自分で顕微鏡を観察しました。 
まさしく、完全セルフチェックですね。
なるほど
白血球はほとんどなく、乳酸菌がたくさん見えます。
アイラボの腟内フローラチェックなら「とてもきれい」と評価できます。
先ずは細菌性腟症になっていなかったことが安心だったようです。

円錐切除や子宮全摘の手術では、感染予防のため大量の抗生物質が使われます。
そのために正常細菌叢が乱れ、改善することなしに乳酸菌の仲間が復帰できない状態が継続しているのではないのではないかと推測しましたが、必ずしもそうではなく、
乳酸菌が住みにくい何らかの要因があるのではないかと改めて感じました。

子宮や腟内の治療後に臭いが気になって悩むようなら、
気軽にチェックだけでも受けてみましょう。

細菌性腟炎ってどんな病気? と言う電話相談。

婦人科に行ったらクロマイとフラジールが処方されました。
と言う女性。話を聞くと、
「黄色いおりものがあり、病院で処方された薬で症状は良くなるけど、
すぐに再発してしまう。」

どうやらそんな悩みのようです。

先生も忙しくて、詳しく説明してあげられる時間がないんだね。
昨年の秋丹精を込めて植え付けた大根です。
このような姿の大根、これが2例目です。
全く!!!
あきれてしまいますね。
畑には最後の大根があります。
何と! 足が3本になってしまいます。
大変みずみずしくておいしいのですが、
何かに呪われているのでしょうか?
良く耕したつもりですが、小石などが混ざっていたようです。

よく相談してくれましたね。

きっと先生は腟炎があると思ったのでしょうね。
あなたが言うようにオリモノが黄色だったから。
この写真はつい先日紹介したものですが、
腟内はこんな感じだったかも知れまっせん。

先生はなぜクロマイ座薬を処方してくれたのでしょうか?

多分この薬を投与する前に淋菌やクラミジアなどの感染はチェックしてくれたと思います。
クロマイ(クロラムフェニコール)は、いろいろな菌を殺すことが出来る抗生物質です。
腟炎を起こしている菌だけでなく大切な乳酸菌まで死んでしまいます。
悪い菌を排除するために仕方ないことなのです。
この治療を1週間位続けるとおりものは少なくなり、綺麗になってきたことが実感できます。

その次に処方されたフラジール経口薬を約1週間服用

腟内洗浄後にクロマイ座薬を挿入してきれいになったところに
フラジール(メトロニダゾール)を服用します。
この抗生物質は細菌性腟症の主な原因菌である腟ガルドネラ菌を殺してくれますが、
腟に大切な乳酸菌の仲間は殺しません。


なので、フラジールは細菌性腟症の治療にはもってこいの薬なんです。
先生がどんな目的で2つの薬を処方してくれたのか分かったでしょうか?

実はこれからが問題なんですよ。

クロマイで悪い菌を殺し、さらにフラジールで悪玉菌の腟ガルドネラ菌を殺しつつ乳酸菌が増えやすい環境を整えたのです。
確かにその時点では、おりものは少なくなり、臭いが気にならなくなったと思います。
もう治った! でもそう簡単にはいかないのです。
元の生活習慣に戻ったとたん細菌性腟症が再発してしまうことが少なくないのです。

私はこう伝えました。

治療後は乳酸菌がたくさん増えるまで腟内をなるべく静かにしてあげましょう。
そしてセックスを再開するようになったらしばらくはコンドームをしましょう。
行為が終わったら外性器を洗ってその日は腟内を静かにしてしておきましょう。
コンドームをするのはうつるからではなく、
腟内射精を避けるため。
このことについては私が研究して確認したわけではありませんが、
精液はアルカリ性なので、
腟内の乳酸菌がしっかり増えるまでは酸性の環境の方がいいのかな?
と思うからです。

さらにこう付け加えました

生理は月経血で月に一度腟内を洗ってくれる役割もあります。
そのため、月経最後の頃は乳酸菌の数もかなり少なくなっています。
生理の終わりごろ、早く綺麗にしたいとの思いから腟洗浄をしてしまう人がいます。
少なくなった乳酸菌が、これから増えようとしている時期、それはないですよね。
腟の自浄作用とは、十分な乳酸菌によって腟内の酸度を高めることで、いろいろな菌が膣内に侵入しても、増殖できない環境を作っているのです。
腟洗浄は、
そんな腟の守り主を排除してしまう行為です。

医師が治療のために行う以外、
自分で行う腟洗浄はやめましょう。

君には関係ないけど、もしそんな人がいたら教えてあげてね。

細菌性腟症は性行動の活発な10代後半から20代にかけて多く、
30代で若干減少して40代以降また増える傾向があります。
お産を経験したお母さんは入浴時に腟内にお湯が入ってしまうことがある様です。
このことは腟洗浄しているのと同じなので、
そんな時はお湯が入らないような姿勢で入浴することが大切かも知れません。
気になる時はシャワーだけにしてみるのもよいかもしれません。
こんなことを!

最後に! 細菌性腟症は決して病気ではありません。

自分の腟内環境は自分で管理しましょう。
不正出血や異常なオリモノの増加、
そして粘液物質が増えて続く時は
早目の受診が一番です。
多少のおりものや臭いについては常に観察する習慣を身に着け、
自身でコントロールできるようになるといいね。
アイラボのキットがそんな時に気軽に使って頂ければ幸いです。
勿論、ご購入前、検査後のご相談も可能です。

セルフメディケーション(自分の健康は自分で管理しましょう)