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第4層 顕微鏡で見る婦人科の病気(10月10日更新)

第4層は、「顕微鏡で見る婦人科の病気


4-1 白血球の増加(腟炎)
腟炎の原因は様々です。白血球(好中球)が増えることで炎症の有無が分かります。
検査で原因がはっきりしていない腟炎は、非特異性腟炎と言います。
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写真4-1-1
子宮腟部を擦過して採取した検体。画像全体にゴマのように見えるのが好中球です。好中球は正常な腟内にも若干存在しますが、微生物の感染や閉経後腟内が萎縮すると抵抗力が弱まるために炎症を起しやすくなります。写真のケースは淋菌・クラミジア・トリコモナス・カンジダなどの感染はなく、非特異性腟炎と診断されました。
症状➡黄色いおりもの、異臭を伴うことがある➡婦人科受診が基本。
郵送検査➡可能、おりもの&においの検査➡無料相談・追加検査可能。
医療機関➡検査で原因がはっきりしたら婦人科を受診しましょう。
治療➡主治医の指示に従ってください。
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写真4-1-2
腟表面はグリーンに染まる丸い小さな細胞(旁基底細胞)になっているため、萎縮した状態です。好中球がたくさん見られますので、萎縮性腟炎と診断されます。背景にもやもやしているのは細菌と思われますが、この写真から菌の種類を特定することはできません。
症状➡乾燥感、かゆみ、ヒリヒリ感、性交痛、黄色いおりもの➡婦人科受診が基本。
郵送検査➡可能 ①おりもの&においの検査 ②Femバランスチェック ➡無料相談・追加検査可能。
医療機関➡検査で原因がはっきりしたら婦人科を受診しましょう。
治療➡保湿・潤滑療法やホルモン補充療法があります。婦人科で相談しましょう。

4-2 トリコモナス腟炎(STI:性行為で感染します)
性行為でトリコモナス原虫が感染します。黄色から黄緑色のおりものが増加し、かゆみや異臭を伴うこともあります。
腟炎 トリコモナス原虫弱拡大
写真4-2-1
弱拡大で観察している写真です。全面に好中球がみられ、腟炎を起こしていることが推測できます。この程度増加すると、一般におりものは黄色くなり、においやかゆみも伴うようになります。自身でも異常を感じる人が多いと思われます。
トリコモナス原虫 強拡大
写真4-2-2
弱拡大の中心部分を拡大した写真です。黄色い矢印は好中球、青の矢印は腟の粘膜表面の細胞です。赤の矢印で示しているのがトリコモナス原虫です。緑色に染まった虫体の中にうすく青色に染まる核が偏在性に認められるのが特徴です。
症状➡黄色から黄緑色のおりもの、ゆみや異臭を伴うことも➡婦人科受診が基本。
郵送検査➡可能➡①おりもの&においの検査 ➡無料相談・追加検査可能。
医療機関➡検査で原因がはっきりしたら婦人科を受診しましょう。
治療➡ メトロニダゾール(フラジール)250㎎で1日2回、10日間服用。
完治確認検査➡とても大切です。女性のトリコモナスチェック(リンク)
トリコモナス原虫 弱拡大
写真4-2-3
写真は弱拡大で観察しています。好中球は極めて少なくきれいな背景ですので、一見何の異常もないように思われますが、実は注意が必要なケースです。
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写真4-2-4
拡大を上げてみると、赤の矢印のように、典型的なトリコモナス原虫が見られます。このように腟炎を伴わないケースでは、黄色いおりものやかゆみなどの症状が現れないことがありますので、感染の不安がある時は検査だけでもしておきましょう。
4-3 腟カンジダ症(通常、性感染症とは考えられていません)
腟内環境の乱れ、免疫力の低下、ホルモンバランス、生活習慣、など様々な原因で発症します。代表的なものとして抗生物質の使用後の菌交代現象や妊娠時があげられます。
腟炎 トリコモナス原虫弱拡大
写真4-3-1
視野全面に好中球がたくさん見られ、著しい腟炎の状態です。何らかの感染症が考えられます。
トリコモナス原虫 強拡大
写真4-3-2 拡大を上げてみると、赤の矢印で示したところにややオレンジ色に染まるカンジダの胞子が見られます。従って、腟カンジダ症であることは分かります。第2層「症状から考える」で学んだように、カンジダ症は白いおりものが特徴ですガ、このケースのおりものは(好中球が多いので)黄色味を帯び、カンジダ以外の感染症も排除できません。
症状➡白いおりもの、かゆみや異臭を伴うことも➡婦人科受診が基本。
郵送検査➡可能 ①おりもの&においの検査➡無料相談・追加検査可能。
医療機関➡陽性が確認されたら婦人科を受診しましょう。
治療➡ 腟錠や腟座薬、経口薬など、担当の先生より処方されます。
完治確認検査➡女性のカンジダチェック
注意➡腟カンジダ症の放置は完治が難しくなることもありますので早めの受診が大切です。
トリコモナス原虫 弱拡大
写真4-3-3
好中球はほとんど見られません。緑色に見えるのは腟の粘膜表面の細胞ですが、細胞にまとわりつくようにオレンジ色に染まる細長いものが見えます。その部位の拡大を上げてみましょう。
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写真4-3-4
オレンジ色に見えるカンジダの仮性菌糸が細胞にまとわりつくように伸びています。
カンジダ症は、膀胱炎などで抗菌剤(抗生物質)が投与されると、腟内の正常細菌叢(腟内フローラ)が乱れて発症することがあります(菌交代現象)。また、妊娠中は腟内の糖分が増え、カンジダにとっては増えやすい環境になります。
多くは治療で改善しますが、時に治りにくいことがありますので、油断せず早めに婦人科を受診しましょう。