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第4層 顕微鏡で見る婦人科の病気(10月25日更新)

4-4 単純ヘルペスウイルス(HSV)感染(STI:性行為で感染せます)
HSVは1型(口唇ヘルペス)と2型(性器ヘルペス)に分けられていますが、オーラルセックスデ性器に1型が感染するケースは少なくありません。初感染では症状が重く歩行困難になることもあります。
単純ヘルペスウイルス感染細胞①
写真4-4-1
好中球はほとんど見られませんが、背景全体がオレンジに染まっています。赤血球が崩壊したものです。視野の中央に数個の細胞が集塊で見えます。拡大を上げてみましょう。
一つの細胞に核が2つ見え、核は無構造で“すりガラス状”に見えます。HSVに感染した細胞は細胞融合を起こすため、この細胞集塊は将来一つの大きな細胞に核が10個存在するように見えるでしょう。
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写真4-4-2
別のケースですが、この写真でもいくつもの細胞が融合するような所見が観察されます。細胞融合のため、核はお互いに押し合ったように見え、核の周囲が不規則に肥厚しているのもHSV感染の特徴です。
腟炎 トリコモナス原虫弱拡大
写真4-4-3
こちらの細胞も拡大は同じです。前のケースと異なる点は、核の中央部に赤く染まるものがあります。これは好酸性核内封入体といって、HSVが再発した時に見られる所見です。
※HSVは一度感染すると体外に排除されず、神経節細胞の中に潜んだ状態で存在します。そして免疫力が低下すると再発します。
HSVは水疱の底の細胞で増えます。自己採取では対応できないので、婦人科または皮膚科へ早めの受診が必要です。
症状➡ 痛みを伴う水膨れ ➡婦人科または皮膚科受診。
医療機関➡検査は水疱底より細胞を採取(郵送検査は原則不可)細胞診、抗原検出キットやPCR法。
治療➡検抗ウイルス薬で感染の早い段階からの治療が大切。
4-5 クラミジア感染症(STI:性行為で感染します)
クラミジア感染は遺伝子検査で容易に検査は可能です。通常の婦人科細胞診でクラミジア感染を調べることはありませんが、典型的な星雲状封入体が検出された場合は細胞診でも診断は可能です。ただし、星雲状封入体そのものが少ないことや、形態を熟知するのに経験が必要です。
星雲状封入体 弱拡大
写真4-5-1
Dr.シイナが発見し、命名した星雲状封入体(nebular inclusion)を有するクラミジア感染細胞です。扁平上皮化生細胞に感染し、細胞の中でクラミジアが増殖して核が圧排され、典型的な星雲状封入体です(赤矢印)。クラミジアが細胞の中に取り込まれた初期段階(黄矢印)。増殖を始めた初期の星雲状封入体(白矢印)、これらが融合すると赤矢印のような大型封入体になります。
クラミジアの星雲状封入体弱拡大
写真4-5-2
背景にたくさんの好中球が見られ、腟炎の状態であることがわかります。写真中央には扁平上皮化生細胞の集塊が見られ、赤の矢印先端には星雲状封入体らしき構造物が見られます。
クラミジアの星雲状封入体 強拡大
写真4-5-3
顕微鏡の拡大をあげてみると、典型的な星雲状封入体であることが確認されます。
細かな粒子(基本小体)と大きな粒子(網様構造体)で構成されています。
このようなケースは細胞診での診断が可能です。
症状➡無症状が多い、透明で水っぽいおりもの、不正出血、性交痛 ➡婦人科受診が基本。
郵送検査➡可能 おりもの&においの検査 無料相談・追加検査可能。
医療機関➡検陽性が確認されたら、お近くの医療機関に相談。
治療➡抗生物質による治療。
完治確認検査➡治療後3週間後 女性のクラミジアチェック
注意➡ 発見・治療が遅れると不妊症のリスクが高まります。