ある証券会社の素敵な支店長さんの話

ある時、たまたま飛び込みで一緒にゴルフを楽しんだ男性の話。
昼食の時、何気なく自己紹介するような雰囲気になったので、私は八王子市で子宮頸がんや女性特有の悩み(オリモノや臭いなど)に関する検査の仕事をしていることをお話しました。通常、一通り説明しても、本当にどこまで理解して頂けたのか分からない程度の反応ですが、この支店長は少し変わっていて、極めて興味深く私の話を聞き、話の内容も完全に理解して頂けていると感じました。
さすが支店長にもなられる方は違う「頭いい」って印象でした。翌日、会社にその支店長から「一度アイラボ様にご訪問させて頂きたい」旨の電話がありました。早速営業?、、、と思いつつも、これも何かの縁。快く数日後にお会いすることになりました。

第一声は「当社の子宮頸がん検診の実態を調べてきました」と

今日はどんなお話しを聞けるのかな? と思っていると、
「先日は子宮がんや女性特有の悩みを抱える人が多いことなど、大変興味深いお話ありがとうございました。早速当社の担当部署に問い合わせたところ、ごく一般的な検診機関での検診にとどまっていました。本日は、アイラボ様が健康保険組合様に提供しているサービスについてもう少し詳しくお伺いしたくて時間をとって頂きました。」と。
投資のお話ではなく、
『女性社員が健康で仕事に打ち込める環境を整えることが大切』
と力説する支店長さん。
“偉くなる人は違う”、こちらこそお話を聞いていて嬉しい気持ちにさせて頂きました。

大手企業様の中には郵送検査も取り入れている

実際の数は分かっていませんが、通常の企業健診で(受けられるはずの)子宮頸がん検診を受けていない人が少なくありません理由は様々でしょうが、私達のアンケートでは、内診台に抵抗がある、症状もないので受けたくない、以前嫌な思いをした、が多いようです。潜在的には潜在的には嫌なのだと思います。そんな中、アイラボの郵送検査も選択できるようなシステムを取り入れている大手企業がいくつかあります。
この支店長さんは子宮頸がんだけでなく、女性特有の悩み(オリモノや臭いなど)を抱えたことがある女性が91%を占めることを伝えると、福利厚生費などを活用して気軽におりもの検査も受けられるよう考えてみたいと話していました。

オリモノがイカ臭いという悩み、結構多いようです。

おりものの臭いが気になる人で、具体的にイカ臭いと表現される方は結構多いようです。
細菌性腟症の自覚症状として“魚臭帯下=魚の生臭い臭い”という表現がありますが、私達のこれまでの経験で、イカ臭いと表現された多くは魚臭帯下を指しているものと思われます。

オリモノや臭いといった女性特有の悩みを経験した人は91%

昨年の10月に開催されたFem+(フェムプラス)の展示会(東京ビッグサイト)に出展した際にお客様にアンケート調査を実施しましたが、なんと、91%の方が、過去に悩んだことがあると回答しました。
展示ブースでこのようにアンケート調査を実施したところ、
最終的には91%の人が悩んだことがあると回答しました。
他の調査でも
84%の結果を示しています。
このような不快な悩みの原因は様々です。
私達が検査を行う現場では、時に、強烈なな臭いおため、「窓を開けて」、、、と言いたくなるようなことがあります。しかし、その方の自覚症状の欄を拝見しても「臭いは気にならない」と回答している例もあります。
自分では気づかないことも多いようです。
原因となる疾患は、■進行した子宮がん(最も強烈な臭い、最近このようなケースはほとんどありません)、■トリコモナス腟炎(性感染症)、■カンジダ腟炎(性感染症ではありません)、■萎縮性腟炎(性感染症ではなく、婦人科の先生方から細菌性腟症の検査依頼が多いケース)、■淋病やクラミジア感染症(性感染症)、■腟炎(原因不明、調べてみるとマイコプラズマやウレアプラズマが検出されることが多い)、■細菌性腟症(性感染症ではありませんが、毎日のように、しかもかなりの頻度で遭遇しています)
と言うことで、多くの方が悩む原因は細菌性腟症なのです。
これまで何度も同じような写真を投稿していますが改めて腟内をみてみましょう。
細長い針のように見える細菌、これらは“腟の守り神乳酸菌”です。
腟内の糖分(グリコーゲン)をエサにして活発に増えることで、
腟内を酸性にして肛門から侵入する細菌の繁殖を防いでいます。
典型的な細菌性腟症の細胞像です。
細菌性腟症は腟炎を起こさないため白血球は少なく、
見た目はとてもきれいですが、腟ガルドネラ菌が細胞に群がっています。
これをクルーセルと言いますが、細菌性腟症の特徴的所見です。
萎縮性腟炎のケースです。
更年期の後期になると、エストロゲンや黄体ホルモンの分泌がなくなります。
すると腟内は萎縮するため乳酸菌のエサとなるグリコーゲンもなくなりますので、
酸度が低下し防御機構も弱くなり、萎縮性腟炎になりやすいのです。
婦人科の先生方は臭いが気になるのでしょうか?
細菌性腟症の検査依頼が多くなります。
これは腟カンジダ症です。
白っぽいオリモノが特徴で、強いかゆみを伴うのが特徴です。
時に、異臭を伴うこともあり、強いこともあります。
婦人科医は検査をしないと細菌性腟症ではないかと間違えることもあります。
これは腟トリコモナス症です。
黄色いオリモノが特徴で、かゆみを伴うこともあります。
臭いもかなりきついことがあり、細菌性腟症と間違えることもあります。

だから検査してはっきりさせなくてはなりません

症状だけではお医者さんも間違えますので、“最近いつもとちょっと違う”と感じた時は、
おりもの&臭いの検査で早目にチェックしておきましょう。

HPVの感染は淋菌やクラミジアとは違うぞ!

検診で異形成と診断されても、先ずは冷静に!
最近とても気になる現象があります。
せっかく仲良くお付き合いしている彼なのに、子宮頸がん検診でLSIL(軽度異形成)と診断されると、彼からうつされたと思い、別れてしまうカップルが少なくありません。
淋菌やクラミジアに感染すると、多くの場合数日または1週間ほどで症状が出るため、クリニックに受診して検査・治療が行われます。
同様に、尖圭コンジローマを引き起こす、HPVの6型や11型に感染すると、視覚的にイボ(隆起性病変)が確認できるため、病気の可能性があると認定され検査や治療が行われます。

ハイリスク型HPVに感染しても見た目何の変化もありません。

子宮頸がんの原因になるハイリスク型HPVが亀頭や陰茎に感染しても、イボなど通常と異なる変化は全く見られません。
なので、自身も淋菌やクラミジア、HPVの6型・11型のように感染している事に全く気付きません。風俗を利用した後、“今回も何の症状が出なくてよかった=性病にかからずに済んだ”と安心しますが、ハイリスク型HPVの感染はそうはいきません。感染はあっても全く症状がないため、大切な人にうつしてしまう事になるのです。
女性の場合も全く同じで、感染していても全く症状がありませんが、子宮頸がん検診というチェック機構があるため、ASC-US(HPVの感染があるかも?)やLSIL(HPVの感染がある)の様に感染がある事に気付くのです。(男性にはそのような機会がないためいつになっても気付きません。)
しかし、男性でも、感染している部位を綿棒で擦ってくると、女性の子宮頸部細胞診で見られるようなASC-USやLSIL相当の異型細胞を見ることが出来るんですよ(少ないですがね)。
51型の感染がある男性性器からの細胞

女性も細胞診による検診でHPV感染が見つからないことは多い

一番左側に赤丸で示したケースはHPV感染がある人ですが、
ASC-USやLSILの細胞が出ているのは右下の赤枠で囲ったケースにすぎません。
これらは全てハイリスク型HPVの感染例ですが、
水色で示した時期はASC-USやLSILは検出されません。

STIとSTDの違いは何?

ネットで「STIとSTDの違い」で検索すると、以下の様な解説が出てきました。

性感染症が表記されている時、「STD」と「STI」があります。一体、これはどのような違いがあるのでしょうか。STIは、”Sexually Transmitted Infection”を略したもの。つまり、感染が確認された状態をさします。感染が確認されれば、症状がなくても、STIとして分類されます。

一方、STDは、”Sexually Transmitted Disease”を略したもの。
ちなみに、「Diseases」は病気という意味。
つまり、感染が確認されて、なおかつ症状が現れているのが「STD」ということになります。
STDは、STIが進行した状態とも考えられます。

現在では「予防」の観点から「STI」を使うことが適切ではないかという考えもあり、
「STI」を使用するケースが増えているのです。
自分の健康を守るために、誰かに感染させないために、性感染症を早期に発見し、治療を行うことが大切であるという観点からは、性感染症検査においては、「STI」を使う方が適切であるといえるでしょう。


私自身、性感染症Sexually Transmitted Disease(性行為にによってうつる病気=性病)は容易に理解できますが、STI Sexually Transumitted Infection 性行為でうつる感染?
、、、何だろうね?

不顕性感染のこと?

これもネットで検索してみると
不顕性感染とは、細菌やウイルスなどの病原体に感染しても症状が現れない状態を指します。感染は成立しているが、症状が表れないため、感染していることを自覚していない人が多く、結果的に感染源となる可能性があり、感染症の広がりに関わってきます。
とあります。
これはなんとなく理解できるような気がします。

それでは男性のハイリスク型HPVの感染は?

男性がハイリスク型HPVに感染しても、その感染部位に特段の症状が出るわけでも、将来的にそこにがんが発生するわけでも、ある種の病気が起こるわけでもありません。ところが同じHPVの仲間で6型や11型は同じように性行為で感染し、感染した部位に尖圭コンジローマ(イボ)という病態が現れますので、性行為によって感染する病気=STDに分類されます。同じ性行為で感染するハイリスク型HPVはその部位に病態としては現れません(顕微鏡的には正常とは異なる異常な細胞が見られるが)ので、病気としては認定されません。
つまり、STD(病気の状態)ではなく、性行為によってHPVというウイルスが感染しているだけの状態=STIというのでしょうか?
不顕性感染とも違うような気がします?
なんだかよく分からなくなってしまいましたが、男性性器のハイリスク型HPVは「性行為でうつる」けど、そこにがんができるわけでもない(まれに癌化することもある)が、パートナーにうつすことになるので、STIとして(注意喚起)する意図があるのでしょうね?
私がSTIという言葉を最初に聞いたのは、千葉大学教育学部養護教諭養成課程で性教育の教務補佐員として武田敏教授のお手伝いをしていた頃で、アメリカの学会から帰ってきた武田先生の口から出た言葉です。
決して新しい言葉ではありませんが、(私にとっては)馴染みにくい・解り難い言葉でしたので、その後20年経ってアイラボを立ち上げた際もSTIを使わず、株式会社アイ・ラボCytoSTD研究所としました。

なんだか益々よく分からなくなってしました、、、ので、
おやすみなさい6/8 0時28分また続きを書きます。

何が言いたいの?  と言われそう

それではまとめに入ります。
このように、ハイリスク型HPVに感染しても多くの場合、自覚症状は全くないので、STDではなくSTIなのです。
性交経験者であれば、知らないうちに感染していた可能性があるのです。
たとえこれまでの(細胞診による)検診で異常が指摘されたことがなくても、感染していなかったとはいえません。従って、過去のことを問題視してもあまり意味はなく、未来に向けての対策が大切になります。

【その1】HPVワクチン接種は、ハイリスクHPVの感染を防ぎます。男女共に有効です。
但し、接種前にHPVに感染していると効果は半減するようです。陰性を確認してからの接種をお勧めします。

【その2】(女性)HPV検査を受けましょう。2024年4月から子宮頸がん検診にHPV検査を導入することが可能になりました。感染していないことを確認しましょう。感染していたら必ず細胞診検査を受けて現在の状況(NILM、ASC-US、LSIL、HSIL、、、等)をチェックしましょう。そしてしっかりフォローアップしていきましょう。
https://ilabo-cyto-std.com/onlineshop/item/kit041

【その3】(男性)HPVに感染しないための知識を持つことが重要です。前述のHPVワクチン接種も考えましょう。感染させないように、新たなお付き合いを始める前に、自分の状態をチェックしておきましょう。
https://ilabo-cyto-std.com/onlineshop/item/kit113

【その4】感染していることが判明しても、喧嘩をしてはいけません。ましてそれが原因で別れてしまうのは悲しいです。(男性)「今年もちゃんと検診を受けた?」「進んでいなかった?」と、いつも一緒に考えてあげましょう。

子宮頸がんは女性だけの問題ではない。
感染しても過剰に心配する必要はありませんが、
定期検査を怠らないことが最も大切なのです。
どうしても(病院に行くのが)気が進まない時は、私達の郵送検査をご利用ください。
https://ilabo-cyto-std.com/onlineshop/item/kit001

ある証券マンがアイラボに 何だって? HPV検査をしたいと!

私は、投資とか株式とか全く興味のない人間。
でも、証券マン達だって仕事。
無下に断ることはしないで、一応、短い時間でもお話は聞くことにしています。
多くの場合、私に無料で子宮頸がんや性感染症の講義を受けてお帰りになるのが関の山。
いつも、「今日は良いお話を聞けて良かったね」と言って見送ります。
今日は、ある証券マンのためになるお話を紹介します。

ある証券会社の女性社員にとって私はお客さん。
その女性から、上司(?)の希望で一緒にご挨拶に伺いたいという電話がありました。
私自身、あまり興味のない分野のお客様ですが、快く承諾しました。
約束の日、2人でアイラボに来られました。型のごとく名刺を交換させて頂きました。
「今日はどんな御用でいらっしゃいましたか?」と聞くと。
その上司さん。「女性社員には、アイラボに来る途中の車の中で、今日はビックリする話をするので驚かないでね。と話してあります。」と前置きをしてから、、、、

上司の第一声は「男のHPV検査をしたい」と言う事、、、、?

「エ?、あなたご自身のお話ですか?」と尋ねると、「はい」と。「検査をすることはもちろんたやすい御用ですが、どうされたのですか?」と再度尋ねると。
「お付き合いしていた人が、検診で異形成と診断され、結果的に別れることになってしまいました。教えて欲しいのは、普通の生活をしているだけでHPVというウイルスはうつるものですか?」と聞いてきました。(ある子宮頸がん検診の講演会で、HPVワクチン推進派のチョット名の知れたお医者さんが高校生を前に、「不特定多数の人と性的な行為をするだけでなく、手をつないだだけでもうつってしますウイルスなので、、、(中略)、、、ワクチンを接種しておきましょう」と力説していました。)この公演会に私と一緒に参加した同僚の女性も「え?、、、子供達を前にこんなこと言っていいの?」とあきれ返っていましたが、HPVワクチンの接種は子宮頸がんを予防するためには大切なお話ですが、結果的にこのような立場のお医者さんが、手をつないだだけでも感染するなどと発言することで、医療に対する信頼が低下してしまうのではないか?と感じたことがありました。

話を戻しますが、その上司さんには、「確かにHPVは感染力の強いウイルスですが、健康な皮膚や粘膜に触れても感染は成立しません。目に見えない小さな傷口から感染しますので、日常の生活で知らぬ間に感染していたというのは正解ではありません。」と答えました。

実は、私(上司)、その女性が初めての人だったんです。

「そうですか。実は子宮頸がん検診などで異形成と診断されると、多くの場合直近お付き合いしていた人が疑われてしまい、別れる羽目になってしまうことが少なくないのです。あなたの様に、性的な行為をしたことがない人でもうつされたと疑われ、検査をしてみてくださいと言われますが、既にその方からうつされている可能性が高いのです。
私達は男性のHPV検査を提供していますが、決してそのような目的で提供しているものではありません。子宮頸がんは女性だけの問題ではなく、男性にも子宮頸がんに対する正しい知識をもって頂き、子宮頸がんから子宮を守り、命を守るために一緒に考えて欲しいからです。こんなことを書いていたら職員が一枚のアンケート用紙(検査キットの中に入れてある)を持ってきました。今回検査を受けた目的を書いていただく欄には「これからお付き合いをする人に傷つけたくないから(多分HPVを感染させたくないからという意味)」と書かれていました。このような男性の意識改革こそが私達の目的なのです。HPVの感染は「悪」でも「恥ずかしい事」でもありません。セックスの経験がある人ならだれにでも起こりうることなのです。■HPVワクチンはその感染を予防するもの、■不特定多数の人との接触は感染の危険性が高まる行為、■HPV検査による子宮頸がん検診は危険なHPVの感染があるかどうかを調べる検査、■細胞診による子宮頸がん検診はHPV感染の有無を調べるだけでなく、進行の度合いを推定する検査(例えば、軽度異形成、高度異形成、上皮内癌、といった)、■円錐切除術やレーザー治療はがんになる前に危険な部位を取り除く治療、等々、子宮を守る手段は山ほどあるのです。女性だけでなく、男性も一緒にHPV感染と子宮頸がんの関りを知り、“自分に合った”、“自分たちに合った”対策を一緒に考えて頂きたいのです。

具体的には

■ HPVワクチンの定期接種
世界的に12歳頃始めますが、HPVに感染する前に接種することが大切です。感染してしまってからの効果は6割ほどになってしまうと言われています。性行動は人の尊厳にかかわる行為ですので尊重されなければなりません。しかし、性の発達段階は人や環境によって異なりますので、ある年齢に達したら同時スタートという考えは少し乱暴かも知れませんし、日本の場合、性教育は極端に遅れているため、12歳前後の子供たちにHPVワクチンの定期接種と言ってもその意義を十分理解できないまま“みんながやるから私も”という、「みんなで渡れば怖くない」的感覚で臨んでいるのではないでしょうか?HPVワクチンの定期接種は性教育の絶好の機会なのです。自分は今決められない。もう少し大人になってから考える。そんな子供たちが現れる社会を私は望んでします。
オーストラリアでは男の子もHPVワクチンの定期接種を実施しています。私の孫は米国フィラデルフィアに住んでいますが、お母さん(私の娘)の勧めで中学1年生の時HPVワクチンを接種しました。
■子宮頸がん検診

検診の目的は前にも書きましたが、HPV感染があるかどうか? 病変の進行度合(LSIL、HSIL、など)を推定する検査です。子宮頸がん検診の受診率は44%程で頭打ちの状況です。自己採取型HPV検査の普及で受診率を80%位まで上げたい。そして、男性の子宮頸がんに対する意識改革で子宮頸がんゼロを目指すのが私達の目的です。

この上司さん 女性の健康と活躍を支援してくれるでしょう

この上司さんには、会社で女性の健康についての会議があったら、是非、子宮頸がんのことについて発言してください。きっと一目置かれる存在になりますよ。」と伝えました。

数日後、「男のHPVタイピング検査(ハイリスク+コンジローマ)」の注文が入りました。

今年もアイラボの郵送検査による子宮頸がん検診がはじまりました。

今年も自己採取法によるアイラボの子宮頸がん検診がはじまりました。
初入荷は中部地方の某健康保険組合の会員様からの検体です。
真新しい加藤式の改良器具セルソフトが勢ぞろいです。
この健康保険組合様からは、5月中に200名様以上の申し込みが予定されています。
検査方法は「細胞診検査」を希望されています。

採取器具に関する意見をアンケートの形で頂きました

11名中記載された方のご意見をそのまま掲載致します。
■とても簡単でした。
■簡単に使えてとても良かった。
■アソコをみせなくてよいのでよい。
■自分でやれていいと思う。
■簡単にできました。
■簡単でした。
■簡単にできていいです。
(第二便)を以下に示します。
■簡単にできてとてもありがたいです。検査機関へ出向くの時の変な緊張感もなくていいな、なんて。
■(33歳)毎回とてもむずかしい、、、できているのか正直よく分からない。・入れる時に痛い・説明書には「すわりながら」とかいてあるが、イスにすわりながらではできない。人によると思う。
■以前からと同じ方法なので慣れた(椎名が追加:以前は他の検診機関で加藤式を使われていましたので)
■使いやすい。
■今までと同じタイプのやり方(椎名が追加:加藤式の経験者)だったので、スムースにできた。
■自分のタイミングで自分でできるので良い。
■(60歳)閉経後の器具使用で少々痛みあり。
■特にない
■自宅でできてよい
■使いやすかったです。
■問題なくできました。
■器具がピンク色でかわいくなりました。(椎名が追加:以前は加藤式を使っていた方の意見)
■簡単だった。少しだけ痛かった(31歳)
■思ったより怖くなくできた。
■簡単にできてよかった。
■思ったより簡単だった

ご意見を頂きありがとうございました。
おおむね、好意的なご意見を頂きましたので、改良に携わった私としても安堵しています。
器具を製造している大成メディカル株式会社様にもこの結果をお伝え致しました。

別の健康保険組合様は「HPV検査単独法」を採用されました

やはり中部地方の健康保険組合様ですが、5月から11月の間に希望者を募り、HPV検査単独法による郵送検査で子宮頸がん検診を実施されます。今日現在、20名の方の受付が完了しました。健康保険組合様のお考えに沿って、私達ができる最善の検査を提供してまいります。
アイラボは「女性の健康と活躍を支援する検査会社」ですので、恥ずかしい忙しい検査を受けるのが面倒な人達の検診の機会を最大限有効に活用できる検査を提供しています。
それが『最新のHPV検査』です。
その特徴とは
【特徴1】HPV検査前に、顕微鏡で検体の適否判定を実施していますが、その際に観察された腟内状況(腟炎や感染症が疑われる所見が見られた時)を報告書に反映します。これは自己採取器具セルソフトを用いることで可能になったサービスです。
実際の例として、「今回、HPV検査は陰性でしたが、腟内に白血球が増加しています。おりものや臭いが気になる場合、追加検査が可能です。また、心配事がありましたら無料の電話相談をご利用頂けます(042-652-0750)」

【特徴2】HPV検査の結果が陽性の場合、細胞診検査を実施して同時に報告致します。
HPV検査単独法の検診を受け、陽性であった時は必ず細胞診検査(細胞診トリアージ)を受けることになります。でも、細胞診の結果が出るのが怖いなどの理由でこの検査を受けない人がいます。先ずは陽性の結果が出た人が全員(医師採取による)細胞診トリアージを受けるために、現在の状況(NILM,LSIL,HSIL、等)が分かれば精神的にも楽になるものと思い、このサービスも追加することにしました。このサービスが提供できるのも、検体の採取にセルソフトを採用したからにほかなりません。



アイラボのHPV検査単独法による子宮頸がん検診

検体の採取法による検出精度については、エヴァリンブラシとセルソフトについて比較研究を実施し、学術論文に掲載しています(APJCP,2024,25(5),1673-1679)
その中の主要な表をここに示しています。
この研究には、HPV感染率の高い風俗営業従事者30名に協力をお願いしました。
先ずエヴァリンブラシで採取した後、セルソフトで採取しました。ハイリスク型HPVの感染があるかどうかで見ると、エバリンブラシとセルソフトで大きな差がないことが分かります。
エヴァリンブラシは医師採取と同等の採取能力があることが報告されていますので、セルソフトもそれに劣らないことをこの研究で明らかにしています。エヴァリンブラシは採取した後、乾燥状態で検査機関に送られますので、細胞診検査には対応できませんが、セルソフトは検体に保存液が入っているため、細胞診や他の感染症検査にも対応できるのです。
HPV検査で陽性の時はこのような報告になります。
「特徴1」については「腟内に白血球が軽度に増加しています」とし、「特徴2」については細胞診の成績とその画像を示しています。そしてこの報告書を持って婦人科を受診するよう促しています。

細胞診検査は人が顕微鏡で調べる検査、使命感が必須

検体から顕微鏡で観察する標本を作製し、それを顕微鏡で観察し、報告書を作成する全ての工程についてアイラボ内で教育された細胞検査士によってこの検査を実施しています。

アンケートの最後に『心配事があればお書きください。』と入れてありますが、そこに、
「このアンケートのあたたかさに感動しました」と、コメントを頂きました。
今後も、アイラボらしく皆様のお役に立てれば幸いです。


異形成の定期検査、どうしても時間が取れないので、、、

子宮頸がん検診で異常が発見されると、精密検査や定期的な追跡検査が必要になります。
例えば、昨年から一部自治体で始まったHPV検査単独法による検診では、「陽性」と判定された場合は細胞診による精密検査(細胞診トリアージ)で、現状での異常の度合(NILMなのか?LSILなのか?HSILなのか?)をチェックしなければなりません。その検査でLSILと診断された場合、半年に一度のペースで追跡(follou-up)検査を受けることになります。
しかし、子育てや仕事で忙しい方には、半日がつぶれてしまうので、かなり負担になります。それに加え、「異常なし」が続くと、「もう大丈夫なのでは?」との思いで、追跡検査を怠ってしまう事も少なくないようです。
この表はアイラボの藪崎宏美が日本性感染症学会(2011年B-30)で報告したものです。
先ずは、一番左のCase 1を見てみましょう。
一番左は検査時期を表し、804は2008年4月に検査を受けたことになります。
次の列はその時の細胞診断になります。
水色で0はNILM、黄色で1はASC-US、オレンジ色で2はLSIL、ピンクで3はASC-H、濃いピンクで4はHSILと診断したことになります。
右端はその時検出されたハイリスク型HPVの型を示しています。
Case1では、16型と39型が長期にわたって感染しているにもかかわらず、異型細胞が見られない時期があります。
ここに示した全てのケースは加藤式採取器具による自己採取の成績ですが、医師採取でも同様なことが起こります。LSILで半年に一度検査しても、NILMが続くことがあります。しかし、この表で示したように、その中のいくつかのケースはHSIL(高度上皮内病変濃いピンクの4)に相当する細胞が出現するようになりますが、Case1、Case5ではその後検出されなくなります。
しかし、Case2、Case3、Case4、Case6の赤枠で囲ったように、毎回の検査でASC-H(ピンクの3=HSILの存在が否定できない)やHSIL濃いピンクの4=高度上皮内病変(前がん病変)に相当する細胞がみられるようになります。
このような状況が続くようになると組織検査(病変の一部組織を採取してより正確な検査)を実施し、そのような病変を取り除く(円錐切除術など)手術
が行われます。
ここに示したケースは風俗営業従事者の定期検査の一環として実施したもので、短期間の観察例ですが、実際HPVに感染していることが分かってからの追跡検査に要す負担は結構きついものがあります。私の知り合いの方でも、HSIL相当の細胞がみられ定期的に追跡検査を行っていましたが、仕事の忙しさに(忙しくて行く時間がないというより、仕事が面白くて)定期検査を後回しにしてしまい、前がん病変が進行してしまったようです。
子育てや仕事、そして学業など、頑張る女性ほど陥りやすいのが子宮頸がんです。

今、病院に行けない! 今回はパスしよう! それを続けたら危険です

今回紹介するケースは以前LSILと診断され、今月定期検査を受けることになっている方ですが、どうしても気が進まないのでアイラボの郵送検査を選んだようです。
早速今回の細胞をみてみましょう。
背景に白血球の増加はなく、とてもきれいです。
直感的に分泌期(生理前)の方かな?
写真中央部にチョットおかしな細胞があるので拡大します。
周りの細胞に比べ少し大きくなって、オレンジ色に染まっています。
核が3つほど見られ、典型的なHPV感染細胞です。
LSILと診断しました。
この写真の中央部分にも、前の写真とはチョット顔つきの違う細胞が見えます。
拡大してみましょう。(あえて拡大した細胞を載せなくても、スマホで簡単に拡大できるのは分かっていますが、そこはお年寄り)
これも典型的なHPV感染細胞です。
もう少し言うと、少なくても「この細胞達は16型の感染ではない」
事が分かります。かといって、このケースが16型の感染がないというわけではありません。
最初の写真で示したように、複数のHPVが同時に感染していることは少なくないからです。

今回もLSILの細胞達で、HSILを疑う細胞はなかった。

チョット安心できましたね。
何もせず心配しているより、こんな形でわずらわしさを時々解消するのも一つの方法かも知れません。
私達の郵送検査をうまく利用して頂ければ幸いです。
自己採取による郵送検査で最大の弱いところは、子宮頸部の奥に発生する子宮頸部腺がんを早期に発見することができない可能性がある点です。この方の様に既に病院で医師の採取による細胞診検査を受けている方であれば、その心配も少なくなります。検査にはこれで全てOKと言うものはありません。
郵送検査でHPV検査「陽性」や細胞診検査でLSIL以上の結果をもらった時は必ず病院を受診し医師採取で子宮頸部の奥から細胞を採取して検査しておくことが大切です。自己採取細胞診はあくまで検診を受けるのは「恥ずかしい、忙しい、面倒」な方、ASC-US、LSILなどで追跡検査を必要としている方で、仕事や学業、子育てで「今回は病院に行けない」と言う方が一時的にチェックしたいときに利用されればその価値は大きいと思います。
そんなことを理解して郵送検査を利用して頂ければ幸いです。

私達の郵送検査ではこんなサービスもあります。

前の写真で示しましたが、HPVの感染以外は、白血球の増加もなく、とてもきれいな腟内のように見えます。しかし、この方の検査依頼書を見ると「臭いが気になる」とありましたので、もう少しその点を考慮して観察してみます。
細菌性腟症に特徴的なクルーセルは見られませんが、細胞と細胞の間に青色にぼやけて染まるものが見られます。さらに拡大を上げてみましょう。
最初の写真で述べましたように、この方が細胞を採取したのは多分月経前一週間程かな?
そうだとすると、通常は乳酸菌が増えてくる時期ですが、少なくてもこの写真では確認できません。
それどころか、青くぼやけたように見えるのは腟ガルドネラ菌ですので、細菌性腟症が疑われます。
Nugent score で表現すると8で「異常」ということになりますので、「臭いが気になるようであれば腟内フローラの状態を確認することも可能です。」と、コメントを入れるようにしています。
子宮頸がん検診で「異常」が判明したら、結構長期に渡り追跡検査をすることになります。
今回ご紹介した方のように、何らかの理由で定期検査が受けられない場合でも、セルソフトによる自己採取法なら自宅で手軽に検査できますので、(子宮頸部腺がんの存在を考慮しながら)有効に活用されることをお勧め致します。

平成25年9月17日生まれの甲斐犬“雄”の話

私のところに来てくれた“雄”君。
“後悔しないように” の思いで一緒に暮らしてきました。
この12年、いろいろありましたが、こどもの日の今日
皆さんに2つのこと紹介します。

■ とてもきれい好き
■ 私が話しかけると理解しようと真面目な顔になる
(冒頭の写真が雄君の真面目な顔です)
ある時、“雄”のおしっこマットを洗って、干したままで仕事に。
帰宅すると、ゴルフ練習部屋に異変が。
一か所にまとめておいたボールが2か所に。
その一か所をよく見ると背景が黄色に。
我慢が出来なくここにオシッコをしたのだ。
ボールで何とか隠そうとしたのでしょうか?
オシッコシートは通常2枚敷いています。
実は、家の中でオシッコをすることはほとんどありません。
我慢が出来なくしてしまった時は。
このように、きれいに折りたたんであります。
何なんでしょうか?
隠そうとするんですかね?

最近、散歩中に草をしきりに食べます

草を食べるのは胸やけが原因。
とは聞いていましたが、
最近、毎日のように、食べては吐き
食べては吐きを繰り返しています。
動物病院の先生に相談したところ、
『ガスター10』という薬を処方してくれました。
困ることに、『自分が嫌!』と思ったら絶対食べません。
フィラリアの薬は、おなかがすいた時を見計らって、
鶏肉やシーチキンに混ぜて食べさせる始末。
先ずは何も言わず、ガスター10をエサの中に混ぜてみました。
案の定、ガスター10だけがきれいに残っていました。
そこで、次のように言ってみました。
『雄ちゃん。いつも朝、おなか痛い痛いになるでしょ。そして、ゲーするでしょ。だから成田先生(獣医さん)がお薬くれたんでしょ。お薬食べてみなよ。おなか痛い痛いが治るかもよ。』と言って、好物のジャーキーと一緒にわざとガスター10が見えるように置いてみました。
最初は少し考えている様子でしたが、
『やはり俺ダメ』って感じで、その場から去ってしまいました。
やはりだめか?と思いつつしばらくそのままにして置くことにしました。
1時間ほどして器を見ると。
なんと、跡形もなく食べていました。
「雄、おいで。」すっ飛んで来ました。
「お薬食べたの?」すると、しっぽをビュンビュン振って。
「やっぱり食べてみたよ」、、、そんな感じ。
「お利口だね。」と言って、いっぱいなでなでしてあげました。
それ以後は、ガスター10が見えるように。
エサは残してもガスター10はちゃんと食べています。
毎日、胃酸過多(胸やけ)でつらかったこともあったかと思いますが、
犬にもちゃんと言って聞かせ、理解させることが出来る。
とても嬉しい最近の出来事でした。
益々可愛い。
元気で長生きして欲しい。

その他の写真をお見せしますね

八丈島に9回も行った。
羽田のロビーは楽しいけど。
飛行機は大嫌い!
こうして、あちこちに連れて行ってもらえるのが最高!
お父さんの晩酌に付き合うのも、ちょっと楽しみ。
散歩から帰ると、きれいにしてもらえる。
気持ちがいい!
お父さんが起きた後。
お父さんの布団で寝るのが気持ちいい!
こどもの日の雄君でした。

おりものの臭いが気になりますか? Yes と No の細胞像

今日は5月の2日、ゴールデンウイーク中とあって、アイラボは検体も少なくのんびりムード。
今日のFemバランスチェックの検査は2件です。
検査依頼書には症状など、5つの質問事項があります。
①オリモノの臭いは気になりますか?
②オリモノの色は?
③陰部に痒みがありますか?
④今年子宮頸がん検診を受けましたか?
⑤その結果は?
検査を依頼される方の自覚症状と検査結果が驚くほど一致している項目があります。
①、②、③どれだと思いますか?
早速見ていきましょうね。
EさんとSさんとします。

最初に染め上がってきたのは単染色という細菌を染めた標本です。

比較的太く、長い棒状の桿菌が細胞に群がっています。
ほぼ全てが乳酸菌です。
腟内フローラを代表する善玉菌です。
この菌は腟内の糖分をエサとして活発に増えます。
糖を分解すると酸ができます。
腟内を強い酸性にすることで他の菌の増殖を抑えています。
腟の自浄作用といいます。
この状態ではオリモノの臭いは気になりません。
次に染め上がってきたパパニコロウ染色標本(子宮頸がん検診で使われる染色)です。
こちらの標本は細胞の顔つきを見るのに適しています。
薄い緑色に染まる大きな細胞は中層細胞と言い、糖分(グリコーゲン)をたくさん含んでいます。
排卵期以後黄体ホルモンの影響が強くなると腟の表面はこの細胞で覆われます。
ということで、Eさんが細胞を採取した時期は「多分」月経の前になります。
この染色では乳酸菌は観察しにくいですが、細い針のように見えます。

次にSさんの標本を見てみましょう。

Eさんに見られた大型の桿菌は全く見られません。
小さな短い桿菌(短桿菌/球菌様桿菌)が細胞の上に群がり、細胞以外の所にも見られます。
パパニコロウ標本でも同じような所見が観察されます。
中央には細胞に腟ガルドネラ菌が群がったクルーセルも見られます。
Sさんは細菌性腟症の典型的な例です。
このようなケースでは、多くの方が
「オリモノの臭いが気になる」
とコメントしております。

正解は①

「おりものの臭いが気になる」=細菌性腟症が疑われます。
このケースが圧倒的に多いです。

皆さんもおりものの臭いが気になる時は
Femバランスチェックでチェックしておきましょう。

検体が適正でないとこんなことが起こる!

昨年の自宅前の枝垂れ桜と雪柳
2025年3月27日(朝)の枝垂れ桜
昨日の朝、開花したのはほんの少し。
でもこの暖かさで、一挙に開花!
2日で3分咲き、って感じ。
GMG八王子ゴルフ場⇒五日市カントリー倶楽部⇒サンメンバーズカントリー倶楽部(山梨県大月市)3つのゴルフ場を、3ヵ月に一度のペースで順番に回るゴルフの仲間の会(樹々会)があります。3月26日、気温26度、6月中旬の暑さで快晴の一日。五日市カントリー俱楽部で開催されました。

最近は乗用カートにスコアを入力するシステムが普及してきたので、せっかく準備されているスコアカードに記入する機会が無くなった。となると、なんとなく“ゴルフが雑になるような気がする”、ので「一球入魂の思い」で、スコアカードをこんな風に使っています。
一打ごとに、反省!、、、って感じで、最近この方法が気に入っています。今日のスタートは、東の1番。反省!・反省!・反省!パターもイマイチなのが一目瞭然です。
これを始めた頃は△もつけましたが、より自分に厳しくするため、〇か✖にして、パターは・にしてみました。しばらくは続けようと思っています。

サー本題。悩み事をキット購入前に相談してくれればよかった。

この方は腟と咽頭のSTDチェックの検査依頼しています。この写真は、咽頭うがい液です。中央に一見Clue cellのように見える細胞がある。
拡大した細胞像です。腟から採取した検体であれば、細菌性腟症を疑いますが、咽頭うがい液にも時々このような所見を認めますので、腟ガルドネラ菌以外の菌でもClue cellの形態をとるものがあるのかな? いつもそんな思いで見ていました。
この写真は、セルソフトで採取した口腔内の写真です。(本来は腟から採取すべき検体ですが、故意に口腔から採取されたようです。)背景にモヤモヤがあり、やはり腟ガルドネラ菌なのかな?直感的にそんな風に思いますが、拡大を上げてみると?
腟内では見たことがないでっかい乳酸菌! 背景のもやもやは腟ガルドネラ菌に似ているが?(やはり腟の検体とは若干様相が異なります。)
単染色で確認してみるとやはり背景には小さな菌がたくさん。べらぼうに大きな桿菌(乳酸菌?) 拡大を上げてみよう。
この小さな球菌様桿菌は腟ガルドネラ菌のようにも見えるが?やはり大きな桿菌は乳酸菌と決めることが出来ません。念のため検査依頼者に確認することにしました。腟と咽頭のSTDチェックには、淋菌、クラミジア、トリコモナス、カンジダ、細菌性腟症が含まれています。腟ガルドネラ菌(らしき)菌がこんなにみられるケースに、乳酸菌もたくさん見られることはほとんどないからです。

依頼者からは驚きの返事が返ってきました

「長い間、口臭と痰に悩み、病院を受診して検査をして頂きましたが、溶連菌を認めるだけで特に問題はないとの事でした。すみません。腟から採取したのではなく、(セルソフト)で採取したのは口の中を擦ったものです。

納得!


うがい液とセルソフトで採取した検体があれだけ違ったのはバイオフィルム?

アイラボでは全ての検体について適否判定を実施しています

自己採取検体は(今回のケースの様に)何が起こるか分かりません。
検査で最も重要なことは「適正に採取し」「適正に輸送し」「適正に処理し」細胞診の様に人の目で判断するような検査では「適正な知識と技術」更に「使命感」が必要になります。

医師が採取した検体なら、「適正に採取された検体という前提」で検査しますが、自己採取の場合(私達アイラボでは)、何が起こるか分からないことを前提にしていますので、例え「尿で淋菌だけの検査」であっても、必ず適否判定を実施しています。
直径5‐6mm程度ですが、検体を塗抹し、ちゃんと細胞が採取されているかどうかを確認してから検査に廻しています。この写真で見ているのは尿の検体ですが、その部位に全く細胞がありません。適正な尿の検体であればなにがしかが見えますが、全く見えませんので検体不良で再採取に廻しました。
以前他社の郵送検査にお茶を入れて送りました。当然結果は「判定不能」なはずですが、現実には「陰性」と報告されました。細胞診の自己採取(たとえば綿棒であっても、腟内の細胞が全く採取されないことはありません。それどころか、綿棒で腟の入り口から検体を採取したものでも異型細胞が検出されることがあります。といった具合で、採取する器具の性能については多くの検査を提供する業者でも分かっていないのが現状です。ということで、検診を受ける人にとってはわかるすべもありませんし、それを教えてくれる機関もありません。自己責任なんですよ。
私達は、セルフメディケーションを応援していますので、ご質問頂ければ、科学的にご説明いたします。042-652-0750

依頼者の悩みにアイラボはお口の健康サポートに挑戦します

アイラボは細胞診の専門家集団です。
今回アイラボのキットをご利用頂いた方と電話で話しました。ご当人にとっては深刻な悩みです。
私達も口腔(口の中)の健康にどれだけ貢献できるか分かりませんが、今日から勉強を始めます。
NHKで1月23日に放送された「取説説明書」「口腔細胞診に関する資料」早速取り寄せました。
皆さんと一緒に勉強します。
セルソフトで口腔を擦過して頂いた方に感謝します。
近い将来、口腔の総合的郵送検査を始めますよ!
お楽しみに!

更年期(萎縮した腟内のフローラはどうなっているのかな?)

更年期とは、、、、
今朝はこのタイトルで書いてみよう。

今、午前3時、昨夜は10時半就寝なので、
4時間半寝て、頭すっきり、目パッチリ。

日・水・金は丸一日アイラボで仕事。
火・木・土の午前中はお世話になった、
大手検査会社の(検査精度に関する)お手伝い。
午後は家庭菜園やゴルフの練習、などなど。
月曜日は会社から15分にあるメンバーコース、
GMG八王子ゴルフ場で仲間とゴルフ。
月に2度程、別の仲間と別のゴルフ場へ。
こんな生活を送っている77歳のおじいさん。

教え子の一人が、
「先生はこの年なのに、
好きな仕事をして、
たくさんの仲間と好きなゴルフをして、
その上、社会に役立つ活動をしていて、
こんな幸せなことないんだよ。」
と言ってくれますが、
自分でも幸せな毎日を実感しています。

さて本題に。
“更年期”とは、
閉経前後5年、概ね10年位の期間をいいます。
今朝は閉経してから数年経った人の話をします。
性成熟期(妊娠可能な女性)の女性の腟内は、このような細胞が見えます。
エストロゲンだけが分泌されていると、
オレンジに染まる表層細胞が主体になります。
排卵後、プロゲステロンの分泌がはじまると、
オレンジ色の細胞は徐々に減り、
緑色の中層細胞が主体になります。
閉経して数年が経つと両方のホルモンが無くなり、旁基底細胞が主体になります。
このように、ホルモンによって腟は劇的に変化しているのです。
先ずは本題に入る前の予備知識が大切です。
50歳閉経、55歳婦人の腟内細胞像。
比較的きれいで、白血球も増えていません。
エストロゲン(女性ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響がなくなると、小さな細胞(旁基底細胞)が主体となり、腟の粘膜は薄くなり、“萎縮した状態”になります。
前の写真の中央部分を拡大した写真です。
この写真だけでは分かりにくいと思いますが、
乳酸菌など、腟内フローラと言われる細菌達は見られません。
これは、前の写真と同じ検体から作製し、
単染色という方法で染めた細胞の写真です。
腟内フローラの乳酸菌や細菌性腟症の原因となる腟ガルドネラ菌も見えません。
そう言われても、この写真だけでは乳酸菌や腟ガルドネラ菌、分からないよね。(前に書いたブログを見て頂ければ分かるはずですが?)
同じ拡大の写真、(おまけで)見せますね。
これが乳酸菌です。
大きい菌だから一目瞭然!
この55歳の婦人には乳酸菌が見えない事、が分かるでしょ。
こちらは典型的な細菌性腟症のケース。
乳酸菌より小さな菌がたくさん見えます。
腟ガルドネラ菌です。
この菌も、55歳の婦人にはいませんよね。

更年期(後期)で萎縮すると腟内に乳酸菌の餌がない!


エストロゲンが分泌されている間の腟の粘膜は、
基底細胞、旁基底細胞、中層細胞、表層細胞といった具合に、腟の粘膜を厚くしてセックスに耐えられるようにします。

排卵が終わると、プロゲステロンが分泌されるようになり、粘膜の一番表面の表層細胞が剥がれ落ち、中層細胞が露出します。一皮むけた腟内は抵抗力が弱まりますが、この中層細胞にはたくさんの糖分(グリコーゲン)が存在し、これを栄養源に乳酸菌が増えます。この過程で、腟内は強い酸性(pH3.5位)の環境にすることで、お尻(肛門)から自然に入ってくるいろいろな細菌やセックスの時に侵入するいろいろなばい菌達が増えない環境をつくっているのです。
神秘的な現象でしょ。
これを腟の自浄作用って言います。

この55歳の婦人。
エサがないから乳酸菌がいないのは当然です。性成熟期に比べれば抵抗力は明らかに低下し、腟炎を起こしやすくなっています。
更年期で急におりものが増えたり、嫌な臭いになったら驚きますよね。

ホルモン補充療法とは?


読んで字の如く、更年期で卵巣からのホルモンの分泌が低下すると、前に述べたように様々な影響が出てきます。それを和らげる理にかなった治療法ですので、辛い症状がある時は婦人科の先生に相談してみましょう。
3月3日のブログで紹介した議員さんにも、
ご連絡頂けたらこの方法があることを紹介させて頂こうと思っておりました。

こんな記事を書いていたら、
もう5時半になってしまいました。
愛犬の雄(ゆう)の散歩の時間。
今日は金曜日、午後3時までアイラボでお仕事。

散歩に行ってきます。

親バカですが、可愛いいでしょ。
12歳甲斐犬の雄君です。