以前検診で軽度異形成と診断されたが病院に行かなかった

「5年前に検診で軽度異形成(LSIL)が見つかったけど、病院に行っていませんでした。
最近あそこの臭いが気になるので、子宮頸がんが心配になり郵送検査をお願いした。」
という女性。
それは気になりますよね。
検診で「要精密検査」と診断されたのに5年間も婦人科を受診されなかったとの事、それでは検診を受けた意味がないですね。でも、アイラボの子宮頸がん検査や婦人科トータルセルフチェックを依頼される方にはそのような方が少なからずおります。
子宮頸がんはがんが進行するまで明らかな症状はありませんが、臭いが気になったので婦人科トータルセルフチェックを受けられたのは正解ですね。
このキットは子宮頸がん検査とおりもの検査を同時に行うキットで、アイラボの郵送検査で最初に販売した商品です。

早速その時の細胞を見てみましょう

こんな細胞が検出されました。
私達はこの細胞でASC-H(アスクエイチ)と診断しましたが、ASC-Hの意味するところはHSIL(高度異型扁平上皮内病変:中等度異形成・高度異形成・上皮内癌が含まれます)の存在も否定できませんという位置づけです。
もっと進んでいなくて良かった!....という思いが率直な感想です。
この細胞ですと、“中等度異形成から高度異形成の存在が否定できない”のであって、上皮内癌まで進んでいないと思うからです。
この方は幸運にもセーフでしたが、LSIL(軽度扁平上皮内病変=軽度異形成)はHPVに感染しているものの腫瘍化していない状態ですが、HSILの病巣があってその部位からうまく細胞が採取されないこともあるので、今回臭いが気になったということですので、がんが進行してしまっている可能性もあるのです。もしそのようなことになってしまったら、子宮全摘手術になったり放射線療法や抗がん剤による治療も必要になってしまいます。せっかく受けた検診が何の意味もなくなってしまうのです。
面倒ですが、それが子宮を守り、命を守るためにあなたにしかできない事なのです。

臭いの原因は何だったのでしょうか?

背景には腟ガルドネラ菌が増えていて、乳酸菌はほとんど見えません。
やはり気になった臭いは細菌性腟症によるものかもしれませんね。
臭いの原因が細菌性腟症とがんの浸潤によるものとでは雲泥の差ですからね。
先ずは本当に良かった。
この結果を持って早く婦人科を受診してくださいね。
今度こそ、絶対ですよ!