男性性器、見た目はまったく異常はないが顕微鏡で見ると

アイラボが提供している男性性器のHPVタイピング検査キットを世に送り出した理由は、
子宮頸がんに対する正しい知識を広めるため。
子宮頸がんは女性だけの問題ではないという認識がないまま、「検診を受けましょう」「ワクチンんの定期接種を受けましょう」といっても、多くは“対岸の火事”、“馬耳東風”。受診率が43.7%で頭打ちの状態を改善できません。

HPVの大半は性行為でうつるが無症状
俺は大丈夫か?

私達は7年程前からこのキットを世に送り出しましたが、昨年あたりから急速にそんな男性が増えてきた感があります。女性は子宮頸がん検診があるため、ASC-US(HPV感染が否定できない)やLSIL(HPV感染が推定される)などの結果からHPV感染という言葉にはなじみがありますが、男性にはそのような機会がなかったため、子宮頸がんは女性の病気。女性も“なんとなくHPVというウイルスに感染していた”という認識に留まっていたようですが、はっきりと性行為でうつるということが浸透してくると、直近お付き合いしている人からうつったのではないかと考えるようになります。しかしそれは正解であるかもしれませんが正解ではない可能性もあり得ます。つまり、男性が仮に陽性であったとしても、どちらが先に感染していたかは全く分からないのです。
先ずはその点をしっかり認識し、それが原因で喧嘩をしてはいけません。本当のところは分からないのです。
神のみぞ知る”状況なのです。

何のためにこのキットを提供しているか

HPVに感染して困るのは女性だけですが、
男性も無関係ではない事を認識して頂く事が大切だと考えるからです。
子宮頸がんは女性だけの問題ではなく、子宮を守り命を守り家族を守るためにも男性の理解が大切になるからです。

アイラボでは検体の適否判定を実施

肉眼的に異常がない限り男性性器(亀頭や陰茎)の細胞診検査は行いません。
アイラボでは医師が採取しない自己採取検体は全て検査前に検体の適否判定(検体が適切に採取されているかどうか顕微鏡で確認)を行っています。その際、異常な細胞が見えてきます。
今回はそんなケースを紹介しますね。
自身が“しっかり検査をしよう”という意思をもって採取した検体には、
このようにたくさんの細胞が採取されます。
もちろん検体としては「適正」と判定し、HPV検査を始めます。
通常は、核がない細胞が採取されますが、この方は多くの細胞に核が存在します。
明らかに普通とは違う所見を示しています。
拡大を上げてみましょう。
中央のやや大きな細胞は、核の周辺が明るくなっています。
これはコイロサイトーシスといってHPV感染に特徴的な所見です。
子宮頸がん検診でLSIL(軽度異形成)と診断する細胞と全く同じ顔つきをしています。
感染しているHPVの型は分かりませんが、この段階でHPV感染は明らかになります。
違う視野にも核を有する細胞がたくさん見え、しかも核が大きく、濃く染まって、HPV感染していることをうかがわせます。
拡大を上げましたが、やはり正常では見られない細胞達です。
もしこれが婦人科の標本だとしたらASC-US(HPV感染が否定できない細胞)と診断します。
このように、見た目なにも変化がない亀頭や陰茎部分にこのような変化が起こっているのです。
見た目は「異常なし」でも、顕微鏡的には「異常あり」が、男性性器のHPV感染です。
病気と認定されないので、まさにSTI(sexually transmitted infection)の状態です。
この感染も女性同様免疫力で陰性化すればよいのですが?
その辺がまだ解明されていません。
子宮頸がんはハイリスク型HPVの持続感染が原因といいますが、
パートナーが感染したままだと、常に感染している状態になるのですかね?
そうだとすれば、男性からの感染を防ぐ策が重要になってきます。

心配な時は先ずはトライしてみてください。

このケースからは尖圭コンジローマを起こす低リスク型を含め、
4種のHPVが検出されました。