オリモノがイカ臭いという悩み、結構多いようです。

おりものの臭いが気になる人で、具体的にイカ臭いと表現される方は結構多いようです。
細菌性腟症の自覚症状として“魚臭帯下=魚の生臭い臭い”という表現がありますが、私達のこれまでの経験で、イカ臭いと表現された多くは魚臭帯下を指しているものと思われます。

オリモノや臭いといった女性特有の悩みを経験した人は91%

昨年の10月に開催されたFem+(フェムプラス)の展示会(東京ビッグサイト)に出展した際にお客様にアンケート調査を実施しましたが、なんと、91%の方が、過去に悩んだことがあると回答しました。
展示ブースでこのようにアンケート調査を実施したところ、
最終的には91%の人が悩んだことがあると回答しました。
他の調査でも
84%の結果を示しています。
このような不快な悩みの原因は様々です。
私達が検査を行う現場では、時に、強烈なな臭いおため、「窓を開けて」、、、と言いたくなるようなことがあります。しかし、その方の自覚症状の欄を拝見しても「臭いは気にならない」と回答している例もあります。
自分では気づかないことも多いようです。
原因となる疾患は、■進行した子宮がん(最も強烈な臭い、最近このようなケースはほとんどありません)、■トリコモナス腟炎(性感染症)、■カンジダ腟炎(性感染症ではありません)、■萎縮性腟炎(性感染症ではなく、婦人科の先生方から細菌性腟症の検査依頼が多いケース)、■淋病やクラミジア感染症(性感染症)、■腟炎(原因不明、調べてみるとマイコプラズマやウレアプラズマが検出されることが多い)、■細菌性腟症(性感染症ではありませんが、毎日のように、しかもかなりの頻度で遭遇しています)
と言うことで、多くの方が悩む原因は細菌性腟症なのです。
これまで何度も同じような写真を投稿していますが改めて腟内をみてみましょう。
細長い針のように見える細菌、これらは“腟の守り神乳酸菌”です。
腟内の糖分(グリコーゲン)をエサにして活発に増えることで、
腟内を酸性にして肛門から侵入する細菌の繁殖を防いでいます。
典型的な細菌性腟症の細胞像です。
細菌性腟症は腟炎を起こさないため白血球は少なく、
見た目はとてもきれいですが、腟ガルドネラ菌が細胞に群がっています。
これをクルーセルと言いますが、細菌性腟症の特徴的所見です。
萎縮性腟炎のケースです。
更年期の後期になると、エストロゲンや黄体ホルモンの分泌がなくなります。
すると腟内は萎縮するため乳酸菌のエサとなるグリコーゲンもなくなりますので、
酸度が低下し防御機構も弱くなり、萎縮性腟炎になりやすいのです。
婦人科の先生方は臭いが気になるのでしょうか?
細菌性腟症の検査依頼が多くなります。
これは腟カンジダ症です。
白っぽいオリモノが特徴で、強いかゆみを伴うのが特徴です。
時に、異臭を伴うこともあり、強いこともあります。
婦人科医は検査をしないと細菌性腟症ではないかと間違えることもあります。
これは腟トリコモナス症です。
黄色いオリモノが特徴で、かゆみを伴うこともあります。
臭いもかなりきついことがあり、細菌性腟症と間違えることもあります。

だから検査してはっきりさせなくてはなりません

症状だけではお医者さんも間違えますので、“最近いつもとちょっと違う”と感じた時は、
おりもの&臭いの検査で早目にチェックしておきましょう。