婦人科で治療後におりものや臭いが気になるようになった

高度扁平上皮内病変(high-grade squamous intraepithelial lesion:HSIL)で円錐切除術レーザー蒸散術で治療した患者さんがその後の細胞診検査で、細菌性腟症が疑われるケースをよく経験します。2年程前に、私の友人もCIN3で子宮頸部レーザー蒸散術を受けました。その後今まで経験したことがない程のオリモノが増え、臭いも気になるとのことで、自己採取(セルソフト)法により細胞診検査とHPV検査を受けました。
幸いなことに異型細胞は観察されず、ハイリスク型HPVも検出されませんでした。
しかし、その時の細胞像を見てみましょう。

典型的な細菌性腟症を疑う所見です

先ずは、弱拡大で全体を見てみましょう。
標本背景に白血球の増加(腟炎)はなく、一見とてもきれいな腟内の様に思います。
しかし、赤の矢印の先には細胞の上に腟ガルドネラ菌が群がるクルーセルが見られます。
拡大を上げた写真です。
赤の太い矢印の先には紫色に染まる腟ガルドネラ菌が細胞にびっちり群がっています。
菌にとっての栄養源(グリコーゲン)の豊富な細胞に集まっているのでしょうか?
赤の細い矢印の先の様に細胞の周りにも腟ガルドネラ菌の集まりが見られます。
黄色の矢印の先にあるのが白血球ですが、典型的な細菌性腟症では増えません。
これはグラム染色で腟ガルドネラ菌を染めた写真です。
緑の矢印で示した先には、赤く染まる腟ガルドネラ菌が塊で見られます。
これもグラム染色で染めた腟ガルドネラ菌で、1000倍に拡大した写真です。
本来はグラム陰性(赤く染まる)菌ですが、このように赤みが弱かったり、
青っぽく染まることもあります。
こちらは単染色という方法で染めた標本ですが、
細胞の中に無数の菌が存在し、クルーセルの形態をとっています。
スマホでの撮影ですので、見難くてすみません。

いろいろな染色を紹介しましたが、最初の2枚の写真の様に子宮頸がん検診に使われるパパニコロウ標本でもきれいに観察できますね。

同じ症状で悩む人のために友人が情報も寄せてくれました

そのまま紹介します。
【術前】
・元々おりものは生理の前後にありましたが、おりものシートを付けたことはありません。
・おりものが出て気になったのは月に数回のイメージで気にも留めていませんでした。
2021年9月21日手術(以前伺った話によりますと、高度異形成と診断され、子宮頸部レーザー蒸散術を受けたと聞いています。)

【術後】
1ヶ月間は出血が続きました。もともと生理の時の出血は多い方ですが、出血が多い日が続く感じで貧血気味になりました
・術後特に意識はしていなかったのですが、(今思うと)人生初めておりものシートを購入し、ここ2年はおりものシートが手放せなくなっています。生活のリズムやスタイルは特に変化はありませんし、どちらかというと術前の方がストレスフルな生活をしていたり、パートナーとの性交渉も多かったにもかかわらず、おりものの症状は今ほど気にならなかったので、治療により腟内の環境が変わったのかな?、、、と思います
・オリモノの性状は術前は白っぽかった気がしますが臭いは特に気にするほどではありません。現在は水っぽい感じで量が多く、臭いも気になります。卵スープみたいにうっすら色がついていました

おりものの変化を感じても後廻しにしていませんか?

おりものは健康な人にも見られるものです。
教科書的には、「排卵の頃、無色透明で、臭いもない」おりものが出ることは正常であり、排卵の目印にもなるようです。
白く濁ったり(カンジダ)、黄色味を帯びたり(腟炎がある時)、褐色調(古い出血)に見えたりすることもありますので、
日頃から自身の健康を管理する上で観察する習慣を身につけることも大切かも知れません。

おりものの性状については他の人と比較することもできませんので、「いつもと違う」「なんとなく変」と思ったらそのままにしないで検査だけでもしておきましょう。

私の推奨
◆性感染症(性病)の心配もある。
「おりもの&臭いの検査」
◆オーラルセックスも同時にあった。
「腟と咽頭のSTDチェック」
◆性感染症(性病)の心配はないけどおりものが気になる
「腟内フローラチェック」

乳酸菌は大量の抗生物質の使用で死滅し、復活できていないのか?

はじめに述べましたように、婦人科の先生から依頼される細胞診検査の中には、円錐切除術やレーザー蒸散術後のフォローアップ検査(異常な細胞が消滅しているか?再発していないか?を定期的にチェックすること)の中に今回紹介した細菌性腟症を疑うケースが少なくありません。アイラボではその事実を先生方に報告しますが、検査会社の中には細菌性腟症が疑われてもそのことを報告しない施設も多いようです。
せっかく婦人科を受診しているのですから、女性のそんな悩みにも目を向けていただけたらと思いますが、現実は決してそうではないようです。
病院を受診しても先生には何も言われなかったので、自分の今の症状は異常ではないと思い込んでいる人も少なくありません(無料電話相談より)。
この友達はレーザー蒸散術を受けましたが、医師は術後に異型細胞があるかどうか? 再発は大丈夫か?という点に力点を置いていますが、生活の質の回復にも同じような配慮があって欲しいものです。

この友人は自身で生活の質の向上にチャレンジするようですが、その歩みについても報告頂けるようです。
同様の悩みを抱える皆さんはお気軽にアイラボの無料相談をご利用ください

腟活サプリメント!! 
 WOMANs VALUE AWARD 最優秀賞 受賞

この度、一般社団法人日本ウーマンズバリュートレーニング協会が主催する
「WOMAN's VALUE AWARD~Femtech~」にて、アイラボとコラボしているFemCiaさんの
サプリメントと検査キットが下記の賞をダブル受賞いたしました!!

【サステナブル部門】   最優秀賞『CareLact』
【エンパワーメント部門】 優秀賞 『膣内フローラ検査キット』
 
腟活サプリメントとして毎日の健康のサポートにお役立ていただければ幸いです。
フェムシアの膣内フローラサプリ、”Care Lact サプリメント”とは?
とても不思議に思うかもしれませんが、Care Lact(ケアラクト)は乳酸菌(GR-1、RC-14)で膣の調子を整えることが出来ます。消費者庁の機能性表示食品としての届出をしている商品で、効果や安全性のエビデンスが揃っています。
いくらお手入れしてもケアしきれない理由は膣内環境にありました。膣内には善玉菌と悪玉菌が存在しています。善玉菌とは、ラクトバチルス属の乳酸菌のことで、その乳酸菌の働きで腟内が常に「酸性」に保たれるようになっています。しかし、膣の不調の原因は乳酸菌の減少で悪玉菌が増え、膣内の「酸度が低下」してしまうからです。
酸性に保たれた膣内は、雑菌の侵入や繁殖を防ぎ、健康な状態を維持しますが、疲れやストレス、抗生物質の服用、性行為、膣洗浄などの影響で善玉菌が減ってしまうと自浄作用が機能しなくなってしまい、様々な膣トラブルの原因となります。
ケアラクトは、2種の生きた乳酸菌が約10億個配合されており、これにより膣内環境を整えます。
お薬ではないので即効性はありませんが、乳酸菌で膣内フローラを整えることで不調に強い環境を備えます。副作用がなく、体に優しいサプリメントで長期的にケアすることをオススメします。

 パッケージをクリックでお申込みフォームへ

分からないことがありましたらお気軽に!

検査のお問い合わせは 
アイラボ ☎042-652-0750

サプリメントのお問い合わせは
株式会社ドウシシャFemcia
公式サイト https://femcia.com/
☎0120-147-148 
受付時間:平日10:00~17:00
(年末年始・夏季休暇等を除く)

アイラボが取り扱う女性用検査キット一覧は以下からご覧になれます。

https://ilabo-cyto-std.com/onlineshop/category/item/itemgenre/forfemale

オリモノが黄色い人 必見!

アイラボの腟内フローラチェックの希望者が増えています。
今日は届いた検体の肉眼的所見が全く同じように見えたA・Bのケースについて紹介しますね。

アイラボの腟内フローラチェックに使用する採取器具は加藤式自己擦過器具です。
届いた検体は、受付終了後に検体の適否検査を行いますが、
その時点で“肉眼的にも黄色いおりものがいっぱい AB
余談ですが、
写真左側2本は加藤式自己採取器具で採取した検体で、濁りが強く細胞がたくさん採取されているのが一目瞭然です。
右は医師採取で広く使用されるサーベックスブラシで採取した検体です。
この器具は細胞がたくさん採取できますが、強くこすると出血することが多く、クレームになることを恐れ十分採取されていない事が少なくありません。
自己採取に使われる加藤式器具は、
自然に剥離して腟内に溜った細胞と子宮の入り口をスポンジ部分でこすることで
新鮮な細胞も採取される器具です。

今回は沢山の細胞が採れたAとBについてチェックします。
(先ずはAから見ていきましょう)

青くゴマの様に見えるのが白血球です。
通常、腟の中に白血球がこんなに沢山見えることはありません。
白血球が増えているのは、白血球が何かと戦っているからです。
風邪のひき始めに咽喉(のど)が赤く腫れて痛くなるよね。
これはのどに感染したウイルスや細菌を殺すために白血球が戦っているから。
白血球が沢山の細菌やウイルスを食べて死んでしまったのが“膿(うみ)”だよ。
ということは、
この人は何かに感染している証です。

次にBさんの標本を見てみましょう

こちらも白血球がたくさん見えます。
ということはもうお分かりですよね。
腟内に何かが感染している可能性があるのですよ。
例えば、淋菌やクラミジア、トリコモナスやカンジダ、、、
ひょっとしてマイコプラズマであったりもします。

先ずはAの写真を拡大してみます。

やっぱりね。
中央付近で緑色に染まるのがトリコモナス
ちゃん達です。
と言うことで、、、、白血球が増えた理由の一つは解決出来ました。
でも、トリコモナスだけとは限りません。
性感染症は一度に複数(淋菌やクラミジアなど)感染することもあるからです。
こんな時は女性のリンクラチェックの追加検査を勧めます。

続いてBの写真を拡大してみます。

この写真を見る限り乳酸菌は確認できません。
少しですが腟ガルドネラ菌が見られます。
従って、細菌性腟症が疑われる所見ですが、白血球が極めて多く腟炎の状態ですので、あえて言うなら細菌性腟炎が正しいと思います。

典型的な細菌性腟症はこんな感じです

前の写真にたくさん存在した白血球は極めて少なく、細菌性腟の所見です。
白血球がたくさん見られるケースは細菌性腟ということになり、両者基本的に分けられます。
この写真は典型的な細菌性腟症です。
従って、Bの様なケースは背景に細菌性腟症はあるとしてもその他の原因があるのではないかと考えます。

1.乳酸菌が存在しないため腟ガルドネラ菌が一時的に腟内環境を守っていたが、乳酸菌に比べ腟内酸度が低いため、腟内を守り切れなくなって、腸内細菌などが増えたことによる腟炎。
注:これは椎名の個人的考え
2.淋菌やクラミジアなどの性感染症による腟炎
3.トリコモナスの寄生による腟炎
(Aのケース)
4.マイコプラズマやウレアプラズマの感染による腟炎
5.カンジダの繁殖による腟炎
(Bのケースは今回の検査で存在が確認されません)

おりものが黄色い時は早めの対応が肝心

おりものが黄色い=(程度にもよりますが)
腟炎が起こっている可能性が高い


先ずは → 婦人科を受診するのがお勧めです。

しかし → こんな症状で婦人科を受診しても良いのか?など迷いますよね。

そんな時は是非 → アイラボの「おりもの&臭いの検査」をお試しください。

炎症が強いのに全ての結果が陰性の時 → マイコプラズマチェックがお勧めすることがあります。


アイラボのモットーはBe with you (あなたと一緒です)

腟炎が見られたケースに新たな追加検査を新設しました。

臭いとかゆみが気になり腟内フローラを調べた

かなり前になりますが、同じような症状が出たので婦人科を受診したら
細菌性腟」と診断されました。
今回も同じような症状が出たのですが、先ずはアイラボの検査キットで
調べることにした依頼者さんは「腟内フローラチェック」を選ばれました。
症状は痒みおりものが特に気になったとの事、、、、、、、
ならば、「おりもの&臭いの検査」が良かったのに!!!

そんなことを思いまながら、
先ずは検体が適切に採取されているかどうかを調べることにしました。
腟内フローラチェックのみなら、
このようにほんの少し塗抹してパパニコロウ染色した標本で検査が可能です。

早速見てみましょう

腟内に白血球の増加はなく、腟炎は起こしていません。
かゆみおりものが気になるとのことですと、私達は真っ先にカンジダがいるかどうか調べます。
標本をくまなく探してもそれらしき菌糸や胞子は見られません。
すると写真のような箇所が目に飛び込んできました。

中央の左右に特に気になる所見があるので早速左側の細胞を拡大してみました。
あれあれ?、、、HPVに感染したLSIL相当の細胞ではないか!
この人のコメントには、前回の子宮頸がん検診では“異常なし”とのことですが?
今回の検査では明らかな異常を発見!!
ちゃんとした標本で細胞診検査を行う必要があります。
それはLSIL相当の細胞だけなら良いのですが、
それ以上の所見があるかどうかをチェックする必要があるからです。

婦人科への受診を勧めますが、今回採取された検体での追加検査も可能です。
さらに感染している可能性が高いハイリスク型HPVのタイピング検査の追加検査も可能です。
やや右側に目を向けると、やや黒っぽく見える細胞は、clue cell(クルーセル))といいます。
細胞に腟ガルドネラ菌が群がっている所見で、細菌性腟の特徴の一つです。

※細菌性腟と細菌性腟はよく間違えられます。
腟炎を起こしていると白血球が増えます。
しかし、細菌性腟症の多くは白血球が増えません。
なので、この方は以前細菌性腟炎になった、、、、と言われましたが?
実は細菌性腟症ではなかったのでしょうか?

細胞の周りを見ても、明らかな乳酸菌は全く見られませんので、
腟内フローラチェックの評価としては「乱れている」になります。

やっぱり自己診断だけでは分からないことがありますね

今回のケースの様に、
婦人科の症状は病気によっては同じような症状になることが少なくないのです。
前回と同じような症状であっても、原因が異なることがあるのです。
だから、
病院に行くのは面倒と思ても検査だけでもしておくことが大切なのです。

細菌性腟症でもかゆみを訴える人は少なくないです。
HPV感染初期にかゆみを訴える人も少なくないです。

アイラボの検査は細胞診が基本

アイラボの郵送検査は、どんな検査キットでも検体の適否判定を行ってから検査をしています。
不適切な検体で診断された「陰性」は間違った陰性だからです。

郵送検査を始めた当初風俗の定期検査で加藤式のスポンジ部分が故意に切り取られた検体が届きました。
(医師が採取しない)自己採取検体は「陽性の結果が出るのは困る」場合、
適切な採取が行われないこともあることが判明しました。
アイラボではそれ以来、
郵送検査の全てのキットについてこのブログの最初の写真の様に検体の適否判定を実施しています。

ほんの少しの細胞を観察するだけですが、時には今回の様に異型細胞に遭遇することがあります。
今回のケースは子宮頸がん検診で陰性だったのですが、良かったですね。
これこそアイラボの郵送検査の目指すところです。

腟活サプリメント!! 9/1より販売中!
 腟内フローラを整える

腟活サプリメント

アイラボの腟内フローラチェックとも連携!!
「腟内環境を良好にし、調子を整える」サプリメントとしてフェムシア/ケアラクト
(機能性表示食品)がDOSHISHAから9月1日より販売を開始しました!
腟活サプリメントとして、健康のサポートにお役立ていただければ幸いです。
フェムシアの膣内フローラサプリ、”Care Lact サプリメント”とは?
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酸性に保たれた膣内は、雑菌の侵入や繁殖を防ぎ、健康な状態を維持しますが、疲れやストレス、抗生物質の服用、性行為、膣洗浄などの影響で善玉菌が減ってしまうと自浄作用が機能しなくなってしまい、様々な膣トラブルの原因となります。
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☎0120-147-148  公式サイト https://femcia.com/ 受付時間:平日10:00~17:00
(年末年始・夏季休暇等を除く)

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生理終盤の腟洗浄はNG

女性の体は本当に神秘的です。
(思春期)月経が始まるということは、卵巣で眠っていた卵(卵胞)が成熟を始めるということです。
つまり、脳下垂体前葉というところから卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌され、卵巣の中にある原始卵胞(眠っていた卵)に(成熟しなさい)と刺激を与えます。すると受精が可能な卵に成熟します。このFSHというホルモンは排卵の直前まで増え続けますが、卵が成熟する過程で女性ホルモン(エストロゲン)が作られ、排卵の頃に最も多くなります。排卵されると、“排卵された”という信号が脳に行き、脳下垂体前葉から黄体形成ホルモン
(LH:排卵された後に黄体を作りなさいというホルモン)が分泌され、その黄体から黄体ホルモンが分泌され、受精卵が無事に着床し、分裂を繰り返し10ヵ月ほどかけて赤ちゃんまで成熟します。
一方、精子と出会えなかった卵は着床しないため、着床を準備していた子宮内膜成分は血液と一緒に剥がれ落ち、体外に脱出します。これが月経です。

赤ちゃんが育つ子宮は、腟を介して外部とつながっています。
外陰部は肛門に接しており、いろいろな菌が存在しますので、そのような菌が腟の中に入って増えないようにいろいろな防御機構が働いています。しかし、思春期前は腟の上皮は薄く、十分な防御力がないため時折腟炎を起こしてしまう事もあります。思春期になり、月経が始まる頃には性交にも耐えられる準備が整い、腟の粘膜上皮は厚くなり、それら細胞には乳酸菌の栄養源となるグリコーゲンが豊富になり、腟内は強い酸性の環境になります。性行為が始まるようになるといろいろな菌が腟内に侵入しますが、乳酸菌が守っているのです。

さらに、月経により多量の血液が子宮や腟内を流れ下ることで、腟内を洗っているのです。
そんな神秘的な営なみで腟内は守られていること、よく覚えてくださいね。

月経血で腟内を洗った後は、乳酸菌が増える時期!

もう1年余りも細菌性腟症で悩んでいた客さん。
お仕事柄(風俗)生理後半は早くきれいにして仕事に出たいそうです。
これまでその対策はもっぱら腟洗浄でしたが、臭いが気になるようになったので定期検査をアイラボの「腟と咽頭のSTDチェック」に切り替えたようです。その理由は性病ではない細菌性腟症の検査が同時にできるからという事でした。
しかし、初めてから一度も細菌性腟症から逃れることはできませんでした。対策は“腟洗浄は絶対にしない”を守りました。今まで習慣になっていたので“洗わないと気持ちが悪い”という思いはありましたが、外陰部はそれなりに清潔にしていましたが腟内は可能な限り自然体にしました。その間、クラミジアやカンジダ症になって治療しました。またかかりつけの先生にはフラジールを処方して頂いたこともありましたが、すぐには改善しなかったのです。

ところが今月の定期検査では腟内に炎症はなく、写真の様に乳酸菌たくさん増えていました。
検査をする私達にとっても「〇〇さん、細菌性腟症が治った!」と、みんなで喜びました。
そうなんです。
細菌性腟症は病気ではないんです。
単に腟内環境が乳酸菌主体から腟ガルドネラ菌に置き換わっただけのことです。
しかも、腟ガルドネラ菌が支配するようになっても、白血球は増えないのです。つまり腟炎は起こさないのです。
強い腟炎を起こす淋病やクラミジア、さらに腟トリコモナス症とは違うのです。

乳酸菌主体の腟内酸度はおおむねpH3.5程ですが、腟ガルドネラが主体になるとpH4.5以上になると言われています。
腟ガルドネラ菌も乳酸菌ほどではないものの酸を作るので、(ひょっとしたら)腟内をある程度守っているのかも知れませんし、他の微生物にとっても住みやすい環境を提供しているのではないか?と考えさせられることがあります。
その一つが、HPVですが、ASC-US例やLSILケースで細菌性腟症を合併していることは少なくないのです。

でも困ることが2つあります。
その一つは魚臭帯下(魚の生臭いにおいのするおりもの)です。
臭いの度合いは様々ですが、体臭と思われたり、性病では?と疑われてしまう事もあります。
もう一つの困る点は、流産や早産の原因になるという報告もあります。この点を考慮するなら、望む妊娠の前には細菌性腟症を改善しておくのが良いと思います。
細菌性腟症は病気ではありませんので、生活習慣に気をつければ改善が期待されます。
お悩みの際はDrシイナに直接ご相談下さい。セルフメディケーション!自分で努力して改善させましょう。

おりものが心配! 病院に行けない!

最近おりものが心配です。病院に行かなければいけないのは分かっているんですが、いざとなると仕事が忙しいとか自分自身で言い訳をつくって後回しにしています。
そんな時、郵送検査で簡単に調べられることを知りました。
初めての挑戦ですが、「セルフメディケーション、、、自分の健康は自分で守る」という言葉に賛同してこの検査を受けることにしました。

そんなお客様のケースを紹介します。
今ネットではいろいろなサプリが売られていますが、この方もつい手を出しそうになってしまうくらい悩まれていたようですが、実際購入するには怖くて手が出せなかったようです。

そんな悩める方の顕微鏡像を見てみましょう。

全く問題ないのでは?

写真左(上)は弱拡大です。少し白血球は見えますが、比較的きれいな腟内であることが分かります。
中層細胞が主体で、性周期的には月経前の分泌期(黄体期)ではないかと思います。
拡大を上げてみましょう。中央にある大きな細胞が中層細胞ですが、その周りには中層細胞が融解された細胞断片が見られます。
また、それら細胞の周りには細長い針のような細菌がたくさん見られます。これは乳酸菌の仲間で、中層細胞にたくさん含まれるグリコーゲン(糖分)を栄養源にして増えているのです。
とても健康的な状態で、腟内フローラチェックは「とても良い」評価になります。

こんなに健康的な腟内環境なのになぜ悩んでいたんでしょうね。
実はこの方の様に、実際検査をしてみると何でもないケースが結構あります。
以前、アイラボの無料相談を利用された方で、性交経験が全くなくないのですが、若いころからおりものや臭いのことが心配で、一人でずっと悩まれたようです。一年前に彼ができましたが、まだ体の関係にはなっていませんが、なんとなくその関係が近い気がするようになってからおりものや臭いが心配になり、市販されている色々なものを試しましたが気になる症状は改善されなかったと言います。その方がアイラボの腟内フローラチェックを試されました。その結果は、白血球が多少増加し、軽い腟炎があるかも?、、、程度でしたが、乳酸菌の仲間も十分見られ、細菌性腟症やカンジダ症を疑う所見も見られません。

臭いには個人差もあり、また感じ方も人によって様々かと思います。
私達に「臭いが気になる」という相談をされて検査した方の多くは(80%以上かな?)細菌性腟症や感染症を伴うことが多いのですが、今回の様に腟内フローラの状況が良好なのにもかかわらず悩み苦しんでいる方がいるのも事実かと思います。不安を抱えたままいろいろなことを試すより、先ずは今の状況っをしっかりチェックする生活習慣ができるとよいのではないでしょうか?

私達アイラボが少しでもお役に立てれば幸いです。
一人で悩むよりまず相談、まず検査が良いと思います。
決めるのは貴女しかいません。セルフメディケーション!

腟内フローラ状態を知っておきたい

40代後半の方、カンジダ症や腟炎を繰り返し、マイコプラズマやウレアプラズマの感染の経験もある方が、一度腟内フローラの状態を知っておきたいということで検査を受けられました。
この様な悩みを抱える方は少なくありません。カンジダ症は、強いかゆみを伴うため、多くの場合婦人科を受診されますが、腟炎や細菌性腟症では、“おかしい” “婦人科を受診すべきか?” と思いつつもそのままにしてしまうケースは少なくないと思います。
ましてやマイコプラズマやウレアプラズマの検査まで受けられる人はさらに少ないと思います。
そんな悩みを抱える人は、この方の様に一度は腟内の状況を知っておかれることは大切だと思います。

典型的な細菌性腟症の状態です

白血球の増加はなく腟内はとてもきれいです。
しかし、拡大を上げた写真を見ても乳酸菌はほとんど見られません。
写真の中央には腟ガルドネラ菌が群がった細胞(クルーセル)が見られます。
細菌性腟症は炎症(白血球の増加)を伴わないことが特徴の一つですので、この症例は典型例と言えます。
従って、腟内フローラチェックの評価としては「乱れている」ということになります。
長年細菌性腟症と向き合ってきた私の結論は、この世代における原因の一つは入浴ではないかと考えます。
30代に少なくなる傾向は、子育て時代になると20代に比べて性行動が穏やかになり、腟内フローラが安定するのではないかと考えます。しかし、40代後半から50代で増加する一因は性行動以外に、入浴が関係している可能性を指摘したいと思います。
入浴の際にお湯が腟内に入ることで、腟洗浄を毎日行っている状況になってはいないだろうか?
フラジール等で治療した後はしばらくシャワーを利用してみてはどうか?
細菌性腟症は性感染症ではありませんので、医師の側でもそれほど重要ししていないようです。私が細胞診の報告書に「細菌性腟症が疑われます」と記載しても、どれだけ対応して頂けるのか不明です。現実的には「そのような報告は必要ない」という検診機関もありますし、「わからないこと」や「めんどうなこと」はあえて関与しないというような対応は少なくありません。「臭いやオリモノでの悩みはないか」位いは伝えてあげたい気がします。


妊活中です

数年前より臭いが気になるようになりました。
性感染症の検査を受けましたが結果は陰性であったため、医師からは特に処方は出ませんでした。その後およそ数カ月間ラクトフェリンのサプリメントや乳酸菌飲料を飲んだりしながら経過観察していましたが良くなりませんでした。
現在妊活中ですが、なかなか妊娠しないため、この度フローラ検査をさせて頂きました。

結果は細菌性腟症の疑い

弱拡大の画像では白血球は極めて少なく、腟内はとてもきれいな状況でした。
しかし拡大を上げると、写真の中央にはクルーセルという細菌性腟症に特有な細胞が見られます。これは細胞の上に腟ガルドネラ菌が群がった状態で、腟内は乳酸菌に代わってこの菌が支配している状況と思われます。
以前のブログ「細菌性腟症の事例」でもご紹介させて頂きましたが、この方も主治医の先生に今回の結果をお見せしたところ、フラジールを処方して頂けたようです。婦人科の先生も細菌性腟症が疑われることがはっきりすれば適切な抗生物質を処方していただけるようですね。セルフメディケーションを応援する者としてはとても心強くなりました。
先生方に心より感謝申し上げます。

この方は既に「ラクトフローラフォルテ腟錠」を購入し、使い始めたようです。
10日間この腟錠使用した後にアイラボの「細菌性腟症完治確認検査」でその効果を調べたうえで、先生から処方されたフラジールを使うことを決めたようです。
「妊娠できるように、最善を尽したい」と言っておられました。
アイラボのモットーは“Be with you” 私達も一緒に応援していきます。
このようなご経験がある方は是非ご意見をお聞かせください。宜しくお願い致します。
ご意見はこちらから

最近ニオイが気になるようになった

腟内フローラチェックの検査を希望する人で、その理由で最も多いのがこのタイトルです。
私達が細菌性腟症をネットで紹介し始めた20年前は、
臭いは他の人と比較できないので、自分の臭いが異常なのか正常なのか分からないという人が多かったのですが、最近の傾向として「腟内フローラの乱れがあるのではないか?」「乳酸菌が少なくなっているのでは?」「細菌性腟症ではないか」といった表現が多くなり、ニオイに関する知識が浸透してきた感があります。

そして、「腟内フローラチェック」を希望される70%以上の方が「細菌性腟症」が疑われる状況です。しかし、その原因や治療後の回復状況などについてはいまだ不明な点が多いのです。

このブログでは、同じ悩みを抱える人達の様々な経験を紹介し、その改善策を見出していきたいと思います。どうぞ皆さんの声をお聞かせください。

今日はこんなケースがありました

左の写真は弱拡大です。
顕微鏡の世界、なかなかきれいでしょ。
オレンジの細胞と明るいグリーンの細胞が腟の表面を覆ってます。
白血球は少なく、一見とても健康そうに見えます。

しかし、右の写真の様に拡大を上げると乳酸菌はほとんど見られず、腟内は腟ガルドネラ菌に置き換わっているのです。
従って、腟内フローラの状況としては「乱れている」ということになってしまうのです。
炎症を伴っていないので、細菌性腟炎ではなく「細菌性腟症」と言います。
 
こんなにきれいなのに何故嫌な臭いになるんですかね