膣炎って腟の中がどうなっているの?

膣炎とは、腟内で炎症が起こっている状況を言います。
私達が顕微鏡の世界で炎症が起こっていると推測できる所見は白血球が増えている状況ですが、自身の症状では黄色いおりものが増えたり、痛みを感じたりします。また、お医者さんの内診では赤いただれがみられたりします。健康な腟、口の中、ノド、鼻腔にも多少の白血球は存在しますが、オリモノが黄色くなったり、黄色い痰になったり、黄色い鼻汁になることはありません。つまり、「黄色くなる」ということは白血球が増えていることを意味しているのです。黄色い元は侵入してきたウイルスや細菌と戦った白血球の死骸「膿(うみ)」です。
多くの場合、戦うための相手(原因)があるのです。

とてもひどい腟炎の状況です

弱拡大で見ると、ほぼ全面が好中球という白血球で占められています。
ランク分けで言うと「最もひどい膣炎」ということになります。
拡大を上げても正常にみられるはずの細胞はほとんど見られません。
膿の状態です。
どうしてこんな状況になってしまうのでしょうか?
この状態ですと本人の自覚症状として黄色いオリモノは当然ですが、臭いもかなりきついのではないかと推測されます。
もちろんパートナーの方にも良い印象は与えません。
婦人科を受診するか、セルフメディケーション「先ずは自分で検査してその結果を見て判断しましょう。」
決してそのままにしてはいけない状況です。
原因としてはいろいろ考えられますが、以下の点を考慮して検査キットを選びましょう。
1)ネットで症状を調べ、できるだけ検査項目を絞る。
2)できるだけ多くの項目が入っているキットを選ぶ。

私達はこの2つの選び方は勧めません。

1)の場合、検査コストも考慮し、黄色いオリモノと嫌な臭いがするのでトリコモナスだけの検査キットを選ん場合、トリコモナスではなく、カンジダ症や細菌性腟症であることも少なくないのです。
2)の場合、子宮頸がんやマイコプラズマなど一気に多くの検査するのは面倒でありませんがお金が無駄になることが多いのです。

検査キットを選ぶ最も良い方法は、相談窓口を開設している検査会社に問い合せ、自分の症状に合ったキットを紹介して頂くことです。
2番目は、検査の結果、追加の検査が可能なキットを選んでおくのが良いと思います。
例えばDr シイナラボ(アイラボ)のキットであれば「おりもの&臭いの検査」を選んでおけば、淋菌、クラミジア、トリコモナス、カンジダ、細菌性腟症、膣炎が含まれています。子宮頸がん細胞診検査、HPV検査、マイコプラズマの検査など必要に応じて追加することが出来ます。

ひどい膣炎があったら必ず感染症のチェックはしておきましょう。
先ずは無料相談ですよ。

>詳しく見る


多分おりものは黄色!

セルフメディケーションのトップで紹介した感染症です。
私が細胞診を始めた頃(1970年頃)、、、というより、日本で本格的に子宮頸がん検診が始まった頃、この感染症は最も一般的で、毎日10例(その日に検査をする約10%)位あったと思います。50年経った今では1ヵ月に1例あるかないかになった感染症です。いかに生活環境が改善され、女性のQOLが向上したかが良く分かります。

顕微鏡ではこう見えます

左の弱拡大像では、青色の染まるゴマ粒のような白血球がたくさん見えます。つまり、強い膣炎を起こしていることが分かります。画像を拡大してみると(右)、画像中央部に緑色にやや濃く染まる丸い細胞が横並び状態で4-5個見えます。これらはトリコモナス原虫という小さな虫です。膣の中では活発に動き回ることができます。
腟トリコモナス症は性感染症ですので、主に性行為で感染します。昔は感染者が極めて多かったこともありますが、お温泉や銭湯でもまれに感染した可能性はありますが、現在の様にきれいな水をふんだんに使える浴場での感染は皆無に等しいと思います。
最も顕著な症状は「黄色いおりものの増加」です。おりものが黄色くなる原因は白血球が増えているためで、トリコモナスと戦った白血球の死骸(膿)なのです。当然ですが、おりもののニオイが強くなることも少なくありません。その他の症状としてはかゆみを伴います。
腟トリコモナス症は特徴的な症状を示すケースでは婦人科医の内診でもわかることがありますが、炎症を伴わない時は細菌性腟症やカンジダ症と鑑別が難しいことがあります。
そんな時は気軽にセルフメディケーション「おりもの&臭いの検査」でチェックしておきましょう。

>詳しくはこちら

痒い痒いものすごく痒い

今日は休日、久しぶりに仲間とホームコース(GMG八王子ゴルフ場)でゴルフ。
前半41 後半41の82でした。猛暑の中、まあまあかな?
会社に立ち寄ると相棒のヤブさんからのプレゼント。
日常最も頻繁に遭遇するケースです。
痒くて痒くて外陰部をかき壊してしまいました。
カンジダ症かなと思うんですが念のためにチェックをお願いしました。

その時の顕微鏡像

弱拡大(左)で見ると、腟の表面を覆う細胞(緑色)がいくつか塊でみえます。
白血球はあまりなく、膣炎は起こしていないで、とてもきれいです。
拡大を上げる(右)と、やや茶色に染まるものが枝状に伸びています。
これはカンジダ症に見られる仮性菌糸といいます。
腟の粘膜表面を覆う細胞を縫い刺すように増えているので、痒そうですよね。
カンジダ症はこのケースのように強いかゆみを伴うことが多いため、症状でも推測できる感染症です。最も多いのが、膀胱炎などの感染症の治療に抗生物質を投与されますが、抗生物質は大腸菌などの「細菌」は殺してくれますがカンジダには効き目がないため、抗生物質を服用した後でカンジダ症になることが多いのです。専門的には「菌交代現象」といいます。
また、妊娠中は腟内の糖分(グリコーゲン)が多くなることで、通常よりカンジダの栄養源が豊富になるためカンジダ症になることが多いのです。
強いかゆみのほかにも白っぽいオリモノが増えるのもカンジダ症の特徴で、おから状、かゆ状、カッテージチーズ状などと表現されていいます。
しかし、婦人科の先生の内診だけでは時に、細菌性腟症や他の感染症と区別が出来ないこともあります。
また、かゆみを伴う病気には、トリコモナスの感染、子宮頸がんや尖圭コンジローマの原因となるHPVの感染初期、ヘルペスの感染初期、細菌性腟症などありますが、かゆみの強さはカンジダ症が一番ではないかな?