オンライン診療にも使えるアイラボの郵送検査キット
第1号 婦人科トータルセルフチェック(Kit012)

新年あけましておめでとうございます。

日本は穏やかな新春を迎えましたが、極寒の地で新年を迎えたウクライナの人達のことを思うと心が痛むと同時に自身の無力感にさいなまれます。どうかロシアの指導者の方々に素晴らしい地球と命を守るという万人共通の願いのために、“小異を捨てて大同に就く”ということわざを考えて頂きたいものです。

“小異を捨てて大同に就く”ということわざを最初に耳にしたのが、日中国交正常化交渉の折、中国の周恩来さんがそのように述べられたと記憶しています。“さすが大国の首相”と感銘を受けた記憶があり、その後私が大切にしている考え方です。私なり、“とても大切なことを決める時には少しの我慢は仕方ない、小異についてはその後時間をかけてお互いの妥協点を見つければいいや”という思いで実践しています。

プーチン氏とその取り巻きの方々にとっては崇高な思いがあっての侵略と思いますが、既にたくさんの命や不幸を生み出している現状を見る限り、極めて身勝手で今の時代に合わない考えではないだろうか?
真の平和のため、そしてロシアの皆さんの幸せのためにも、いさぎよく侵略をやめ、世界平和を目指す国家として(偽りのない)新たな狼煙(のろし)を上げて頂きたい、そんな思いで一杯です。

新年のご挨拶はこのくらいにして、今年も私ができることを精一杯頑張ります。
2023年最初の記事は「オンライン診療」を目指したアイラボの郵送検査キットの話です。

アイラボの郵送検査キット第1号
婦人科トータルセルフチェック(Kit012)

アイラボの郵送検査キットはオンライン診療向き

アイラボの郵送検査キット第1号は“婦人科トータルセルフチェック”です。

検査項目は『腟炎の有無』『子宮頸がん検査』『トリコモナスの有無』『カンジダの有無』『細菌性腟症の疑い有無』『クラミジア(遺伝子検査)』『淋菌(遺伝子検査)』の7項目ですが、特徴は加藤式自己採取器具で一回採取し、ポストに投函するだけです。
加藤式採取器具は、すでに400万個が出荷され、安全性が確認されています。採取は極めて簡単で、タンポンを挿入するのと同様です。器具には十分挿入されたところにストッパーがついていますので、それ以上奥に入る心配はありませんが、手術をされた方や避妊具を挿入されている方は採取前に医師にご相談下さい。また、妊娠中の方についてはご使用になれません。詳しくは大成化工株式会社「ご使用に関するご相談窓口」072-640-2125(担当三上)が承ります。器具以外のご質問に関しては、アイラボの無料相談でもお受けいたします。

採取の失敗は1000件中3件ほどありますが、その原因はいずれも採取法の説明書を良く読んでいないことにつきます。つまり、説明書通りに採取して頂ければ、失敗はゼロです。

採取された検体は、同封の封筒に入れポストに入れて頂くだけです。
アイラボに届いた検体は、当日に処理し、遺伝子検査以外は数日以内に結果が出ます。

写真左(1番上)は、子宮頸がん検査でLSIL(軽度異形成)に相当する細胞です。このケースは病院を受診して頂き、子宮頸管内を含め精密検査(細胞診)をお願いしています。また、感染しているHPVの型の検査を希望される方には「HPVタイピング検査(ハイリスク13種+コンジローマ)」の追加が可能です。この検査は『高感度多種HPV検出法 uniplex E6/E7 PCR』という杏林大学保健学部大河戸光章先生が開発した方法を採用しています。
写真右(2番目)は、クルーセルが見られ、細菌性腟症が疑われるケースです。性感染症ではありませんが、多くの場合おりものの臭いが気になるようです。ご相談の上しばらく様子を見るケースと婦人科を受診して頂くケースに分かれますが、先ずは生活習慣の改善に挑戦して頂くため、お気軽にご相談していただく事をお勧めしています。(例えば、40代でお産の経験がある方の場合、しばらく入浴(浴槽に入る)を控えシャワーのみにして頂くことなど)
写真左下(3番目)は、ゴマのように見える白血球が増えていますので、腟炎が疑われます。婦人科トータルセルフチェックに含まれない感染症の存在も否定できません。腟炎の結果以外に異常所見がない場合で腟炎の状況がひどい時は「マイコプラズマやウレアプラズマの追加検査」をお勧めすることもあります。
写真右下(4番目)は、トリコモナス原虫が見られたケースです。トリコモナスの検査においても、このキットなら1週間以内であれば全く変質することなしに検査することが可能です。
今回は、写真の添付はしませんが、カンジダや腟内フローラの検査も追加でできるのがこのキットの特徴です。
異常所見が見られた時は遺伝子検査以外は全て写真が添付されます。全国どこの医療機関にお持ちいただいても、担当の先生にご理解頂けるようアイラボ独自の報告書を作成しています。20年間同じ報告書を使用していますが、これまでにクレームは一件もございません。むしろ写真付きですので、先生方が再検査されて「異常なし」の結果になった時は、他院への紹介や再検査をして頂けることが多いようです。
“チョットいつもと違う?”
そんな時、気軽に婦人科に行こう、とはなかなかなれないのが日本女性かな?
今日も元タレントの方が亡くなられたニュースが入ってきました。原因は「子宮がん」とありました。
病院に行くのが苦手な方のために始めた郵送検査、この20年ですそ野が広がってきましたが、まだまだアイラボの認知度が低いことがとても残念です。

婦人科トータルセルフチェックの採取器具は“加藤式”ですが、腟内に自然に剥がれた細胞と子宮の入り口をこすり採ることでたくさんの細胞が採取できる優れものです。初心者でも簡単に採取できます。

結果のご報告は、ネットと郵送があります。
依頼されたご本人はもとより、ご本人の承諾が得られたものについてはご指定の医療機関へのご報告も可能です。
20年前に病院に行くのが苦手な人のために郵送検査として世に送り込んだ“婦人科トータルセルフチェック”ですが、
コロナ禍で予期せぬオンライン診療が広がりつつあります。これは医療側にとっても患者側にとっても画期的な出来事です。私達、検査に関わる者としては医療の現場が混乱することがなく、適切な診療に結び付けられるよう、その在り方についても進化させていきたいと考えています。