ASC-USってどういうことですか?

アイラボの無料相談に、「エイエスシーユーエス(ASC-US)について教えて頂きたい」という相談がありました。
受診したクリニックの先生が、細胞診の結果が出て「エイエスシーユーエス」でしたと言われました。
その意味が分からなかったのでその先生に質問したところ、「ASC-US以上でもなく、ASC-US以下でもない」という回答でした。
少し怖い感じでしたので、それ以上は質問せず、自宅に帰りこの相談窓口が見つけ、相談させて頂きました。

それって何?
憤慨する思いでしたが、この相談窓口には信じられないほど、医療の現場を危惧する相談が多いのです。

忙しいのか? 面倒なのか? 説明ができないのか?
いずれにせよ、受診者への対応が困難な時は、私達の相談窓口を是非ご利用ください。
私達の無料相談窓口のスタッフは、医師ではありませんが、臨床検査技師、細胞検査士、日本性感染症学会認定士の資格を有しています。

ASCとは異型扁平上皮細胞(atypical squamous cells)と言う意味で、ASCにはASC-USとASC-Hに分けられています。前者のASC-USは意義不明な異型細胞と定義されていますが、実際にはHPV感染に伴う変化、つまり軽度扁平上皮内病変(LSIL)の存在が否定できない(軽度異形成があるかもしれない)が含まれます。それに対してASC-Hは(中等度異形成、高度異形成及び上皮内癌)のような前がん病変(HSIL)の存在を否定できない位置付けになっています。
従って、ASC-USには、“意義不明な”とあるようにその由来がはっきりしないものから、HPV感染が否定できないものまで種々の細胞が含まれます。かなり幅広の基準になっていますので子宮頸がん検診の場合このASCは5%以内に収めることになっています。
そして最も大切な点は、ASC-USと診断された場合、子宮頸がんの原因となるハイリスク型HPVの感染者を拾い上げる目的でHPV検査を追加することになっています。

ASC-US(アスカス)とした細胞はこんな感じ

私達がASC-USと診断した一例です。
このケースは正常の細胞に比べ、核が大きくなっている点で正常とは異なりますので、NILMと診断するには抵抗があります。また、LSIL(軽度異型扁平上皮内病変=軽度異形成=HPV感染が明らか)と診断するには核の濃さ(専門的には核のクロマチン量)が乏しいため踏み込んでLSILと診断することも難しいのです。従って「はっきり言えない」という位置付けなんです。ですから医師が「ASC-US以上でも以下でもない」ということは誤ってはいないのですが、患者さんの質問の答えにはなっていないし、優しさがないのです。
私は相談者にこう答えました。
「(かなり心配していたので)ASC-USはあまりはっきりしたことが言えないチョット異型のある細胞が出たということですので、今の段階では子宮頸がんを心配するようなことは全くありません。ただ、ASC-USの細胞が出ていたという時には子宮頸がんの原因になるHPVというウイルスの感染があるかも知れませんので、世界的にHPV検査を追加して調べることになっています。もちろん保険の適用になります。結果は次に来院するときまでには分かります。(必要があれば)もし陽性になったとしてもその90%は自然にいなくなりますが、10%程が感染し続けるのて、それを定期的に調べていくことになります。今は全く心配いりません。

たった1分で済む話です。
ASC-USという結果が出たら、先ずはHPV検査で感染の有無を調べましょう。
もし陽性であった場合は定期的にチェックしましょう。せっかく検診でASC-USという異常が指摘されたのですから、セルフメディケーション!主治医の指示に従って追跡検査を受けましょう。もし疑問が残る場合はそのままにせず、セルフメディケーション!アイラボの無料相談をご利用ください。