腟内の萎縮とは

女性は年齢や性周期によってホルモンによる影響が劇的に変化します。
幼児期では、脳から卵巣に向けての刺激がほとんどありませんが、思春期になると脳下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌され、卵巣の卵(原始卵胞)が成熟を始めます。卵の成熟に伴って卵巣から女性ホルモン(エストロゲン)が分泌され、排卵の直前で最も多くなり排卵が起こります。排卵されたという刺激が脳に伝わると、脳下垂体から黄体形成ホルモン(LH)が分泌され、排卵された後の卵巣に黄体が作られ、そこから黄体ホルモンが分泌されます。
思春期以降から閉経になるまで、この4つのホルモンの働きで子宮や腟の環境が劇的に変わるのです。
「ご挨拶」の中ではエストロゲンの効果が最も高い「排卵の頃」と黄体ホルモンの影響が強くなる「月経前」の腟の状況を見てきました。
エストロゲンの効果が高いと「腟の細胞は表層細胞(オレンジ色の細胞)まで成熟することができます。」が、黄体ホルモンの影響を受けるようになると「中層細胞までしか成熟できないのです」 分かりやすく言えば一皮むけた状態かな?

2つのホルモンが分泌されないと「萎縮」が起こります

粘膜が薄くなると、当然のことですが抵抗力がなくなります。それを補うために白血球が少し増えてきます。細胞も小さくなって丸くなってきます。このような細胞を旁基底細胞と言います。
幼児期の時もこれと同じ状態ですので、腟炎を起こしやすいわけです。
腟内のこのような変化は全ての女性で起こる当たり前な変化です。
「月経がある女性=妊娠可能な女性」これを性成熟期の女性と言います。
妊娠のための性行為にも耐えられるように粘膜が厚く丈夫になったり、乳酸菌の増殖を促すたくさんのグリコーゲンを供給したり、様々な神秘によって守られています。
しかし性行為によって時には神秘の世界もバランスを崩すことがあるのです。
セルフメディケーション「あなたの体を守るのはあなただけです。もっと自分の体をよく知って、長く健康に付き合ってくださいね。ちょっと変かな? と気付くのはあなただけですよ。」