多分おりものは黄色!

セルフメディケーションのトップで紹介した感染症です。
私が細胞診を始めた頃(1970年頃)、、、というより、日本で本格的に子宮頸がん検診が始まった頃、この感染症は最も一般的で、毎日10例(その日に検査をする約10%)位あったと思います。50年経った今では1ヵ月に1例あるかないかになった感染症です。いかに生活環境が改善され、女性のQOLが向上したかが良く分かります。

顕微鏡ではこう見えます

左の弱拡大像では、青色の染まるゴマ粒のような白血球がたくさん見えます。つまり、強い膣炎を起こしていることが分かります。画像を拡大してみると(右)、画像中央部に緑色にやや濃く染まる丸い細胞が横並び状態で4-5個見えます。これらはトリコモナス原虫という小さな虫です。膣の中では活発に動き回ることができます。
腟トリコモナス症は性感染症ですので、主に性行為で感染します。昔は感染者が極めて多かったこともありますが、お温泉や銭湯でもまれに感染した可能性はありますが、現在の様にきれいな水をふんだんに使える浴場での感染は皆無に等しいと思います。
最も顕著な症状は「黄色いおりものの増加」です。おりものが黄色くなる原因は白血球が増えているためで、トリコモナスと戦った白血球の死骸(膿)なのです。当然ですが、おりもののニオイが強くなることも少なくありません。その他の症状としてはかゆみを伴います。
腟トリコモナス症は特徴的な症状を示すケースでは婦人科医の内診でもわかることがありますが、炎症を伴わない時は細菌性腟症やカンジダ症と鑑別が難しいことがあります。
そんな時は気軽にセルフメディケーション「おりもの&臭いの検査」でチェックしておきましょう。

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