妊娠中も腟内ではこんな変化が

妊娠の時に現れる舟形細胞

“ご挨拶” の中で、腟の粘膜はホルモンとヒトの細胞、そして乳酸菌の仲間が繰り広げる“神秘的な現象”を顕微鏡下で見て頂きました。
今日は、妊娠が成立した時の腟内の状況を見ておきましょう。

ちょっと染色が薄いけど、もっときれいな細胞と巡り合ったら写真を変えますね。
思った時に記事にしておかないと(永遠に)忘れてしまうかもしれないので、、、。
※9月26日に写真変更しました。

妊娠中の腟の表面には“舟形細胞”という特徴的な細胞が現れます。

妊娠の時に見られる舟形細胞

乳酸菌がたくさん増えることで、腟内の酸度はさらに高くなります。
酸度が高くなれば腟内でいろいろなばい菌は増えることができません。
こうして妊娠中、母体と胎児を守っているんですよ。
うすい緑色に染まる中層細胞が主体で、オレンジ色に染まる細胞も若干見られます。
中央に舟の様に細胞のヘリ(まわり)が厚く見える細胞が見られます。
その部位の拡大を上げたのが下の写真です。
拡大を上げると、ヘリが厚くなった細胞の内側はやや黄色味を帯びています。
染色がもう少し濃ければ黄色がもっとはっきりするんですが、、、。
黄色い部分はグリコーゲンです。舟形細胞はグリコーゲンをたくさん積んでいる舟のように見えます。
このような細胞の周りに針の様に見える乳酸菌の仲間がたくさん見えますね。
舟形細胞によってたくさんのグリコーゲンが腟内に供給されるので、乳酸菌を増やすことができるんです。
これも神秘的な現象でしょ