10代でも勇気を出して検査してよかった。

子宮頸がん検診は20歳から?そうですかね。
私は“セックスを始めたら子宮頸がん検診は定期的に”だと思います。
今回は10代後半の女の子についてお話しします。
『おりものがだんだん多くなってきた。でも、病院に行く勇気はない。(理由は)何と言っていいのか分からないから』と言います。そこで病院には行かなくても郵送で検査できる『おりもの&臭いの検査』を選んだと言います。 ちなみにこのキットで調べられるのは淋菌、クラミジア、細菌性腟症、トリコモナス、カンジダ、それに腟炎です。

早速顕微鏡を見ましょう (今回は4枚の写真を見て頂きます)
この検査では、検体が適正に採取されているか? トリコモナスやカンジダはいないか、さらに細菌性腟症が疑われる所見がないか?腟炎を起こしているか?について顕微鏡で観察できる標本を作製します。
(淋菌とクラミジアは他の遺伝子検査に廻します)
この写真は皆さんにおなじみの細菌性腟症の典型的な所見です。
この方が勇気を出して検査してみようと思ったのは細菌性腟症が原因でしたね。
その他にも白血球増加していますので、腟炎を伴っているようです。この写真の中にはトリコモナスやカンジダは見られませんが、淋菌やクラミジアなど、その他の感染症もチェックしておきたいところですね。
他の場所を見ても、細菌性腟症と腟炎を疑う所見は同じですが、写真の中央には核がいくつもあるように見える(異常な)細胞を認めます。HPVの感染による変化なのかな?、、、と考えます。
他の場所には、細胞の大きさに比べ核の占める割合がとても大きな(異常な)細胞もみられます。
核の構造がちょっとおかしく、やはり核の中で何かが起こっているのかな?、、、HPVの感染に伴う変化なのかな?、、、16型の感染があるのかな?、、、中等度異形成(CIN2)程度の病変があるのかな?、、、そんなことを考えながら見ています。
別の場所にはこんな細胞もみられます。
やはり、腟炎だけではこのような細胞は見られないよな?、、、核が2つ存在しますので、やはりHPVの関与を除外することはできない、かといって、典型的な中等度異形成の形態とも若干異なるし、、、(とても迷うところです)、、、(そんなことで)私はASC-H(HSILの存在も否定できない)と考えました。

オリモノや臭いの後ろに異形成(HPV感染に伴う病変)が!

『おりもの&臭いの検査』には本来子宮頸がん細胞診検査は含まれてはいませんが、『おりもの&臭いの検査』を進めている段階でこのような異型細胞が発見されました。このような場合、アイラボでは『今回は通常子宮頸がん細胞診検査のために作製する標本の1/10程の細胞を観察しただけですので、残った検体で「子宮頸がん細胞診検査」「HPV検査」を追加することが可能です。』との報告をします。それらを同時に検査する「最新の子宮頸がん検査」を選ぶこともできます。当然このような追加検査をせずに、婦人科を受診することも可能です。

こうしている間に、淋菌とクラミジアの検査結果が出てきました。
結果は、クラミジアの感染もありました。

勇気を出して検査してよかったね

セルフメディケーション!

病気の早期発見早期治療こそがすべての幸せに通じます。
せっかく検査してこれだけのことが分かったので、必ず婦人科を受診してくださいね